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カテゴリ:これ誰取材記事
  • ライオン事務器 テープカッター no25
    [ 2011-12-09 23:09 ]
  • 歴代のヤマト糊
    [ 2011-12-08 02:11 ]
  • 美術系学校のシンボルマーク5
    [ 2011-10-21 08:22 ]
  • 美術系学校のシンボルマーク4
    [ 2011-10-21 07:50 ]
  • 美術系学校のシンボルマーク3
    [ 2011-10-19 07:42 ]
  • 大学のシンボルマーク2 東京藝術大学
    [ 2011-08-07 23:46 ]
  • 日本航空の新ロゴ
    [ 2011-05-16 11:21 ]
  • オリックス・バファローズ デザインリニューアル
    [ 2011-02-15 10:43 ]
  • CIRCULATION SHUTOKO HATARAKU TOTE
    [ 2011-02-12 18:44 ]
  • メイトー ロゴ
    [ 2010-08-06 15:11 ]
ライオン事務器 テープカッター no25
ライター渡部のほうです。

今回は久々、ブログ用の取材。
と、いうのも、読者の方から
「ライオンのテープカッター、カッコいいですよね。あれ、誰がデザインしたのか調べてもらえませんか?」
と、リクエストが来たため。

え?ライオン?歯ブラシの?と、そっちではなく、ライオン事務器のほう。
なんと、来年2012年には創業220周年を迎えるという老舗会社である。
ライオン事務器HP http://www.lion-jimuki.co.jp/

こちらのテープカッター。写真を見れば即分かる。



小売り商店などでよく見かける、昔家で使ってた、市役所にあったあった、など記憶にある方も多いのでは?
正式名称はテープカッター No.25。はてさて、「誰がデザインしたの?」

対応していただいたのは、ライオン事務器の営業企画部、広報担当の方と、1969年ライオン事務器入社のベテラン社員の方。

「当時の複数のOBに尋ねたところ、外部の工業デザイナーに依頼した商品だとは思われるが、誰であったかは不明とのことです。
当時、まだ工業デザイナーという認識が一般的に薄く、社内でもなぜか当時の開発記録が見あたりません。
それまでの商品と比べて、曲線を主体とした斬新なフォルムがあると同事に、セメントを詰めテープに引っ張られない重さやテープをシャープに切る刃といった、テープカッターに必要な機能を十分兼ね備えたところが企業定番商品として支持されたものと思います。
カタログには1966年に出て来るのが最初です。当時のカタログは2年毎ですから、65年から66年に発売されたものだと思われます」
仮に66年生まれとして、現在45歳のロングセラーなのだった。長い!

当時のカタログのコピーを見せていただいた。



他のテープカッターは鋳鉄。
会社の資料から、昔のテープカッターと鋳鉄のものも出してもらった。
奥の水色のものは現行のもの。




写真では分かりにくいが(すいません…)当初はツートンで、底はベージュ。
色の切り返し部分から下はすぼんでいるので、より軽いイメージになっている。

時代は東京オリンピックが終わり、大阪万博へと、日本が急速に進歩していた頃。
形や色も自在に大量生産できるプラスチックは時代の象徴でもあった。
なめらかで軽快なテープカッターが人気になったのもうなずける。

ちなみに1968年から2000年までは同じ型で木目調もあった。カタログを見ると「北欧調」とある。
これ、欲しい…。



ところで、本題とはちょっと外れるが、ライオン事務器の歴史資料室がすごいのだった。


重そうな電動消しゴム。


ライオン柄がかわいい、ビニールテープ。

こんなものも!と思ってうちに帰ったら、肝心の部分がブレていた大ショックな写真。

松本零士先生自筆、999のキャラ(とキャプテンハーロック?)がライオンのペン先に乗って飛んでいる。ペンを船に見立ててるところがステキすぎるのだが、ボケてるんだな。すいません。
なんでも松本先生の絵は愛用のライオンのペン先で描かれているのだそうだ。

も一つ。6代目の社長が集めたライオンキャラコレクション。

6棚分?くらいぎっしり。か、かわいい。

なんだか盛り盛りになってしまったが、テープカッターのデザイナーが分からなかったのは返す返すも残念。もし読者の方でご存じでしたらご一報を!

