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英国紅茶(ならぬ、teaカテゴリー)のパッケージ
ライター渡部のほうです。

年末、イギリスとパリへ。
友人に「イギリスの紅茶って今どんなものが流行ってるの?」と聞かれ、改めて見てみると、ここ数年、毎回来る度に変化していることが伺える。

統計にもはっきり出てきている。
いくつか記事があったが、例えば英国紙『ガーディアン』の記事、
2012年から2014年に掛けて、売上比で通常のティーバッグタイプは13%の落ち込み。
一方、ハーブティーは31%の伸び。
紅茶の中でも高級茶葉や希少な茶葉を使ったスペシアリティティーと呼ばれるカテゴリーは15%伸び。
むろん、まだまだイギリスで一般的なティーバッグタイプの紅茶を(牛乳や砂糖と共に)毎日飲む人は成人で半数以上いると言われる(英国紙『インディペンデント』の記事より。出典元はThe UK Tea & Infusions Association)。

さて、スーパーマーケットの売り場、パッケージではどう展開されているのか。

今回行ったのはBrighton & Hoveという南の町。割と裕福な層と新しいものに理解を示す人達が多く住んでいる地域。

最も一般的なスーパーマーケット、Tescoのteaコーナー。
ざっと見ると、一般的な紅茶が健在

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なのだが、この手前のほうは
緑茶やハーブティー、スペシアリティティーが並ぶ。面積としては大体半々くらいか。

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次は中流〜高級なスーパーマーケット、waitroseのteaコーナー。
一般的な紅茶と少し高めの紅茶が混在している

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その隣にハーブティー、緑茶、スペシアリティティーの棚。

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20年くらい前だったら、PG tips、Tetley、Twiningsとそれぞれのスーパーマーケットのプライベートブランドの「普通の」ティーバッグがほとんどを占めていた。
いずれの紅茶メーカーもパッケージデザインの傾向は異なれ、ブランド名がものすごく目立つ、という点で変わりはなかった。

今の緑茶やハーブティー、スペシアリティティーのデザインを見ると、ブランド名をどーんと出しているBrew & Co、ブランド名は控えめなTaylor、イラストやパターンが目立つTeapigs、Pukka、Rare tea、あえてレトロな文字を大きく配したパッケージのルイボスティー専門のTick Tockなど、デザインの展開は様々。

tea、あるいは、店頭でのteaコーナーにおいてはPG tips、Tetley、Twiningsのような「きっちり」デザインが主流だったところに、他の選択肢を与えデザインの幅を広げたのにはClipperの存在は大きい。
手書きの文字で、すぐには読めなかったり、横に配置したり、イラストと文字を一体化させたゆるめなイメージのデザインを起用している。
Clipperがどんなスーパーマーケットでも見られるようになったのはいつ頃だったのか、会社のHPでは1996年とあるが、実際はもう少し後だったように思う。

イギリスのお土産として紅茶を買っていっても、あんまり日本人の口に合わないので不評続きだったのに、これはパッケージだけでも喜ばれそう、と嬉々として買った覚えがある。そして、その時にはすでに日本に輸出されていた、ということも覚えている(苦笑)。

今や、イギリスのteaはフレーバーもパッケージもチョコレート並に、バリエーションに富んでいる。

それにしても、緑茶文化の根強い日本からすると、緑茶のデザインは「緑にすればいいってもんじゃないんでは」という気も。


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日本も緑茶コーナーに行くと緑ばっかりではあるけれど。
日本もイギリスもさらに緑茶文化の細分化、パッケージのバリエーション化があってもいいのでは。


by dezagen | 2016-12-29 20:04
世界のブックデザイン2015-16
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編集宮後です。今年も世界のブックデザインの季節になりました。

今年は「世界のブックデザイン2015-16 feat.造本装幀コンクール50回記念展」というタイトルで、日本の造本装幀コンクールで過去50年に受賞した50作品が展示されていました。会場の中央に置かれた日本の作品を取り囲むように海外の受賞作が並びます。2016年3月に開催された「世界で最も美しい本コンクール」の入選図書13点に、6カ国(日本、ドイツ、オランダ、オーストリア、カナダ、中国)のコンクール入選図書を加えたおよそ180点が展示されていました。

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オランダとフランダース 金の活字賞
『Other Evidence Blindfold』(別の証拠:目隠し)
著者、発行:Titus Knegtel 

1995年にボスニア・ヘルツェゴビナで8000人以上が殺害された「スレプレニツァの虐殺」の記録集。国際司法裁判所に提出された客観的データとビジュアル(被害者の遺品など)が淡々とつづられています。青と緑の2色印刷でスタイリッシュにまとめられていますが、扱われている内容は非常に重く、事件の残虐性が控えめなデザインの中から浮かびあがってくるようです。

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オランダとフランダース 銀賞
『Brick, An Exacting Material』(レンガの魅力)
編著:Jan Peter Wingender  発行:Architecture & Natura, Amsterdam

オランダの建築でレンガがどのように使われているのかをまとめたハンドブック。建築関係者のための専門書なので、機能的に整理されたレイアウトが特徴的。左と右のページが左右非対称だったり、インデントが大きめに取られていたり、所々で細かい工夫が感じされる好著。

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中国
『上海字記 百年漢字設計檔案』
著者:姜慶共、劉瑞桜  発行:上海人民美術出版社

20世紀の100年間に上海で記録された古い看板やポスターをあつめた本。著者自ら装幀も担当。古い文字を見られる貴重な資料であると同時に、造本もこってました。著者が楽しみながら作っているのが伝わってくるような本。

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カナダ
『The Missing Novella』(失われた本)
著者:Jon Davies, Derek Sullivan 発行:Oakville Galleries

外側のカバーを開くと、中には何もありません。「失われた本」というタイトルが示す通り、外側だけあって、中身が丸ごとなくなっているというコンセプト。アイデア一発勝負の珍書です。

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オランダ
『Life is Strange』
著者:Rob Moorees   発行:nai010 publishers, Rotterdam

オランダ国立公文書館の写真コレクションを研究していたキュレーターが、そこで発見した劇的な事故や不思議な出来事の写真を集めた写真集。いわば「へんてこ写真」の寄せ集めでありますが、サブカル趣味にならず、奇妙で素晴らしいアートブックのよう。この手のテーマの本はやはりオランダが群を抜いていると感じました。

他にも気になった本はなぜか建築書が多め。レンガの本とか、去年あった堤防の本とか、テーマがマニアックな上、書体の使い方や組み方がうまく、印刷や加工などにも凝っているのがツボに刺さるのかもしれません。「日本では絶対に売れないだろうな」と思える珍書が海外で普通に出版されていることに驚きます。こうした本を見ていると、「世の中にはおかしな本があるもんだ」と安心してしまい、海の向こうから背中を押されているような、励まされているような不思議な気持ちになります。

展覧会は、来年3月5日まで。1回で見切れないので、何回か通うのがオススメです。

「世界のブックデザイン2015-16 feat.造本装幀コンクール50回記念展」
会 期:2016年12月3日(土)~2017年3月5日(日)
休館日:毎週月曜日(ただし2017年1月9日(月)は開館)、12月29日(木)~2017年1月3日(火)、1月10日(火)
開館時間:10:00~18:00
入場料:無料
http://www.printing-museum.org/exhibition/pp/161203/index.html
by dezagen | 2016-12-12 18:58 | 展覧会 | Comments(0)