エキサイトイズム エキサイト(シンプル版) | エキサイトイズム | サイトマップ
カテゴリ:これ誰取材記事( 26 )
仙台七夕まつり 鐘崎の七夕飾り
編集宮後です。以前、箔押しマスキングテープの取材をさせていただいたデザイナーの小玉 文さんが仙台七夕まつりの七夕飾りをデザインされたとうかがい、詳細をお聞きしました。

仙台七夕まつりは東北三大祭りの一つで、江戸時代初期から続く歴史ある伝統行事。8月6日から8日の3日間、仙台中心部の商店街に約3000本の七夕飾りが飾られ、約200万人が訪れるというビッグイベントです。

仙台で笹かまぼこの製造・販売をしている会社「鐘崎」が「七夕飾りをもっと魅力的にしたい」と、2014年から「未来の七夕プロジェクト」をスタート。若手実力派のデザイナーに七夕飾りのデザインを依頼し、今までにない七夕飾りの制作に着手したそうです。一昨年と昨年は髙谷廉さんが、今年は小玉 文さんがデザインを担当。「斬新な印象の七夕飾りをつくりたい」というクライアントの期待に応えるべく、デザインの挑戦が始まりました。

b0141474_16233585.jpg
b0141474_16233211.jpg
b0141474_16231852.jpg

小玉さんは笹かまぼこを白い提灯で表現し、かばぼこの原料となる「きちじ」という魚が昇っていくようなデザインを提案。仙台の七夕飾りにはビニールなどの素材ではなく、すべて紙を使うことから、魚の部分にはファンシーペーパーの「タント」を使用。折り紙の専門家に依頼して、きちじの形になるように紙を折っていただいたそう。かなり緻密に魚の形が再現されています。

1本の七夕飾りに9色のタントをグラデーションで使用し、50匹の魚を設置。飾りは全部で5つあるので、合計250匹の魚が天に昇っていく様子は圧巻です。魚の下の吹き流し部分には、人にあたっても痛くないよう、柔らかい和紙を使用。和の雰囲気を保ちながらも、見たことのない斬新なデザインに仕上がりました。コンテストでも見事、金賞を受賞し、「鐘崎さんならではのものが出せて良かったです。文化事業にも力を入れてこられた鐘崎さんの心意気がこの七夕飾りで伝わるといいなと思います」と小玉さん。


b0141474_16234089.jpg
b0141474_16234384.jpg

毎年、似たような七夕飾りが多いなか、惰性にならず、常に新しいことにチャレンジしていきたいという老舗企業の心意気とそれに答えたデザイナーの仕事。従来、デザインされてこなかったところにデザイナーが関わった事例として興味深くお話をうかがいました。このような取り組みはぜひほかでも見てみたいと思います。


by dezagen | 2016-08-17 18:30 | これ誰取材記事 | Comments(0)
鈴廣かまぼこのデザイン
ライター、渡部のほうです。

お土産にもらった小田原鈴廣のかまぼこ。これが素敵な紙袋に入っているのです。

b0141474_7495520.jpg


 威勢のいい魚(トビウオ、ヒラメとホウボウ)の姿も顔もいいけれど、その間に鈴のシンボルマークと「江戸のころより 味づくり一筋」の文字をくいっと入れても一体感を感じさせるバランスの良さ。
 スタイルとしては芹沢圭(金偏に圭)介風だけれど、どうも確証がない。誰がデザインしたの?といつもの疑問が湧き、久々にブログ相方宮後さんと一緒に鈴廣かまぼこ本社に行ってきました。

 袋だけでも感動モノなのに、まあ、出て来る出て来る資料の数々。お得意様に配っていたという月ごとのカレンダー、絵暦、御絵布(ハンカチサイズのてぬぐい)に、年賀はがきに暑中見舞い、各種パッケージ、そして各種袋、まだまだ続く。昭和30年頃から現在まで、この独特なスタイルは脈々と続いています。

b0141474_1811266.jpg

b0141474_18114227.jpg

b0141474_18114812.jpg

b0141474_19571321.jpg


 刀のようなキレと、滲んだように波打つ線が特徴的。木版画にも見えるが「型染め」という方法だそう。
 下絵を描いて、型紙を彫る。そこに紗という絹の布を貼り、型紙の完成。
b0141474_22314680.jpg

