こちらでの活動も半年以上になり、皆さんの話を聞いて、お相手探しの『条件』を少なくし、出会いのチャンスを広げたい、と考えを変えてみました。
最近は結婚の意識が強くなっています。私は未婚の方を希望していましたが、こだわらずに婚姻経験のある方もいいんじゃないかと。
ただ、
離婚された理由は気になります。ナイーブな部分だし、お会いしてお付き合いしたいって思うまでは、触れないほうがいいんでしょうか?
これまでメールした方とは、好き嫌いや趣味のような軽い話がメールで多く、結婚観や恋愛観を話すようなことは苦手で、特にしてきませんでした。歩み寄ってお付き合いすることはできるのですが、結婚となると・・・。
年齢のこともあり、子供を絶対ほしいと思われることも、少し怖く感じてしまいます。
私から重い話を早い段階でされても、男性は引くと思いますし。
何かアドバイスをいただければと思います。
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ご相談を拝見いたしました。
ご指名をありがとうございます。
相手探しの条件を少なくして、チャンスを広げようと前向きにがんばっておられる姿勢が素晴らしいですね。離婚歴のある方へ目を向けることも大賛成です。
その場合、お相手の離婚理由を知りたいと思うのは当然ですし、できるなら早めに、可能なら会う前に知りたい・・・というようなお気持ちもわからないではありません。
ただ逆から言えば、会ってもいない相手に対して、人はどこまで正直に本当のことを話せるものでしょうか。
人間関係は信頼関係だと思います。
あなたのことを信頼して好意を感じていると、普段なら言わないような本音や、誰にも言わないでいた心の秘密を打ち明けたくなるかもしれないわけで、そういう段階に至っていない場合は、どうしたって世間一般のお愛想を言うか、あるいは嘘をついてしまうことになるのではないでしょうか。
たぶん「性格の不一致」とか「価値観の相違」とか、未婚の方から見ると、「そんないかにもありがちな・・・」、「そんなの、結婚前にわからなかったのか・・・」などと言いたくなるような答えが返ってくるでしょう。
そこをさらに突っ込んで事実を知ろうとするなら、相手はガードを固める側にまわるか、おつきあいする気持ちとは反対の方向へ向かってしまうと思うのです。
離婚は、その理由は人によって様々ですが、未婚の人間が想像し得る以上に、体験した人は非常に傷ついているもの。
もちろんあなただって根掘り葉掘り聞きたいわけではなく、その理由が彼の暴力であったり、今は返済されているけれど、借金であったり・・・など、そういう過激なケースはできるだけ避けたいから、事前に知って会わずにすむなら会わないでいたい、というお気持ちがあるかもしれません。
でも、会わない段階でお相手が、「実は酔った勢いでケンカして、何度か妻を殴ったら出て行かれて・・・」とか、「公務員なんですが、根がギャンブル好きで・・・」などとメールで答えてくれるとはとても思えません。
つまり、事前にというか、会う前に離婚理由を知ろうとして、すべての真実を知ることのできる確率は決して高くないと思うのです。
プロでもデリケートな部分を聞くことは難しいと思います。
あなただってたとえば、「なぜ今までお一人だったんですか?」とか、「どういう人とおつきあいしてきたんですか?」などと聞かれたら一瞬、「へっ?」という感じで即答できないのではないでしょうか。
そのことと離婚は全然違うレベルじゃないかと思われるでしょうが、そのぐらいの衝撃が相手には行くということ。
では、親しくなって結婚を意識するまでは離婚理由に一切触れないほうがいいのか?
それはまた違います。
会って顔を見ながらでしたら聞いていいと思います。それも、メールのやりとりが安定して続いていたり何度かお会いして気心が知れてきたりしてから、つまり信頼関係が少しは築けてからがベスト。それなら、結婚する意志があるかないかはまだ視野にない段階であっても、伺っていいと思います。
それ以前に、たぶんお会いして親しい関係になれば、お相手のほうからポツリポツリと、あるいはきちんと改まった感じで、離婚についての話があると思います。あるいは、離婚体験者にはそうあってほしいと願います。
もちろん離婚体験者は、相手に自分の辛かった体験を最初から包み隠さず話す必要はありません。
でも、相手の不安を解消してあげると同時に、自身が新たな結婚に向けて気持ちや生活をシフトして行くこと、つまり自分の体験を客観的に語れることはそれを後押しし、それは新しい二人にとって必要条件だと思うのです。
離婚自体が問題なのではなく、その事実に対して相手にどう誠意を示していくかが問題なのですから。
あなたがいちばん気にしていらっしゃるのは、お相手が子供を絶対ほしいと思っていたらプレッシャー、ということかと思います。
でも、子供はいらないという人と出会いたい、というほどではないでしょう?
あなたご自身も、できるなら子供はほしいけれど、そのことをあまりせっつかれたり、もしできなかった場合は離婚・・・というぐらいの勢いの男性だと困るなあ、という感じではないでしょうか。
子供の問題もデリケートですよね。
子供のいる人はわりあい無神経に「早く産みなよ」とか、「産めるうちに産んでおいたら」などと発言してしまうものですが、若くても産めない肉体の女性もいれば、年齢的な問題も微妙で、なかなか気軽に発言できない部分があります。
もちろん、男性で子供を作りにくい肉体の人もいれば、親からは「早く孫の顔を見せろ」と言われているけれど、自分はそんなに子供はほしくないという男性も。
そういった様々な世の中の状況も踏まえて、あなたがこれまで苦手だとおっしゃっていた恋愛観や結婚観について、わりと気軽に問題提起・・・というとおおげさですが、話題提供する習慣を身につけるといいと思います。
「少子化って言われてずいぶん経ちますけど、こんな時代ですから、いろいろ考えちゃいますよね」などと、とりあえず水を向けてみる。それ以前に、「こんな結婚生活が夢・・・みたいのって何かありますか?」と聞いてみるとか。
その場合に大事なのは、必ずあなたも答を用意しておくこと。
「年齢的にプレッシャーを感じてて・・・」とか、「こんな話題をあまりしたことがないので、自分で聞いておきながら何ですけど、ちょっと緊張しちゃってます」などど、あなたの本音に近い意見を言えるようにしておくと、今後のお互いのためにとてもいいと思います。
そういう話題だけでなく、「犬派? それとも猫派?」とか、「ワインと焼酎のどっちが好き?」といった質問と同じように話せるようにしておくことで、あなたはとても楽になるはず。
普段ほとんど話題にしたことがないのに、いきなり「なぜ離婚したんですか?」とか「子供は絶対に欲しいですか?」と聞こうとするから、あなた自身にも重い質問となり、それが相手に伝わるのです。
恋愛観や結婚観を話し合うことは楽しいし、重要です。
それは会っていない段階でも、慣れてくれば可能です。
ご自身が緊張を解いてオープンマインドになって、結婚のためなんだからいろいろ聞いとかなくちゃ・・・とガチガチになったりせずに、聞きたいテーマも会話として楽しめるようになっていただきたいと思います。
そういう存在でいると、どんな重いテーマを話題にしても引かれません。むしろ相手が食いついてきてくれるはず。結婚に前向きな姿勢にシフトし始めたあなたになら、必ずできると信じています。
どうぞがんばってくださいね。
心からご健闘を祈っております。
アドバイザー: 神原 響子