人間、齢を重ねると嬉しい知らせより悲しい報せの方が圧倒的に多くなる。自分が歳を重ねれば周りも皆、歳をとる訳だから当たり前と言えば当たり前なんだけど…。
去年は爺ちゃんが逝き今年頭には東京FMの岡田専務を見送った。永の別れが来ると分かっていても、いざ突然にその時が来ると狼狽し衝撃に苛まれる。生きていれば「当たり前」は無く、明日、いや一寸先に何が起こるかも我々人間には知る由も無い。
昨日も突然にその訃報はやって来た。以前ブログにも書いた《何を食べても美味しい店》何度も通わせて貰った練馬の隠れた名店「S」の大将が亡くなった。長く病と闘いながらも大将からは美味い料理を振る舞って戴いた。妥協ない味と大将の人柄…一人の死によって二人が亡くなった気がする。大将と大将が作る料理の数々、、もうどちらにも会えないのたから…。ラジオ収録後に訃報を聞き、その後レコーディングスタジオに向かったが作業にはならなかった。どうしようも無い現実なのだけど…。
ミュージシャン仲間の死もそうかな。本人にも会えない、そしてその人の生の歌声や音楽の両方に触れられなくなるのだから…。写真やCDは手元に在ってももう生の歌は聴く事は出来ないんだから哀しみも増す…。
青汁のCMじゃないけど「歳の順番とは限らない」って。ホントにそうだよね。。訃報にあう度に命あるうちに何か生きた証やメッセージを残したい!と想う。それが歌であれ曲であれ番組であれコラムであれ、何某かの軌跡を残して逝きたいと…。様々な事を言われたり書かれたり‥時に辛い仕事だなと想う事もままあるけど、今は戴いた仕事のひとつ一つを大事に、有り難く受けて行きたいと想うのです。「自分を必要としてくれてありがとう」という気持ちで。
何処より美味い料理と笑顔、思い出をくれた大将にありがとう!を送ると共に、心よりご冥福をお祈りする次第です。また、自分の命についても深く向き合いたいと想います…。(写真:S座敷にて最後の大将の料理を前に..井上室長、吉川さん、仍世)