(型紙)

この型紙を印刷する和紙に当て、糠や糯粉(もちこ)を炊いて作った糊を置く。型紙を外し、糠の色のついた糊部分の間に、大豆粉を混ぜた絵の具で彩色。最後に糊を水で洗い流せば、糊の糠色が抜け、色を縫った部分だけが残る、という方法。
b0141474_7505021.jpg

b0141474_750292.jpg

(鈴廣の社内誌より)

こんなに手間の掛かる作業、どなたが?と聞くと
「昭和30年頃から始まったのですが、最初は鳥居敬一さんです。その後、森川章二さんが徐々に手がけるようになり、平成の前後でほぼ森川さんに。今は森川さんと、森川さんのところで勉強させてもらっている私も少しずつ手がけるようになってきました」
と、答えるのは鈴木結美子さん。弟子から弟子へとバトンタッチしていき50年。素晴らしきかな師弟愛。古い物と今のものを並べても、民芸風な雰囲気は変わらない鈴廣テーストを貫いています。

b0141474_1811525.jpg

b0141474_18111549.jpg

b0141474_1810435.jpg


「当時の社長(現会長の鈴木智恵子さん)は、もともと女学生の頃から民芸に造詣が深く、自分でも染め物を作るほど好きだったそうです。小田原はかまぼこメーカーが沢山あり、その中で差別化できるよう民芸のスタイルを取り入れようと、鳥居敬一さんに直接お願いしにいったことから始まりました」
 他競合との「差別化」すなわち鈴廣ブランディングは、近隣小田原のかまぼこメーカーだけでなく、全国レベルで見ても際立っています。

 単に民芸調を取り入れているだけではなく、その時代に合うよう変化することも重要。鳥居さんが作った最初のロゴも時代に合わせて少しずつ変化しています。

b0141474_22283721.jpg

(ロゴの変遷 右から1960年代、70年代、80年代、現在のもの。鈴廣社内誌より)

 鳥居さんはシャープでダイナミック、森川さんはやや柔らかめと、それぞれの個性もうかがえる。鈴木さんは森川さんよりさらに柔らかな雰囲気ですが、鳥居さんのようなシャープな作風にもチャレンジしてみたいといいます。今の若い人たちにもかまぼこを身近に感じてもらうため、ネコや指輪などの身近な柄を型染めの手法で描き、パッケージに採用するなどテーストを変えることなくデザインの工夫を行っています。
 創業150年の老舗。伝統を守るだけではなく、育むというのはこういうことなのだと感じた取材でした。
by dezagen | 2015-06-26 23:01 | これ誰取材記事
ハミルトン・ウッドタイプ・ミュージアム
編集宮後です。現在、5月に発売される『Typography』の準備中です。次号は、日本と海外の活版印刷所と活字の博物館の特集。いろいろ取材したのでお楽しみに。

その中で、現地取材はしていないものの、メールなどでやりとりして書いた記事があるのですが、ページの都合で掲載できなかったので、こちらで紹介することにします。

アメリカ・ウィスコンシンにある世界最大の木活字博物館「ハミルトン・ウッドタイプ・ミュージアム」です。

記事なので、ここだけ「である」調ですが、以下引用します。

 150万ピースの木活字を収蔵する世界最大規模の博物館「ハミルトン・ウッドタイプ・ミュージアム」。木活字だけでなく、金属活字とその鋳造設備や書体見本帳も備え、活字の保存だけでなく、製造や印刷も行う印刷工房として現在も稼働している。2014年にウィスコンシン州ミシガン湖のほとりの現在の場所に移転し、広さも従来の2倍、45000平方フィートに拡張された。

