カテゴリ:フィリップ・デュフォー



前回のシガー繋がりでスモーキングパイプの話を。以前、エキサイトismで、ヨーン・ミッケという独立孤高のスモーキングパイプを製作するアーティストについて書かせて頂きました。
http://media.excite.co.jp/ism/095/04.html
昨日、その作家とボ・ノルド、ラルス・イヴァルソン、イエス・コーノウィッチの4人の作品に絞って販売、欧州の領主ら特別な顧客を抱えるチューリッヒのリテーラーさんと会ってきました。ファミリー経営のブティックはチューリッヒにあるので、ドイツのバンホフ(バーゼル)駅からチンチン電車でスイスのバーゼル国鉄駅に出て、そこからチューリッヒまで、フランスが誇るTVGで往復してきました。西欧諸国にはイギリス、ドイツ、フランス、スイスなどの特急が乗り入れていて、スイス国鉄の窓口でバーゼル/チューリッヒ間のチケットを買った場合、スイス国鉄はもとよりドイツの特急にもTGVにも乗車することができるのです。


そのチューリッヒの喫煙具店は湖畔の時計塔の裏手にあり、このあたりの煙草専門店と同様に、好みの煙草各種を配合まで指定して量り売りしてもらうことができます。ハウスブランドもあり、バージニア単体の銘柄も各種揃い、そのどれもが極上の味わいです。
今回は店主であるサー・ワグナー氏の提案で、エロティック(ヨーン・ミッケ作)というシェイプを吸いながら、100年後も200年後も変わることのない、この西欧の風景、街並みなどについて沈思黙考しよう、ということになりました。小振りで柄の長いものはワグナー氏の愛用品。現代のインダストリアルデザイナー、マーク・ニューソンに通じるかのような、深く豪快かつ繊細さもあり、色気、華、哲学のある、この唯一無の存在であるミッケという作家の世界観を共有できる友人は、世界広といえどもそうはいません。「Mickeか、それ以外か」--。至福の一時を過ごさせて頂きました。


で、バーゼル市に戻り、18歳から現在まで、スモーキングパイプだけの喫煙を楽しんでこられた、独立時計師であるフィリップ・デュフォー氏を訪ねました。氏からは今回、フランスのサンクロードという地で、親子二代にわたってパイプを作り続ける、写真の「ジェノ」を贈って頂きました。「大切に末永く、毎日のように使います」と伝えると、「たくさん使うとパイプは、おいしくなるから」という言葉をもらいました。同じ写真に写っているシガーは、先にお伝えしたパーティで巻いてもらったもの。「ガリバルディ」というスイスの伝統的なパイプ用シャグ煙草は、スイス滞在中の愛飲銘柄でF.デュフォー氏の大好物。

世界時計博といえる「バーゼル・ワールド」には、世界中の時計メーカー、ジュエラーがブースを構え、今年の新作を発表します。
出展数は最多の年でおよそ4.000社とされています。
一週間の滞在及び開催期間中に取材で伺うのはシャネルやオメガ、ロレックス、パテック フィリップ、ハミルトンなど多くて40ブランド。
かなり過酷な期間中に、疲れを忘れる瞬間が何度かあります。それは各メーカーの開発者から、開発過程における苦労について伺う際や、メカニックが目を輝かせながら機械式ムーブメントの新しいメカニズムについて説明してくれる時など。
ほかにはムーブメントの設計から製造まで、地板や歯車を切り出し磨き上げ、そのほとんどをたった1人で組み立ててしまう頂上独立時計師、フィリップ・デュフォー氏にお目にかかる瞬間。
今年のバーゼル・ワールドでも、もちろん初日に氏のいるホール5に足を向けました。偶然にも氏は、同じく独立時計師のヴィアネイ・ハルター氏と談笑中でしたので、巨匠2人のツーショットを撮影させてもらいました。
ちなみにデュフォー氏が手にしているのは、日本語版のパイプの本と、かつてあった日本のパイプの雑誌。パイプスモーカー繋がりである氏は、スモーキングパイプの生産地であるフランスのサンクロード近郊に自宅を構えています。
なおデュフォー氏の単独インタビューは後日となります。


料理でも伝統工芸の分野でも、超一流の技術者や店は技法、使っている素材を隠すことをしないものだと思います。
取材に伺っても、ここから先は撮影NGとか、企業秘密ですからとか、調味料の調合は代々の秘伝のため教えることはできない、なんてことはありません。
製造工程、職人さんの手元なども、じっくりと披露してくれます。
先に来日したスイスの伝統技術を継承する時計師のフィリップ・デュフォー氏に同行させてもらい、これは万国共通のことなのだなと感じました。相手が時計メーカーの人間であっても、デュフォー氏は作業工程からパーツ素材、機構ほか聞かれることは淀みなく応えてましたし、教えを請われてメーカーに出向くことさえしていました。取材時などは、苦労して完成した設計図なども当然といった感じで見せてくれます。

