ミャー さて、「
世界びっくりニュース」関連の識者インタビューシリーズ。今週は、B級ニュースや町のコネタに詳しい漫画家の久住昌之さんに、珠玉の記事をいくつか選んでもらったぞ。
ミケ ミャ~。
ミャー いや、いいんだよ、ミケ。誰もいないのはもう過去に2回も説明してるし、今週もコネタライターの田幸さんにすでにレポートを書いてもらっているから。果たして久住さんは、あまたあるニュースの中からどの記事に惹かれたのか? 去年のニュースの概要や続報も一緒に載せているので、すでに読んだ人は思い出しつつ、初めての人はびっくりしつつ、インタビューをお楽しみください。
■インタビュー久住昌之が選んで語った!「世界びっくりニュース」(取材・文=田幸和歌子)
B級ニュース好きは、世界びっくりニュースをどう楽しんだのか。2005年に配信されたニュースの中から、心に残る記事をピックアップして、それぞれに対する思いやツッコミを語ってもらった。
久住昌之さん
1958年東京生まれ。美学校の同期生・泉晴紀とのユニット「泉昌之」の初の単行本『かっこいいスキヤキ』(青林堂)が評判に。実弟の久住卓也とマンガユニット「QBB」を組み、『中学生日記』(青林工藝舎)で、第45回文藝春秋漫画賞を受賞。他に、谷口ジローとの共著『孤独のグルメ』(扶桑社文庫)、文章と写真の『工夫貧乏のシアワセ』(双葉社)などがある。(写真は吉祥寺名物「いせや」の焼き鳥を手にする久住さん)●「かくれんぼする目覚まし時計」は、腹が立って壊してしまいそう!(笑)
<記事概要>
かくれんぼする目覚まし時計昨年3月に配信されたニュースで、米マサチューセッツ工科大学(MIT)の25歳の学生が、音を止めるにはベッドから降りて探さなければならないという強力な目覚ましを発明したというもの。ちなみにエキサイトニューススタッフが新たにリサーチしたところ、去年記事が配信されたときはまだ夢物語だったこの時計は、いまや「クロッキー」と名づけられ特許出願中。今年中にも製品化される予定ということで、
サイトまで出来ていた。問い合わせてみると、日本のマーケットも勿論視野に入れており、オンラインで世界中から買えるようにするとのこと。ネボスケに朗報!
久住さんが「気になるネタ」として最初に挙げたのは、上の「かくれんぼする目覚まし時計」。もともと久住さん自身、朝が苦手で、昔は目覚ましを止めたことも覚えてないほどだったとか。
「朝からの喫茶店のバイトをしてたときも、雨が降るたびに遅刻してましたね。この仕事について良かったと思うのは、寝坊できることと、いつでも昼寝できることですもん(笑)。
でも、この時計、最高に頭にくるでしょうね。すぐぶっ壊しちゃうんじゃないかな?(笑)」
●やられたら、それを逆手にとる「なりふりかまわない感」が好き。
<記事概要>
象にめちゃくちゃにされたレストラン 便乗改名で再開昨年5月に配信されたニュース。2005年4月、動物園から逃げ出した象がソウル市内を暴れまわったことがニュースになった。その騒動で、店を破壊されたレストランが、なんと店名を「ゾウがいたレストラン」に変えてリニューアルオープン! 看板にも象をかかげ、「ゾウセット」などあきらかな便乗商品を販売。なんと売上が倍増したんだとか。
「こういうのは好きですね。やられたことを逆手に取る、『負けないヤツ』って、いいじゃないですか」。吉祥寺にあった、「負けなかった3つのお店」を思い出してしまうそうだ。
1つ目はずばり、「パルコ」という名のホテル。渋谷にパルコができた後、明らかにその便乗で出来たようだが、その後に吉祥寺にも本当のパルコができてしまい、訴えられのだとか。
「そのホテルの大きな看板は毎日学校帰えりの電車から大きく見えてたんだけど、ある日目を疑った。看板はまったくそのままで、“コ”の字にただ濁点がついて『パルゴ』になっている!思わず心の中で爆笑、『負けてない、最高! 拍手!』って思ったんだよね(笑)なんだよ、パルゴって」
2つ目が、「パルコ」のすぐ横にあった、「吉祥寺トルコ」という真っ赤なネオンのお店。
「あるときから“トルコ風呂”が禁止になって、“ソープランド”になったでしょ? それで、『吉祥寺トルコ』の看板が『ソープランド』に変わったんですよ。ネオンを取り付けてる縦長の鉄骨はそのままに、6文字にあわせて“吉祥寺”取っちゃった(笑)もう屋号なんてどうでもいい」
3つ目は、すごい過激なサービスをすることで知られてた「ベトナム」という店。でもお姉さんが、なぜかアオザイでなくチャイナ服だったらしい。
「その名前の由来もとにかく『過激』っていうイメージだけだったらしいの。どうやらベトナム戦争の激しいイメージで」
そこが摘発されてつぶれ、ちょっと離れたところにまた開店したそうだが、
「その名前がまた、『ニューベトナム』っていうの(笑)。風俗の人は、伝えたいことがハッキリしているから、そのなりふりかまわない感じが、ゾウのネタにも通じるよね。こういうの、好きですよ」
●「便器にカレー」はある意味、定番!