連絡先:ツイッターが一番早いかな。
http://twitter.com/#!/chiharuwatabe

PS: 東京造形大学グラフィック助手様、写真修正ありがとうございます。
by dezagen | 2011-12-09 23:09 | これ誰取材記事
歴代のヤマト糊
ライター、渡部のほうです。

 最近、文具メーカーに伺うことが多い。主な理由は先生業をやっているため授業の下調べ、なのだが、『これ、誰がデザインしたの?』連載時の情報のアップデートの意味もある。お礼参りっていうとなんか意味が違っちゃいそうだけど、取材先に改めてお礼にも行ったわけです。
 
 で、先日伺ったのがアラビックヤマトの回でお世話になった「ヤマト株式会社」。こちらではアラビックヤマトの回ではフォローしきれなかった、ヤマト糊の詳細や近年に出た商品などについて教えてもらった。

 ずらり、歴代のヤマト糊。



 でんぷん糊のヤマト糊が生まれたのが1899年。明治ですから。すごい貫禄。
 ボトル入りの糊は1952年にチューブ入り発売を挟んで、1958年にプラスチック入りに変わっていく。それまで使われていたガラス瓶は割れやすく、また、重いことから輸送コストが掛かっていたことを、プラスチックを採用することで解消。



 写真右端の小さいリブ入りの容器。懐かしい方も多いのでは?当初リブ入りになっていたのは、発売当時のプラスチック容器の技術、素材的な観点から、強度を増すため。その後1980年に中央から左の3つ、四角いボトルに変わる。
 


 現行とガラス瓶期。こうやって見るとかなり違っているのだけれど、蓋の上に桜と当たり矢(ヤマトの名前の由来でもある、矢的)が押されていること、瓶の色が青/緑で現行のものが青、蓋が金から黄色と、色を継承し、共通アイデンティティを貫いている。

 こちらは2003年に出た和紙糊。



 和紙工作に適したでんぷん糊の製品で、工作の集中を促すよう、ほんのりとゆずの香りがする。昔のラベルをモチーフにしたレトロなラベルを使用しているところに目が行ったが、デザインの注目点としては、ボトルの縁。
 ヤマト糊のボトルよりも縁周りが深くなっていて、指で糊の量を調節しやすいようになっている。教えてもらうまで全然気がつかなかった!と、いうような工夫が、糊の容器にはたくさん隠れているのであった。

ヤマト株式会社HP http://www.yamato.co.jp
by dezagen | 2011-12-08 02:11 | これ誰取材記事
美術系学校のシンボルマーク5
編集宮後です。
続けて、東洋美術学校です。

1946年に設立された洋裁学院をもとに
1961年に絵画・デザインの専門学校「東洋美術学校」として
本格的にスタート。卒業生はヒロ杉山さんほか各界で活躍しています。
10/22-23に学園祭があります。
http://www.to-bi.ac.jp/

ロゴはこちら。
紺をベースに「東美」の白抜き文字が入っています。



お問い合わせしたところ、
東洋美術学校さんから以下の回答をいただきました。

Q:現在使われているロゴマークは、何年にどなたがデザインしたものでしょうか?

A:2006年春~2007年冬にかけて、東洋美術学校教職員と
株式会社浪漫堂のクリエイティブディレクター伊東聡、
アートディレクター村田匡一郎(東洋美術学校のOBで現在は独立)
によって構成された「東美ブランディングプロジェクト」の
メンバー主導で抽出されたアイディアの中から誕生しました。
全員参加型で「らしさ」の再発見をはじめ、
目指すべきビジョンやコンセプトの再策定など、
一連のプロジェクトの中で議論を重ねて最終的にこのBIデザインが完成し、
システムも構築されました。

Q:ロゴの形の意味、ロゴに込められた想いなどを教えてください。

A:東洋美術学校の略称として半世紀以上も前からOB・OGの間で
親しみを込めて呼ばれている、「東美」という愛称をそのままモチーフとして選択。
そしてブランドカラーは、日本の伝統色である「藍色」に。
歴史や文化の中で育まれてきた表情豊かなこの色に、
東洋美術学校の「革新を重ねてきた伝統」を重ねています。
知的な印象がありながらも温かみが感じられる藍色は、
実は、秘めたる情熱を表す赤を含んでいます。

