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今日のテーマは、「ネバーランド」より
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(写真)Jeremy SpencerさんのデザインによるEnglish Garden. 手前は愛猫のDotty.
(上杉恵美さん提供)

今日は、主演のジョニー・デップがアカデミー主演男優賞候補(残念ながら逃しましたが)になった「ネバーランド」をご紹介しましょう。

20世紀初頭のロンドン、劇作家のジェームズ・バリーが「ピーターパン」をこの世に出すまでの実話を映画化したものですが、この映画を見た誰もがイギリスの公園の美しさに魅了されずにいられません。バリーがケンジントン公園(この写真を探しましたが、ロンドンに行った誰もが持っていませんでした)のベンチでノートにペンを走らせる場面が好きです。(スタバでラテを片手にPCに向かうのとは少々趣が違いますねえ・・・)

でも、そうやって書くバリーの劇は、最初は人気がないのです。ダスティン・ホフマン演じる興行主チャールズが、いったい「芝居(play)」とは何か?とその本質を問う場面があって、バリーは、「遊び(play)」と答えます。英語だとまったく同じ言葉ですが、日本語にするとその違いが出て興味深い。バリーは、その瞬間、芝居は面白くなくちゃあと思うわけで、その発想から「ピーターパン」が生まれたんですね。

父親を亡くして傷つき、大人や社会を信じることのできない少年ピーターをフレディ・ハイモアが演じていますが、その繊細さと大人びた演技は卓越しています。バリーが、

Peter is trying to grow up too fast.(ピーターは早く大人になろうとし過ぎだよ)

と母親のシルヴィア(ケイト・ウィンスレット)に話す場面があります。そういう子供が最近は多いと思いませんか?そんなピーターをわが子のように思うバリーは、「ネバーランドへはどう行くの?」と尋ねるピーターに、

By believing, Peter. Just believe.(ただ、信じればいいんだよ)

と教えます。素直に信じる子供の心を大人はもっと大事に育てるべきですね。

さて、最後にイギリス人の庭好きについて一言。以前、私と一緒に働いていたイギリス人が、「イギリスでは、庭は三度の食事よりも大切だ」と言っていたのを思い出しました。写真は、イギリス人のジェレミー・スペンサーさんが自分でデザインしたご自慢のお庭ですが、悠々と石段を下りる猫のDottyも含めて、何だか心が癒される気がしませんか?

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Keri先生の
『シネマで見つけた気持ちが伝わる英語表現』(ジャパンタイムズ)好評発売中。
by kerigarbo | 2005-03-03 12:06 | Comments(10)
Commented by nina at 2005-03-03 12:58 x
イングリッシュ・ガーデンって素敵ですね♪
この『Finding Neverland』でもその美しさに目を奪われてしまいました。
次回イギリスへ行く際は是非ともケンジントン公園を散歩したいと思います。

そういえばジョニー・デップとフレディ君はあの『夢のチョコレート工場』のリメイク版でも共演してますね。オリジナルが良いだけに不安もありますが、監督はティム・バートンですし今から楽しみです。
Commented by kerigarbo at 2005-03-04 07:55
ninaさん、この映画では、デップが知的で繊細なバリーを見事に演じ、改めて彼の演技力に注目しました。役ごとに変身していくデップの今後が楽しみになりましたね。(ただし、アカデミー賞授賞式ではファッションのセンスを笑われていましたが、あれは何らかの演出??)

Commented by sudi.s at 2005-03-06 00:05
keri先生っ!私この映画で号泣してしまいました。あの子供たちにやられました。ケンジントン公園の写真なら持ってます(って違うか、笑)。
はじめての一人旅がロンドンだったので、ロンドンにはすごく思いいれがあって、自称アングロマニアの私です。夢はフォトグラファーになってロンドンに住むこと!?(夢は果てしなく大きく、爆)です。
Commented by kerigarbo at 2005-03-06 10:49
sudi.sさん、私は、大スケールの映画よりも、この映画のように音楽、背景となる映像、スト-リー、キャストが小気味よくまとまっている小品が大好きです。(私の中では、久々のヒットかもしれない)

sudi.sさん、是非ロンドンで写真を撮ってきてください。sudi.sさんの感性を生かした素晴らしい作品が撮れると思いますよ。(春のチューリップの写真、心が和みました)
Commented by kobanto at 2005-03-07 09:54 x
はじめまして。Kobantoと申します。ヨット仲間を「生徒」にして、英会話をサカナに記事を書いたりしています。絵が趣味ですので、先日アカデミー賞を題材に「ちょうたいさく」をつくりました。こちらの皆様にもご覧いただけたらと思い、トラックバックさせていただきました。ご感想などいただけたらうれしいです。
訳文については「冷や汗!」なのですが、落語でカバーということにさせていただいて・・・。
Commented by kerigarbo at 2005-03-07 21:31
kobantoさん、このブログに来てくださる方のHPやブログは全部拝見していますが、すごい才能の持ち主やアーティストが多くてびっくりしています。

kobantoさんのイラストは、ユーモアやセンスに溢れていて、一目でファンになってしまいました。アカデミー賞のイラストも、もっと見たいな。今後も期待しています。
Commented by nina at 2005-03-07 22:55 x
そうですね!彼の変身ぶり(?)には今後も大注目です☆アカデミー賞はハイライトしか見ていないので、残念ながらジョニーのファッションは拝めませんでした。でもきっと何か彼なりの意図があったのではないでしょか?

先生と同様、私もこの作品は久々のヒットです!迫力はないけれど心の奥にじーんと響く何かがありました。DVDリリースが待ち遠しくて仕方ありません。
Commented by kerigarbo at 2005-03-08 08:28
ninaさん、今なら、次のサイトでデップの授賞式の写真が見られます。http://people.aol.com/people/galleries/0,19884,1020156_1030178_2,00.html
Commented by kobanto at 2005-03-08 09:42 x
kiri先生、私の「ちょうたいさく」をお褒めいただいて、ありがとうございました。恐縮しています。
こちらにトラックバックした後で、もう一度自作を読み返してみた時に、思ったより「サーカスティック」に聞こえるような気がしましたので、もしかしたら意図に反して、映画ファンの方たちに失礼な事をしてしまったのかも・・・と、心配していました。楽しんでいただけたと分かって、大安心しています。
これからもバシバシ描いていきたいです。
Commented at 2006-03-03 20:38 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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