先達を敬い、伝統技術として現代に継承するデュフォー氏は、自信の技術を次世代に受け継いでもらうことを大きな歓びとしていると話していました。


このため先の来日では、日本の正規代理店である銀座シェルマンでのフェア後、ウォッチコースを充実させる渋谷にある専門学校「ヒコ・みづのジュエリーカレッジ」を訪れ、3日間のワークショップを行いました。
今回のテーマは、「美しい時計パーツの仕上げ」。1920年代のエボーシュ(半完成品の時計のムーブメント)を持参したデュフォー氏が、ジャーマンシルバー、スティール製の古いブリッジ(パーツ)を使い実地で教えたのです。作業工程ごとに各学生の作業をチェックして、的確なアドバイスを与えていきます。
デュフォー作品の、ランゲ&ゾーネに通じるあの見事な仕上げを伝授しようというのです。それだけに、デュフォー氏が要求するレベルはとても高く、次のステップに移るために学生達は大変な努力を強いられていました。
デュフォー氏に食らい付こうとする学生達の気迫が伝わってきて、すがすがしさを覚えました。
工具類の研ぎ方を教える場面もあり、
面取りした鏡面を、さらにジュウ渓谷に自生するジャンシャンという植物の茎にダイヤモンドペーストを付けて手作業で研磨していく工程など教え、最後に学生達が仕上げたパーツを1点ずつモニターに映し、講評を行いました。
ここでも勤勉で誠実を絵に描いたようなデュフォー氏は、真剣勝負をしていました。

時計のパーツのほとんどの部分を、完全手作業により地金から切り出して磨き上げて作る、至高の独立時計師フィリップ・デュフォーさん。「スイス時計の揺りかご」といわれるジュウ渓谷で生まれ育ち、この地にアトリエを構えて、世界最高峰にある頂上時計ブランドの黒子に徹して悶絶級のコンプリケーション(複雑時計)の設計・開発なども過去には行い、現在は朝から深夜まで、そして休日も返上し自信の作品『シンプリシティ』の製作に全力を注いでいます。
熱烈なファンを多く持つ独立時計師で、私自身も、その名を聞くだけで胸が熱くなります。
そんなデュフォーさんが、ディストリビューターである東京・銀座にある名門時計店シェルマン銀座店において、ファンたちと触れ合う催し「独立時計師フィリップ・デュフォーとすごす時間~ひととき」を開催中です(2006年8月28日月曜日まで。開催時間は各日11:00時から19:00まで)。初日の金曜日は、数多くのプレス関係者や遠方から駆けつけたデュフォー作品の愛用者、納品を待っている人で賑わいました。

会場となった同店には、デュフォーさんが持ってきた、製作途中と仕上げを施したパーツ類や、自らが作り使用している時計工具なども展示されています。


気さくで飾らなく、誰からも愛される人柄のデュフォーさんがいる、この催し期間中の店内は、ご本人がくゆらすパイプタバコ「ガリバルディ」の、ナチュラルで少しキューバシガーのような香気が漂い、まるでデュフォーさんのスイスのアトリエのような空気感に包まれます。
デュフォーさんに会いたい人は、まだ間に合います。
詳報やトピックスは追って、お知らせする予定です。
アンティークウォッチの名店としても知られるシェルマンがディストリビューターを務める独立時計師のフィリップ・デュフォー氏。

バーゼル・ワールド2006の会場では、ご覧のようにヒゲをたくわえていて驚きました。隣の男性は、シェルマンの磯貝社長です。
ご本人いわく、「いままでの人生で、一度もヒゲをはやしたことがなかったから」というのが今回、ヒゲをはやした動機。
2000年に発表し、現在バックオーダーを抱える『シンプリシティ』の完成を待っているユーザーが多く、製作に全力投球中とのことです。
デュフォー氏は地板も歯車も手作業で切り出し、極限まで磨き抜いて完成させるため、1点の時計を作る時間が膨大にかかるのです。
次期ニューモデルについては、「構想はあるけれど……」。
下の写真は、デュフォー氏の愛妻ドミニク夫人とのツーショットです。


バーゼル・ワールド2006の会場では、ご覧のようにヒゲをたくわえていて驚きました。隣の男性は、シェルマンの磯貝社長です。
ご本人いわく、「いままでの人生で、一度もヒゲをはやしたことがなかったから」というのが今回、ヒゲをはやした動機。
2000年に発表し、現在バックオーダーを抱える『シンプリシティ』の完成を待っているユーザーが多く、製作に全力投球中とのことです。
デュフォー氏は地板も歯車も手作業で切り出し、極限まで磨き抜いて完成させるため、1点の時計を作る時間が膨大にかかるのです。
次期ニューモデルについては、「構想はあるけれど……」。
下の写真は、デュフォー氏の愛妻ドミニク夫人とのツーショットです。

< 前のページ次のページ >