というわけで、桑澤、お茶美ロゴに見られた
・学校に縁のある方がデザインしている
・学校の愛称をモチーフとしている
特徴がここにも。

学校ロゴには、
入学前に「ここで学びたい」と思ってもらえる信頼感、
卒業後に「ここで学んでよかった」と感じる学校への愛着が
求められるんじゃないかと思ったわけです。

特に美術系学校は人数がそれほど多くないし、
共同制作などもあるので、学生時代の結びつきも強い気がします。
それだけ学校に対する愛着も生まれやすいのかもしれません。

引き続き、4年制の美大のロゴも調べているので、
わかり次第アップしますね。



by dezagen | 2011-10-21 08:22 | これ誰取材記事 | Comments(0)
美術系学校のシンボルマーク4
編集宮後です。
美術系学校ロゴの第二弾はこちら。

御茶の水駅すぐ近くにある
美術系予備校のお茶の水美術学院です。
美大受験で通っていた方も多いのではないでしょうか。

2008年の校舎リニューアルにあわせてロゴも一新。
こんな感じのレインボーカラーになっています。
デザインは佐藤可士和さんです。
画像コピペできないので、こちらのサイトでご覧ください。
http://www.ochabi.ac.jp/

ロゴだけではなく、スケッチブックや紙袋、
学生証もすべてトータルデザインされております。
http://kashiwasato.com/#ochabi

ロゴタイプが「O CHA BI」になっているのは、
「おちゃび」の名称で親しまれているからでしょう。
以前はたしか明朝系のロゴタイプだったので、
印象ががらりとかわりましたが、
「おちゃび」という呼び方は昔から変わらないですね。
昔から親しまれている呼び方をそのまま使い、
ビジュアル面で一新したデザインはさすがです。

同校のウェブサイトによれば、
佐藤さんもお茶美に通ったことがあるとのこと。
どんな想いでデザインされたのか、聞いてみたい気もします。











by dezagen | 2011-10-21 07:50 | これ誰取材記事 | Comments(0)
美術系学校のシンボルマーク3
編集宮後です。
そういえば、美大のシンボルマークのデザインについて、
これ誰で調べていたのが途中になっていました。

専門学校や美術予備校も含めて調べようと思い立ち、
今までご縁があった学校を中心に調べることに。

再開第一弾はこちら。桑沢デザイン研究所です。
バウハウスから学んだ桑沢洋子氏が1954年に開校、
以後約半世紀にわたり、デザイン教育を行っている専門学校です。
デザイン業界でも出身者が多いことで有名ですね。

学校のシンボルマークはこちら。


早速「これ、誰がデザインしたの?」をお聞きしてみると、
1979年の創立25周年に制定されたそうで、デザインは草刈順さん。
草刈さんは阪神百貨店や緑屋のロゴをデザインされ、
西武百貨店ロゴの文字部分のデザインも担当された著名なデザイナーで、
同校でも教鞭をとっていらっしゃいました。

桑沢デザイン研究所さんから、デザインの意図が記された
草刈さんの文章を送っていただいたので以下に引用いたします。

*************************************************************
KとDとSという正方形のカードを使って立方体を作る、というと何やら造形クイ
ズめいてしまうが、桑沢のシンボルマーク制作を依頼されたとき、初めにピンと
きたのがこのことだった。というのは、K(桑沢)とD(デザイン)とS(スクール)
は単なるイニシャルではなく、もっと本質的な意味をそれぞれがもち、しかも、
それがガッチリと有機的なつながりをもった一個のCUBEである、という感じがし
たからである。いろいろな組合せを試してみたが、結局、図のようなオーソドッ
クスなものを平面に投影し、マークとしてビジュアライズした。
 なお、スクールカラーとしてブルーを決め、KDSのDの部分が色面になり、補助
カラーとしては白とグレイがあり、この3色を基本として色彩展開することにな
っている。
また、英字の書体は、70年代においてもっとも完成度の高いタイプ・フェイス
Helvetica体を使用、マークと一体となってシンボル化してゆきたいと思ってい
る。日本字の書体は、太ゴシックの長体を英字書体にあわせてデザインしたもの。
                  (草刈 順・グラフィックデザイナー)

