
浦嶋ファン、垂涎の浦嶋神社ご利益グッズ。
最終回はわたしが極めつけと思える逸品を紹介。
神社は民俗の宝庫である。
失われつつある地方の文化や習俗は、神社に吹きだまるように保存されてきた。
日進月歩、先へと進むことばかりを考えがちな日常の中で、ふと訪れた神社でみつけた1つの道具。
そこにわたしは土地の人びとが伝え、守り、そして育んできたものがあることを知る。
その土地にしかない、その道具。そこに人間の確かな存在感を見る思いがする。
人のぬくもりのようなものを感じる。
浦嶋神社で出会ったアンバリはまさにその一つだった。
アンバリは、網針のこと。海から帰った漁師がアンバリを使って漁網の補修、製作仕立てを行なうための道具のことである。
もちろん網針は丹後だけのものではない。しかし竹製の実物がいまだに製作され、さらには神社から豊漁祈願の願掛けがされたものは
ここ浦嶋神社だけにしかないのではないか。
漁師たちに豊漁をもたらす漁網、そして目立つことなくそっと豊漁を支えるその1本の網針。
そこに豊漁の根源を見失うことなく見据え願掛けの対象とする浦嶋神社。
そんなものと人、土地とが重なり合う接点にであったとき、旅をしてきてよかったな、と思うのである。
(写真:丹後のアンバリ。浦嶋さんの海上安全豊漁祈願。1本の何の変哲もない道具に大きな願いが込められている。そこが素敵だ)