 木活字博物館の母体は、1880年にJ. エドワード・ハミルトンが設立した木活字製造会社J.E. Hamilton Holly Wood Type Company。当時、家具などの木工品をつくっていたハミルトン氏が地元の要請で木活字をつくり、会社にしたのが始まり。ウィスコンシンの森にたくさんあった楓の木を使い、木活字を製造していたという。ハミルトンの木活字は価格が安かったのと、大都市に発注するよりも早く供給できたので、19世紀末に爆発的に売れたそう。

 博物館は、ハミルトン社があった場所に15年前に開館。木活字の製造にたずさわっていた元従業員や地元のボランティアたちによって運営されている。そうしたスタッフに支えられ、現在でも技術が受け継がれているのはすばらしいことだ。

 毎年、何千人という人が博物館を訪れ、見学だけでなく、木活字を使った活版印刷を実際に体験している。デザインを学ぶ生徒がタイポグラフィの勉強に訪れたり、アーティストが作品をつくったりすることもあるそうだ。ワークショップ、活版工房のレンタル、アーティストレジデンスも活発に行われ、現在では地域にとっても重要な施設となっている。

b0141474_2128885.jpg

b0141474_2128184.jpg

b0141474_21282329.jpg

Photo (C)Lester Public Library.


(連絡先)
Hamilton Wood Type & Printing Museum
1816 10th Street, Two Rivers, WI 54241
http://woodtype.org
冬期(11月1日〜4月30日)10:00-17:00 日月休み
夏期(5月1日〜10月31日)冬期の開館曜日・時間に加え、日曜日も13:00-17:00開館。ほか年末年始や国民の祝日は休館。
営業時間内なら自由に見学でき、午後にガイドツアーあり。公共の交通機関がない場所にあるので、移動には車が必要。
by dezagen | 2015-04-13 21:29 | これ誰取材記事 | Comments(0)
公共のデザイン
編集宮後です。
先週、デザインがかっこいいとネットで話題になっていたノルウェイの新しいパスポート。

デザインしたのは、ノルウェイのデザイン事務所Neue Design Studio。
こちらに画像がありますのでどうぞ。
http://www.neue.no/pass/

同じく、ノルウェイの新しい紙幣デザインも斬新だと話題に。
表面は伝統的なデザインで、裏面がかなり斬新。
表面のデザインはThe Metric System
http://themetricsystem.no/
裏面のデザインはSnøhetta が担当。
http://snohetta.com/

こちらに詳しいリポート記事があるので、参照ください。
http://www.huffingtonpost.jp/asaki-abumi/norwegian-passport_b_6096482.html
http://www.huffingtonpost.jp/asaki-abumi/norwegian-bill_b_5948866.html

私がすごいなと思ったのは、これらのデザインがコンペで選ばれたということ。コンペに出したデザイナーもすごいけど、この案を採用した担当者はもっとすごい。民間企業じゃなくて、国の仕事をしている方々ですよ。すばらしいです。

そういえば、オランダ警察のデザインは有名デザイン事務所Studio Dumbarが手がけてます。ロゴ、制服、パトカー、白バイ、警察手帳?にいたるまですべてDumbarのデザイン。かっこいい。こればかりは欲しくても手に入りませんが。
http://studiodumbar.com/work/dutch-police

オランダの場合は、警察をかっこよくすることで、子供たちにアピールする目的もあるんだとか。たしかにこんなにかっこいいパトカーなら警察官に憧れる男の子が増えそう。

これ誰取材部も過去に日本のパスポートの取材に行きました。外務省が仕様を指定し、国立印刷局の工芸官がそれにそった下図案を提出、最終的に外務省と印刷局で相談して決めるんだとか(詳細は『これ、誰がデザインしたの?』に掲載)。日本の場合は、偽造されないデザインにするかが大事なようで、デザインがかっこいいかどうかという話は通じなかったような。お札も同じ理由で、デザインよりも、偽造防止が重用視されていますね。

日本が誇る偽造防止の印刷技術がこれまたすごいんですが、絶対に教えられないとのこと。デザインというよりは、技術がすごいっていう話になっちゃうけど、「隠れたところがすごい」のも日本らしい気がします。
by dezagen | 2014-11-25 07:15 | これ誰取材記事 | Comments(0)
これ誰@バルセロナ
編集宮後です。
バルセロナ取材で、これ誰的に気になったものがこちら。
b0141474_1455614.jpg