*************************************************************

学校のロゴの場合は、卒業生や先生など、
縁のある方がデザインする場合が多いのでしょうか?
このあと何校か調べてみたいと思います。続く。

by dezagen | 2011-10-19 07:42 | これ誰取材記事 | Comments(0)
大学のシンボルマーク2 東京藝術大学
編集宮後です。
美大のシンボルマークシリーズ第二弾は東京藝術大学です。

大学のマークはこちら。


アカンサスの葉の輪郭を模様化した中に
「芸大」の文字が収められています。

アカンサスは南欧原産の多年生草木で、
ギリシャの柱頭をはじめ、
建築や工芸品で広く使われていたおなじみのモチーフ。

芸大百年史で調べたところ、
このロゴができたのは昭和25年(1950年)。

美術学部と音楽学部が統合されて芸大となった昭和24年以降、
新しい徽章を定める必要が生じたため、
校内でコンペを行い、5つの候補案のなかから
美術学部工芸科鋳金部の清水廣氏のデザインが選ばれたとのことでした。
(清水廣氏は清水九兵衛として彫刻を主として活躍)

清水氏は昭和28年の卒業生と記録されているので、
徽章をデザインした昭和25年当時は学内生ということになります。
清水氏本人のインタビューが掲載されている学内誌にも
「徽章は昭和24年の校内コンペに応募して入選したものだった。」
という記載があったので、間違いはないでしょう。
つまり、徽章は学内生がデザインしたということですね。

「誰かデザイナーに頼まなくていいの?」と思いましたが、
芸大は美術学部だけではなく、音楽学部もあるので、
デザイン寄りの形になるよりも汎用性のある形のほうが
使いやすかったのかもしれません。

誕生から60年以上経った今でも使い続けられている徽章は、
脈々と受け継がれるデザインなのでした。




by dezagen | 2011-08-07 23:46 | これ誰取材記事 | Comments(0)
日本航空の新ロゴ
 ライター渡部です。久々に相方宮後さんと取材をしてきました。JALのロゴが変わったら、そりゃ取材せねば!これ誰取材部行って参りました!

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 JALのロゴマークに鶴丸が戻ってきた。今年2月末から尾翼などに現れてきたが、新たに「日本航空株式会社」となった4月1日が正式な採用日となる。2010年より会社更生法の適用を受け、現在経営再建中の同社。社名も変更し、今回のロゴマークの変更は新しい出発のシンボルでもある。

 JALのロゴに関しては以前『デザインの現場』の連載の中でとりあげている。(書籍『これ、誰がデザインしたの?』p90参照))前代、前々代はランドーアソシエイツが手がけている。今回の鶴丸復帰の作者は誰?と日本航空に問い合わせてみたところ返ってきたお答えは「宣伝部です」。  

 会社再建中だけに外部発注が難しかったことが理由だが、これまでも外部に依頼したデザインを管理してきたスペシャリストが社内にいるのである。それが真下淳氏率いる宣伝部の制作チームだ。真下氏はJAGDAにも在籍するアートディレクターである。

「ロゴマークをリニューアルするという話が実際に動き始めたのは2010年の秋でした。様々なものを提案しましたが、開拓精神を持って初心に戻るという意味を込めて鶴丸のマークが選ばれたのです。しかし古いものに戻すのではなく、新しいイメージを与えることが重要。そこで鶴丸を再検討し、細かいところで微調整をしています」  

鶴の頭部がやや鋭くなりクチバシが上向きに、また羽根の切り込みが深くなっているのが特徴だ。中の「JAL」抜き文字は、以前よりも太くなっている。これは「JAPAN AIRLINES」の新しいロゴタイプと同じもの。視認性が高くなり、ウエブなどの画面でも見やすくなっている。  

