宝石箱の中には

子供の頃 母の寝室に忍び込み
箪笥の奥にしまわれている
大きくて重い宝石箱を
こっそり開けるのが楽しみでした



それは宝石が沢山入っていたから
重いわけでは決してなく(笑)
漆塗りの黒っぽいえんじ色
螺鈿細工の蝶々の模様がほどこされた重厚な
箱だったのです


それは母の父である祖父からの贈り物



母が子供の頃に流行ったハリウッド映画に
〝お父さんが毎年娘の誕生日に真珠を1粒づつ
 贈り続けその娘が大人の女性に成長した時に
 それらの真珠をネックレスにして贈る”
というストーリーがあったそうで
祖父と母もそんなストーリーに憧れ
祖父は娘である母に
まず宝石箱を贈ったのでした



母の宝石箱を開けると
象牙をバラの模様に彫ったバングルや
ガーネットを並べてお花の模様にしたイヤリング
端正な横顔の女性を彫ったカメオのブローチ
もちろん真珠のイヤリングや祖母や父から
贈られた指輪もあったけれど
でもネックレスに組むには不十分なパールの
粒はいつまでも糸に通すことなくバラバラと
袋に入れられたままでした




だって祖父は母が16歳の時に
亡くなってしまったのだから



それから母の心には
ぽっかり大きな穴があいてしまったようで



私が幼い頃はまだまだ
その大きな穴は癒されることなく
母は祖父からもらった宝石箱を
見る度に涙ぐんでいました
だから私は母の悲しむ顔を見たくないから
一人でこっそり宝石箱を
開けるのが楽しみだったのです



先日 母の部屋で久しぶりに
その漆塗りの宝石箱を見かけて
そんな幼い日のことを思い出しました



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子供の頃は祖父を想い涙ぐむ
母の顔を見るとその場から
逃げ出したくなるほど
辛かったものです



でもあの頃の母の年齢をとっくに追い越し
亡くなる祖父の年齢に近くなった今
それがどんなに幸せな記憶なのか
わかるようになりました




アンジェリーナは設立当時から
フルオーダージュエリーはもちろん
リメイクや他店では難しくて
受け付けられないような
修理なども得意としていました



ですからお客様がお母さまやご親族から
譲り受けられたジュエリーの
リメイクを数多く携わらせて頂き



その1つ1つのジュエリーに宿る
永遠に生き続ける
素敵な思い出やストーリーを
聞かせて頂きました



誰でも人生の中でそんなジュエリーと
1つでも巡り合えたのなら
本当に幸せなことだと思います



時には
〝私自身が頑張って購入したんだけど
 似合わなくなってしまって…”
なんてご自分で購入されたジュエリーのリメイクも
オーダーも受けますが



世界で一番大切にすべき自分のために
頑張って手に入れたジュエリーは
愛する人から贈られたジュエリーと
なんら劣ることはない素晴らしい
ストーリーが宿っていることを私は知っています



あなたの引き出しにも
そんな幸せ色のジュエリーが
あるのではないでしょうか
もしそのジュエリーをしまったままにしているなら
時には手の平に乗せてそのジュエリーの
ストーリーに想いを馳せてみてくださいね



あなたがどんなに幸せ者か思い出しますよ173.png






177.pngクリスマスイベントのお知らせ

12月20日㈬~26日㈫
〝2018、願いを叶えるジュエリー”

三越日本橋本店1階にて
アンジェリーナのポップアップストアOPEN

期間中表参道の店舗は完全予約制となります










篠田恵美 ブログ


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