Cacaolat」という冷たいココアのような飲みもので、駅の自動販売機などで普通に売られているポピュラーな飲み物。おいしいけれど、かなり甘い。カロリーが心配になります。そうした人向けに、黒いパッケージの0カロリー版も出たらしい。

ロゴは思いっきり「コカ●ーラ」みたいですが、いいんだろうか。そういえば、この坊やもどこかで見たような。でも、全体のデザインはとてもきれい。ベタな大衆向けパッケージの中でもすごく目立つグッドデザイン。ぜひ取材してみたいです。
by dezagen | 2014-09-29 01:54 | これ誰取材記事 | Comments(2)
美大のロゴ(関西編)
編集宮後です。
7月はさまざまな美大でオープンキャンパスが実施されていますね。
以前、東京周辺の美大ロゴを調べたので、関西圏でも調べてみました。

大学のウェブサイトにロゴの説明があったところのみ、大学名、デザイナー名、リンク先の順に掲載します。
(ロゴは各大学のウェブサイトから引用させていただきました)



b0141474_15113584.jpg

京都造形芸術大学のロゴ
佐藤卓
http://www.kyoto-art.ac.jp/info/about/summary/logo/





b0141474_15114570.jpg

京都工業繊維大学のロゴ
学内公募
http://www.kit.ac.jp/01/01_130000.html





b0141474_15115596.gif

京都市立芸術大学のロゴ
ロゴマニュアルに「舟越一郎准教授監修」のクレジットあり
(リンク先はPDFファイルです。ご注意ください)
http://www.kcua.ac.jp/wp-content/uploads/KCUA_Visual_Identity_guideline_0401.pdf





b0141474_1512575.gif

成安造形大学のロゴ
北川一成
http://www.seian.ac.jp/about/policy/

まだ調べきれていないかもしれないので、ロゴ情報をお持ちの方はお知らせください。
by dezagen | 2014-07-23 07:59 | これ誰取材記事
KUMONのロゴ
編集宮後です。
問題。夏休み前のこの時期によく見かける広告は?

最近、街中やテレビでよく見かけるのがKUMON(公文式)夏の特別学習の広告です。公文式とは、毎日決まった枚数のプリントを学習していく教育システムで、算数(数学)、国語、英語のほか、フランス語、ドイツ語、ペン習字などもあります。幼児から小学生くらいまでが一番多く学んでおり、この時期に流れる広告は夏休みの体験学習の募集広告です。

それはさておき、こちらが公文式のロゴ。大文字O(オー)が顔になっていて、とても親しみやすいロゴですね。
b0141474_0542624.jpg


公式サイトにもロゴデザインの説明がありました。
http://kumon.ne.jp/brand/logo/index.html

「これ、誰がデザインしたの?」が気になりますよね。

デザインはWieden+Kennedy Tokyo。当時、同社に在籍していたジョン・C・ジェイさん、佐藤澄子さん、米村浩さんが関わっていたそうです。2001年のことです。同社がユニクロの広告を手がけていたころで、取材に行ったのを覚えています。
http://noproblem.co.jp/372/

2001〜2004年の間にブランドキャンペーンとして、ポスターやCMがつくられました。塾の広告がまだ珍しかったころ、こんなに質の高い広告が作られていたことに驚かされます(CMはno problemのサイトで再生できるのでご覧ください)。
http://noproblem.co.jp/372/
今年のキャンペーンは違う事務所が手がけているようですが、まじめに学ぶというトーン&マナーは受けつがれています。

子どもから親までに広くアピールし、月日が経っても古くならないロゴの力を感じます。
by dezagen | 2014-07-08 00:31 | これ誰取材記事 | Comments(0)
ワールドカップ日本代表ユニフォーム
編集宮後です。
ワールドカップ開催期間ということで、過去に渡部さんと取材したサッカー関連ネタを。