機体、空港内サインから、紙コップや紙ナプキンまで、航空会社のロゴが使われるのは20万から30万アイテムとも。一気に変えるのはさすがに無理で、特に大きな機体の塗り替えはメンテナンスの機会と合わせて変えていく。すべてのロゴが変更されるまでには7,8年かかるという。デザインのリニューアルは発表されたら終わりなのではない。これからが始まりなのだ。




↑新ツル丸と旧ツル丸の比較。赤いほうが新ツル丸。


↑新ツル丸変更のポイント






◎歴代ロゴの変遷


1代目 1953年~1959年 一般公募 JALの文字を飛行機を前面から見た形に見立てたもの。






2代目  1959年~1989年
ジェット機の採用を受け作られた初代鶴丸。宮桐四郎氏(日宣美会員のフリーランスデザイナー、との記録あり)が原案を作り、アジア方面に強かったアメリカの広告代理店Botsford, Constantine & Gardner(吸収され現Ketchum)のヒサシ・タニ氏が製図。 70年代から航空会社のCI化が一般的になってくる。それまでは文字ロゴ、シンボルマーク、社章の使われ方はばらばらというのが普通だった。






3代目 1989年~2003年 ランドーアソシエイツ 完全民営化を機会にロゴをリニューアル。使い方のあいまいだったロゴ、シンボルマークを文字ベースのロゴに一括。鶴丸は尾翼に残され、鶴丸マークを描いた飛行機は2008年5月31日まで続いていた。






4代目 2003年~2011年 ランドーアソシエイツ 日本エアシステムとの統合によりロゴをリニューアル。






5代目 2011年4月1日~

by dezagen | 2011-05-16 11:21 | これ誰取材記事
オリックス・バファローズ デザインリニューアル
 今年春、オリックス・バファローズのロゴ、ユニフォームなどデザインが一新した。
http://orix.buffaloes.co.jp/special/


(写真:新生バファローズ告知ポスター ©ORIX Buffaloes)

 これまでの球団変遷を見てみると、創立は戦前の1936年。阪急軍が阪急ベアーズになり、阪急ブレーブスになり、オリックス・ブレーブスになり、オリックスブルーウェーブと大阪近鉄バファローズ(1949年創立)が合併して、2005年からオリックス・バファローズなのである。

 チーム名の変更や親会社の変更、吸収合併などが重なると、どうしてもチームとしてのキャラクター性を掴みにくくなる。ここで一つガツン!と強いアイデンティティを、と行われたのが今回の大幅リニューアルなのである。

 デザインを担当したのは、東京と大阪にベースを置くデザイン事務所GWGの池越顕尋さん。www.gwg.ne.jp
(池越さん。ユニフォームやキャップ、ポスターまで美術出版社まで持ってきてくれた素晴らしい人!)

 どんなCIリニューアルでもそうだが、一番肝となるのは「ロゴ」である。これまできちんと決まっていたのはイニシャルマークの「Bs」のみだったものを、今回、プライマリーマーク、スクリプトマーク、イニシャルマークと3種のロゴを新規作成した。

©ORIX Buffaloes

 プライマリーマーク(上)はシンボルマークとしてステーショナリーからユニフォームの腕章まで幅広く使われる。
 スクリプトマーク(中)はユニフォームの前面に出すもの。
 これまでのBsを継承しつつリニューアルされたイニシャル(下)はスクリプトの短縮版としてヘルメットなどに使われる。

 全般にクラシカルなロゴを起用したのは、スタンダード感の演出も理由としてある。スポーツチームの場合、ロゴはチームの顔であると同時に、物販用ユニフォームやグッズなどに展開される「柄」でもある。ユニフォームとキャップ、ヘルメットのロゴにもこだわり、ここまで縫えるのか?と思うほど盛り盛りの刺繍はかなり贅沢感がある。





(新しくなったキャップ、ヘルメット、ユニフォーム。厚みのある刺繍 ©ORIX Buffaloes)

「ユニフォームを買ったお客さんが、球場の応援時だけでなく街でも着れるようなものだといいと思ったんです。ファッションとしてもカッコイイと思ってもらえれば、普通に着てもらえる。ですからロゴも3,4年後にもいいと思ってもらえるようなロゴを意識しました」と池越さんは説明する。