<記事概要>
便器で食事を出すレストランが大人気昨年7月に配信されたニュース。台湾にある「便器」がテーマのレストランが若者たちに大人気だという。座席(便座)も様式やアジア式を選べ(アジア式はかがんで食べるんだとか)、食器も便器をモチーフにしたもの。ニュース配信時は、便器型食器に載せた茶色いソフトクリームをほおばる女性の写真もインパクトがあって話題になった。実は店長は日本のコミックをヒントにこの店を考え出したんだとか。
「これは突飛に見えて、実は誰でも考える定番ネタだよね」と、久住さん。「いかに不味そうな食べ物で美味しいものを作るか」というコンテストが90年代にあったそうだが、そのときに、多数投稿されたのが「便器にカレー」だったとか。ちなみに、1位をとったのは?
「たしか、真っ赤と真緑とスカイブルーのご飯がしましまになってるやつでしたね。何が気持ち悪いって、これが普通のご飯茶碗にのってるんですよ。その違和感、気持ち悪さってない!特に日本人だったら、一目見ただけでギョッとして、最高に不快ですよ。だけど、このコンテストは『不味そうだけど美味しい』料理だったので、食べたらすごく美味しいものだったらしいです(笑)」
●チョコレートのTシャツVS.さんまのアイスクリーム 強烈なのはどっち?
<記事概要>
チョコレートの香りのTシャツ昨年8月に配信されたニュース。一枚約3900円。チョコレートの香りを放つゴム製素材がプリントされているという商品。ちなみにこのTシャツの購入者像を問い合わせてみると、「チョコホリック(チョコレート中毒)の人自身か、お友達がチョコホリックの人の購入が多いですね」とのこと。気になる香りのモチはといえば、「だいたい洗濯50回分くらいでしょうか」と、意外と長持ち。今後はこのチョコレートTシャツの他に、ちょっとフレーバーを加えた、ナッツチョコとモカチョコの発売も開始予定。「
サイトから日本の方も購入可能です!」だそうだ。
久住さんは、「絶対ほしくない! 汗かいたら、甘いニオイと混ざって、すごくイヤ~なニオイになりますよ!(笑)」と断言する。
「洗濯しても50回はもつんでしょ? それはニオイがものすごく強烈ってことでは? 僕、もともとバニラのニオイさせてる人とかもダメなんですよ。甘いニオイをずっとつけておくなんて考えられない!」
で、思い出した甘~い思い出が、「タモリ倶楽部」に出演し、番組内で全国の変わりアイスクリームを集めて食べたときのことだとか。
「いちばん不味かったのは、『さんまの塩焼きアイスクリーム』でしたね。見た目は白っぽい色だけど、そのまんま、さんまの味でね。しかも、律儀に脂のこげた味までするんですよ。気持ち悪かったなぁ(笑)。それと、『ホヤのアイスクリーム』もやっぱりホヤの味で、うわっ!て叫んじゃうような不味さでした。このときわかったんだけど、どんなものもアイスクリームにできるんだよね。おもしろかった。美味しいものも、ちょっとフォーマットを変えると一気に不味くなる。最近流行った北海道の“ジンギスカンキャラメル”はそういうのをわざと狙ったヒット商品でしたね。“まず〜い!”ってみんなではしゃぐためのお菓子」
●オタク社会に需要あり!? 「意志伝達要員養成学校」
<記事概要>
キスの技術を教える学校昨年2月に配信されたニュース。心理療法家によるキスの学校が米シアトルにあるという。写真は校長であり、講師でもあり、精神療法セラピストのシェリー・バードさん。ニュース後、世界各国から受講しにくる人や、時間が思うように取れない人向けに、三時間のプライベートクラスを設けた他に、シアトル以外の各地でもワークショップや講演会等も開催されているそうだ。
このネタでは、あるコンピュータ会社を思い出したという久住さん。その会社は、社長から社員まで全員がなんとオタクだとか(!)
「社長はパソコンの才能はあるけど、基本的に人間関係が苦手だから、社員に自分で指示を出せないんです。で、『命令・指示をするためだけの人』を雇ってるんですよ。他の仕事は一切しない、意志伝達要員。日本人同士の通訳のような存在だよね(笑)。これって、すごく今っぽいでしょ? でも、そのうち、そういう『意志伝達要員』を必要とする人、もっと出てきそうだから、意志伝達要員養成学校なんてのもできそうですよね? でも、ホントは経営者は人を使えなきゃダメだから、この伝達要員に会社を乗っ取られたりしてね(笑)」
ミャー ううむ、久住さんが最後に挙げた「意志伝達要員」、ワタシも欲しいぞ。中間管理職はこの「意志伝達」が仕事の多くを占めるから、あんなにストレスたまるんだよな。誰かに移管できたらラクだが、その人も「意志伝達要員」を雇い、またその人も「意志伝達要員」を雇って会社が巨大な伝言ゲーム場と化す可能性も……。うあああ。
さて、来週は、いよいよナキャノがもどってくるらしいから、この一人ごともあとわずかの我慢だ。では、みなさん、また来週!
*世界びっくりニュースの人物編ともいえる本
『世界びっくりニュース びっくり人間!』は全国のファミリーマートで発売中。