2002年のワールドカップのとき、日本代表のユニフォームや公式球について渡部さんとアディダスジャパンに取材に行きました。

今回の日本代表ユニフォームもアディダスジャパンがデザイン。こちらにデザインコンセプトのムービーがあります。背中の赤いラインは選手が円陣を組んだとき、上から見ると赤い輪に見えることを意識したのだとか。
b0141474_1636507.png

http://adidas.jp/jfa/

JFA(日本サッカー協会)日本代表チームのロゴは1996年にソニー・クリエイティブプロダクツがデザイン。「心臓、鼓動、結束力を表す二重の罫線、太陽、日の丸の赤帯。三本足のカラスは伝承のヤタガラス(太陽の象徴)をイメージしたもの」(渡部千春著『続・これ誰がデザインしたの?』より)
b0141474_1637554.jpg


当時、これ誰の連載で渡部さんと一緒にJリーグ全チームのエンブレムのデザインを調べていました。下の写真は『続・これ誰がデザインしたの?』に掲載した各チームのロゴの変遷。
b0141474_16373563.jpg


ほかの国のユニフォームデザインも調べてみたいと思っていたら
こんな本が。『ワールドサッカーユニフォーム1000
b0141474_16571656.jpg


サッカーのユニフォームで使われている書体がわかる本『Football Type』も。
こちらは1000部限定販売なので、もう売り切れたみたいです。
http://footballtype.co.uk/
http://blog.petitboys.com/archives/football-type.html

海外のユニフォームがどんなふうにデザインされているのかについても調べてみたいですね。
by dezagen | 2014-06-17 07:33 | これ誰取材記事 | Comments(0)
ウイダーinゼリーのリニューアル
編集宮後です。
ウイダーinゼリーのパッケージがリニューアルされたと聞いて「これ誰で取材せねば!」と意気込んでみたものの、発売元のウェブサイトに担当者の取材映像やら歴代パッケージの変遷やら、すごい詳しい資料がたくさんアップされておりました。Excite ismにも掲載されているので、われわれの「出番なし」ですね。

b0141474_22371156.png

開発ストーリー
http://www.weider-jp.com/weider-in-jelly/concept.html

b0141474_22375599.png

http://www.weider-jp.com/products/in-jelly.html
こちらがリニューアル前。

b0141474_2238841.png

http://www.weider-jp.com/weider-in-jelly/
こちらがリニューアル後。
アートディレクションは佐藤可士和さん。

全体的にごちゃっと入っていた情報が整理された印象。「ウイダー」と大きく書かれたカタカナ表記がほぼ姿を消し(下のほうに小さく書かれています)、ほぼ全体が英語表記になっています。

ウイダーのブランドは浸透しているので、カタカナ表記がなくても、これが何なのかはわかると思いますが、ほぼ全部英語なのに日本っぽい感じがするのはなぜだろうと考えていました。

で、ウイダーの歴史を調べてみることに。
森永製菓がアメリカのウイダー社と提携し、ウイダーブランドをスタートしたのが1984年。最初はプロテインパウダーを中心とした製品で、缶や袋で販売されていたようです。

現在のようなパッケージのゼリーが発売されたのが1994年。その後、日本で独自の進化を遂げることになります。

b0141474_22403314.png

http://www.weider.com/collections
気になってアメリカ本国のウェブサイトを見てみると、ゼリー状の製品はなく、錠剤がメイン。パッケージデザインも「ザ・アメリカ」という感じ(強くて、効きそう)。

日本だとここまでの「強くて効きそう」感は求められないかも。ウイダーのプロテイン(粉状の製品)のパッケージはややアメリカっぽさを残しているものの、日本向けにマイルドに調整されている感じがします。たぶん効き過ぎる感じが出すぎると、日本の消費者は不安になるのかもしれません。

このあたりはすごく感覚的なものなので、はっきり規定できないけれど。「効きそうな感じは出てるけど、出しすぎない」。この微妙なさじ加減が日本らしさなのかもしれません。以前、薬のパッケージの取材をしたときもそんなことを感じました。
by dezagen | 2014-03-24 23:07 | これ誰取材記事 | Comments(0)
ツバメノート
ライター渡部のほうです。