 CIリニューアルに際しクライアントからの要望は「他の球団に似ていないこと」が、当たり前だが、まず1つ。加えて「カッコイイのを作って欲しい」。
 「カッコイイ」は主観的、感覚的な表現だ。野球の分野での、そしてバファローズとしてのカッコ良さというのはどういったものなのだろうか。
 このヒントは、今回起用された使用色にあると思う。前年までのものを見てみるとやや明るめの赤、紺、黄が混在していたたものが、今回、白、渋めの金色、深いネイビーを基調にしたものと変わった。ポスターを見てもシャドウの強い選手のポートレート、とシャープでかっちりしたイメージとなっている。全体的に言えば「渋い」。


(プライマリーマークの入った袋。社内用に使われる。上に乗っているのは選手カード ©ORIX Buffaloes)

 いくつか野球関連の資料を読んでみると、サッカーやテニス、バレーボールなど他の人気チーム競技に比べて、野球は運動量が少なく選手個人は静止している時間が多いそうだ。選手の美しい動きもさることながら、ただユニフォームを着て立ってるだけでもカッコイイこと、が求められるのではないだろうか。
 むろん球団によりアプローチは異なるが、バファローズが選んだカッコ良さは、静止していても奥にあるストーリーを感じさせるような深さ、凄みを感じさせる真剣さなのだと思う。
 ちなみに今回の執筆担当渡部は野球素人。ブログ相方で野球ファンの宮後さん曰く「池越さんのデザインはカッコ良さのさじ加減が絶妙。野球ファンの気持ちが分かってる」とのこと。発表後の反応も非常にいい。あとはデザインに負けないプレーを願う。
by dezagen | 2011-02-15 10:43 | これ誰取材記事
CIRCULATION SHUTOKO HATARAKU TOTE
 ライター渡部のほうです。

 昨年のデザイナーズウイークで発表され、話題を呼んだ「CIRCULATION SHUTOKO」の「HATARAKU TOTE(はたらくトート)」。http://c-shutoko.jp  首都高で使用された廃棄物を循環させていくプロジェクトの第一弾として作られた横断幕のバッグだ。
 廃棄物をバッグに、というとスイスのフライターグが思い浮かぶが、フライターグの使うトラック用カバー同様屋外の雨風にも耐える強い素材であり、かつ薄手で、加えて「公的な場所で使われるかっちりした日本語」が柄に入ってくるのは(特に文字好きの皆さんにとっては)魅力である。
 発表から3ヶ月を経て、どのような反応があったのか、今後の展開などについて話を聞いた。

 このプロジェクトを立ち上げた首都高速道路株式会社 事業開発部 事業企画グループの長谷川栄一さんは「予想以上の反響で、トートの製作においては1点1点手作業に近い工程となるため、生産が追いつかず社員もなかなか買えないほどの状況でしたが、やっと生産体制も整備されてきたところです」



 12月末現在で販売された総数を聞いてみると、400個と意外に少ない。
「デザイナーズウイークでは最初のお試しという感じで100個出したんです。その場でほぼ完売し驚きました。その後は出来たら出す、という状態で品切れ状況が続いていたんです」
 現在民営化されたとはいえ、旧お役所、1つ1つのプロジェクトもさぞかし大きくやっているのかと思いきや、そうでもなかったらしい。
「一番最初は私個人で、横断幕をバッグにできないかと試作していたんです。2009年に社内で社員提案型のプロジェクトアイデア募集があり、まっさきに応募しアイデアが通りました。その後半年ほど社内での検討期間があり、2010年の春くらいからやっと本格始動しました。
会社がものづくりをして販売する、というのはそれまで前例がなかったので、自分達だけでやるのは難しかったためパートナーを探し、トートバッグ専門ブランドのルートートを運営しているスーパープランニングさんと一緒に制作、販売を行うことにしました」

 バッグのデザインはルートートの定番スタイルから3種類とし、一般の人に使ってもらう「はたらくトート」として手に取ってもらいやすい価格帯にすることも念頭にあり、持ち手などのパーツもルートートのものを使用した。


