2010年2月1日
新聞に「桜が満開」と写真が載っていた。
ピンク色の可愛らしい花が満開じゃないか。
花見に行ってみよう! とでかけることにした。
今年に入って友人から韓国の或る町に桜が咲きその数な
んと30万本という話を聞いた。上野公園の桜が約30
00本。日本で最大の桜の群生は奈良の吉野の山の桜で
3万本というから、30万本の桜というのはあまりにも
凄い。凄すぎて想像がつかない。いったい30万本の桜
がどう咲いてるんだろう。聞くと、とにかく全ての家の
庭、道という道、川の土手、学校、公園、市庁舎、町を
取り囲む山々、およそ考えられる限り木という木はすべ
て桜だと友人はいう。締めて総数30万本。どうだ凄い
だろうという。どうだと自慢げに言うこの男も見てきた
のではなく話を聞いたんだというが、正確には聞いたの
ではなく、そこを訪れ度肝を抜かれた作家が書いた物を
読んで知っているにすぎない。それにしても訪れたソウ
ルで聞いた話では、桜は日本を象徴する花で日本統治時
代に役所や学校に盛んに植えられたが、第2次世界大戦
後、韓国は解放され、同時に桜は日本統治時代を象徴す
る花ということで随分切られてしまってソウルにはあま
り桜は咲きませんと聞いたことがある。なんで、韓国の
地方のとある町には日本を象徴する桜が30万本も植え
られているのだろうと、この話を聞いたときに不思議で
しょうがなかった。
もうすこし聞いてみると、日本統治時代からこの町には
もの凄い数の桜が植わっていたが、やはり韓国が解放さ
れたときにソウルと同じように切られて終ったそうだ。
その後、日本と韓国の友好の証しとして、不幸な歴史を
乗り越えアジアの隣人としてともに未来へ向かおうと、
それぞれの国の友好団体によって植桜運動が展開され、
かってのような桜の大景観が蘇ったというすばらしい話
だった。すばらしい話はいいが、それにしちゃこの話が
日本で知られていないのはいったいどういうことだろう。
なにか深い理由があるようなないような気もしないでは
ないが、それよりも知られてないからこの町に花見に行
きたくともどこへ行けばいいのかまったく分からない。
ツーリストエージェントも冬ソナツアーは仕掛けるが花
見ツアーのご用意はしてくれてない。行きたくても行き
ようがない。では、いつかこの町で花見をすることとし
て、まずは日本で桜を愛でよう。さっそく今年から桜追
っかけツアーを始めよう。と友人と正月に約束したが、
そういった約束が一番なりやすいのが口約束だから、守
ることで約束を成立させようじゃないかと誘い合って花
見にでかけることにしたのである。調べるとその桜は熱
海桜で、
「熱海でひとあし早い春に出逢う」
例年1月初旬より開花する「あたみ桜」は、沖縄の寒緋
桜と並んで日本列島で最も早咲きの桜。インド原産の寒
桜の一種で明治4年ころイタリア人によって熱海にもた
らされた。河津桜より1ヶ月早く咲きます。今年度は昨
年より8日早く平成21年12月17日に糸川遊歩道で
開花を確認しました。
と満開の桜の写真が出ていた。
明治4年にイタリア人が持ってきたというなら金色夜叉
よりも40年も早いじゃないか。貫一もお宮も熱海桜を
見たかもしれんな。貫一、お宮は作中の人物だからとも
かくも、尾崎紅葉は見たに違いないが、はて、さて、金
色夜叉をちゃんと読んでないから小説に熱海桜が登場す
るかどうかは知らないのである。それよりも開花確認が
去年の12月17日? 開花してすでに1ヶ月経つじゃ
ないか! 今のうちに見ておかないとそろそろ散ってし
まうのではありませんかと快晴のお天気に恵まれた土曜
日、熱海にでかけたのである。
糸川沿いの桜は匂うが如き満開で、写真家の友人は桜の
木1本1本、桜の花びら1枚1枚、どれがフォトジェニ
ックであるかと穴の空くように見つめ倒し、これだ!と
叫んだと思えば立ったり座ったりと構図を決めにかかり、
決まれば夢中でシャッターを切った。
「うーんいかん。フィルムが無くなった」
の友人の一声を潮時に花見&写真大会は終了。バス通り
の Cafe Kinowa に入り、写真家はビール
にグラタン、わたしはコーヒーに生ハムのサンドイッチ
を注文し一休みした。ハワイは常夏で熱海は常春といわ
れるが、まったくそのとおりの春のような暖かい一日で、
あれじゃ桜も咲くわいなと思った。
熱海はこの桜が終わると入れ替わるように梅の季節がや
ってきて熱海梅園で群生の紅梅白梅が香りと共に楽しめ
る。呼応するようにMOA美術館では新春恒例の「所蔵
名品展」が開催され、国宝:紅白梅屏風図 尾形光琳が
展示される。モネの睡蓮の連作のひとつが展示される。
ボストン美術館と真贋をあらそい真性とお墨付きを勝ち
得たレンブラントの肖像画が展示される。ギリシャの壺
もあればローマの壺もあるぞと。そして、梅が終われば
いよいよソメイヨシノの季節が始まる。特に、奥湯河原
から七尾に抜ける桜ヶ丘に立ち並ぶ桜の木はどれも古く、
まるで満開の桜を身にまとった山の精の立ち姿であるが
如きである。また、糸川沿いのしだれ桜が流れる水の上
に花びらを散らす風景は一幅の画となって春を彩るので
あるから、熱海は常春と呼ぶにふさわしい。
夕方、温泉に浸かって、ミシュランの☆レストラン:ラ・
ンバンスのシェフにもらったレシピに基づいてつくった
金目鯛のづけの焙りをおかずに夕飯を食い、食後は酔い
どれ亭で未完の小説家と石油王とともに西村トリオのジ
ャズライブを楽しんだ。花見の一日は盛りだくさんの出
来事で終わることができた。明日は大阪へ行く。早めに
寝た。
尚、写真家につられるように何枚か写真を撮ったが、そ
の中の数枚を写真家が褒めてくれた。デジカメとPCを
繫ぐラインが見つかり次第アップしますのでお楽しみに。