先日(といっても、かなり日が経ってしまったが)、ツバメノートさん www.tsubamenote.co.jp に取材に行って来た。
定番のツバメノートの「大学ノート」
b0141474_7204439.jpg

「これ、誰がデザインしたの?」
ずばりな質問を抱えて。

ツバメノートといえば、アーティストの鈴木康広さんがアイデアノートとしてつかっていることで知っている人も多いかも(鈴木さんは中無地のタイプ)。
鈴木さんは学生の頃から使っていたそうだが、周りで使っている人の話を聞いてみると、社会に出てしばらくして、さて大人にふさわしいノートはなんだ、と行き着いたのがツバメノートという人が多いようだ。
理由は書き味のよさ、そして大人が持ってもいいと思わせる落ち着いた表紙裏表紙のカバー。

今回はそのカバーを誰がデザインしたのか、をツバメノートの専務取締役、渡邉精二氏に伺ったのだが、これが驚きの「通りすがりの人」という答えなのだった。

時は1946年、戦争直後のお話。
戦前の1936年から文具卸業を営んでいた渡邉初三郎商店の社長、初三郎氏(精二氏の祖父に当たる)は物資不足で粗悪なノートが出回る中、質のいいノートを作ろうと考えていた。
そこにふらりと男性が現れる。
「この家に光が見えたので、やって来た」とその男性は言う。聞けば、易者などをやっている人物だという。「自分はデザインのようなこともできるから、是非ノートの表紙を作りたい」と男性は言い、数日後、ノートの表紙案を持ってきた。それが採用され、現在に至る。
という話なのだ。

えっ!そ、その人の名前は?
「しかるべき謝礼を払ったようなのですが、その人の名前も連絡先も記録にないんです」と、精二氏。
そんな通りすがりの人物が作った表紙が、60年を超えるロングセラーとして現在も使われ続けているのだからすごい話である。
今聞くと不思議な話だが、戦争直後の混乱期、多くの書類が焼け、紛失し、役所も機能していたのかしていなかったのか分からない。身分証明を持てない人も多くいた時代である。ましてやデザイン(当時は図案と言うべきか)の仕事をしていた/いる、ということも過去作ったものがなければ、あったとしてもどう証明したものか、確認のしようもなかった。
どこの誰なのか、よりも、今何ができる、を問われた時代。この無名氏は、初三郎氏の期待に応えた図案を持ってきた、それだけで十分だったのだろう。

60余年の間の変更点といえば、独特の味わいを出す毛入りのグレーの表紙。この専用の紙は、もともと羊毛を使っていたが、現在はポリエステルの毛であること、くらいだそうである。

現在は大学ノートの他、各種サイズのバリエーション、ユルリク www.yuruliku.com や SwimmyDesignLab www.swimmydesignlab.com とがデザインを提供したノートや、雑誌「ダンスファン」、野鳥の会など外部からの発注を受けた商品なども作っている。
b0141474_7205834.jpg

こうやって並べて見ると、細部は異なるものの、大学ノートがスタンダードとなって発展していることが分かる。

おまけ。
かなりレアなものをもらったので、その写真を。
b0141474_72193.jpg

ツバメノートが独自に開発、現在も使っている「ツバメ中性紙フールス」は、過去透かしを入れた紙を使っていたが、その紙を作っていた会社がなくなったため、現在は透かしなしの紙になっている。
今は使われていない、透かしが入った紙。

この透かしに使われているのはツバメノートのシンボルマーク。
ツバメのマークは誰がデザインしたのか、こちらも不明だという。
ツバメの要素は、当時「燕さん」という方が営業をしており、会社のほうにも「ツバメさんのノート」として注文が来たことや、1950年から64年まで運行されていた特急列車「つばめ」にも掛け、「ツバメノート」の名前が定着し、後に社名にもなったことから。
また、ツバメの背景にあるのは朝日の図柄。当時、浅草にあったアサヒビールの工場から初三郎氏が朝日のマークを思いつき、このマークに至ったという。
by dezagen | 2013-10-28 16:39 | これ誰取材記事