「GRANDE」(グランデ)
サイズ:横63×縦41×マチ24cm
ポケット:外側ファスナー付ポケット1箇所、内側3箇所 
¥6,090(税込み)



「MESSENGER」(メッセンジャー)
サイズ:横45×縦38×マチ10cm
ポケット:外側ファスナー付ポケット1箇所、内側3箇所
¥5,565(税込み)


「FARMER'S」(ファーマーズ)
サイズ:横44×縦45×マチ12cm
ポケット:外側ファスナー付ポケット1箇所
¥5,880(税込み)

 柄に注目してみると、文字や柄をばっちり真ん中に置いたりはしないランダムな配置になっている。リサイクルプロジェクトなため、製品化に際し重要項目とされたのが「無駄を出さないこと」だった。一般的な横断幕横6m×縦1mの布から、柄を重視せず、なるべく多くの型を取れる方法で裁断していった結果だ。
 この偶発的な柄が「デザインされすぎてない感」として好感を得ているという。デザイン飽和の日本らしい現象でもある。 

 とはいえブランドとしてのアイデンティティはしっかり固め、キャンプフォー http://camp4.jp  が担当したロゴ、イベントデザイン、ウェブサイトなどの周辺デザインは、ファッションブランドにも近いカッコよさを前面に出したものとなっている。 



「ウェブは首都高の看板のような、飾らないかっこよさを目指したテイストで展開しました。
トップページは「首都高×ファッション」として、第一弾商品のリサイクルバッグをファッションアイテムとして打ち出しつつ、その背景にある「首都高発のリサイクルプロジェクト」が感じられるものとして、「道路上に置かれた様々な資材を背景に、その資材から新しく生まれ変わったバッグを持った、ファッションモデル」のイメージを作りました」と、キャンプフォーの飯田優子さんは説明する。

 本家本元の首都高速道路株式会社のサイト www.shutoko.jp とはかなりイメージが異なるが「首都高というイメージと一旦切り離してプロジェクトに接してもらいたかったので、会社のサイトのデザインとはむしろ違う方向性を目指しました。名前にSHUTOKOと入っていれば、なんらか関係性は分かると思います」(長谷川さん)

 製品の発売後、意外な反響もあった。
「横断幕を必要とする夜間工事などがとにかくたくさんあるものですから、首都高を普段使っている人でもそんなに気を使って見ていただくことが難しいところもあったんです。こうして商品になってみると、自分に馴染みのある地名があったり親しみを感じてくれるようで、横断幕自体も注意して見るようになった、という声を聞きます。気持ちの循環システムとしても機能していますね」(長谷川さん)


(写真:首都高での利用例)

 気になる今後の展開だが、バッグは2月15日から1ヶ月間、東急ハンズ渋谷店にて特設コーナーを設け、以後東急ハンズでも扱うようになる。
 商品の改良も検討中で、ユーザーの声を反映しつつ、持ち手の長さの調整や、既存のパーツからオリジナルのものにするなどの案を考えているところだという。

 加えて、デザイナーの読者に注目してもらいたいのはここ。
http://c-shutoko.jp/process
 プロセス2の「働き終わったら」と書いてある写真の資材置き場、この写真を見ているだけでもアイデアが湧いてくる人も多いだろう。看板、重りとなるタンク、ポール、三角コーンなど、まだまだ再利用ができずに廃棄される資材はたくさんある。



 こうした素材は、インテリア雑貨、家具など大型の製品にも応用できそうだ。
「ネットワークを広げて、デザイナーさんとも協力しながら新しい商品に挑戦していきたいと思っています」と長谷川さんは言う。
by dezagen | 2011-02-12 18:44 | これ誰取材記事
メイトー ロゴ
メイトー ホームランバー記事のオマケ。

メイトーのブランドマークの変遷を見せてもらったら、有名デザイナーの名前に遭遇。

1964年~1974年まで使われていた牛マークは故・田中一光氏の作。


以後の、1974年~1992年まではグラフィック・パッケージデザイナーの岡田宏三氏デザイン。


1992年から現在のものは、ザ・デザイン・アソシエイツ。
by dezagen | 2010-08-06 15:11 | これ誰取材記事