エキサイトイズム エキサイト(シンプル版) | エキサイトイズム | サイトマップ
カテゴリ:プロダクト・パッケージ( 191 )
中国四川成都で見たパッケージデザイン
本当にブログが久々でびっくりしますが、ライター渡部のほうです。

先日、中国は四川、成都に行ってきた。
中国本土に行ったのは、2010年の上海万博以来なのでなんと7年ぶり!(のはず)。

中国ではこういう傾向が、というのをまとめづらい状況は変わらず。すごいなあ、と思うものをランダムに。
(6月21日夜。朝ダッシュで書いた文章があまりにもダッシュすぎたので若干整理整頓、補足しました)

中国はプラスチック成型が自由だな、と思う。
キノコ型子供向けリキッドソープ
b0141474_13264558.jpg

歯ブラシはプラスチック成型技術の凝縮。日本でもヨーロッパでも見ない形のものが沢山あった。
b0141474_07034108.jpg


チューリップ型だからなんだ、とか、そういうことでもなく、単にかわいらしい、ということなんだろうなあ。恐らく女性用サニタリー用品。
b0141474_07242502.jpg


成型技術がどうこうという話でもないが、こんな形のボトルが昔エヴィアンだったか(?)の特別バージョンであったような気が。ちなみに中は豆菓子。
b0141474_07225460.jpg

中国本土のキラキラホログラム箔大好き、は相変わらず。ライオン歯磨きもピカピカ。
b0141474_07053368.jpg


生理用ナプキンがダイレクト過ぎて直視できない。
b0141474_07064269.jpg
洗剤製品はローカル色の出やすいところ。
食器洗剤にショウガの香り、というのが定着していた。
刺身醤油皿をこれで洗うと、ショウガの香りが残って薬味要らず!ってことはないよな。
b0141474_07073707.jpg

「雕牌」洗剤シリーズは(昔風な言い方だけど)ヘタウマなイラストを起用。なぜこうなったのか、ターゲットが誰なのかよく分からない。
公式サイトを見ても商品群がよく分からないが、「雕牌」で調べるとこのイラストのバリエーションが多々。
b0141474_07093914.jpg
b0141474_07093540.jpg
b0141474_07210314.jpg


日本ではあまり見ないので害虫がコロリと死んでるイラストを見ると「強力なんだな」と思う。
他の害虫害獣を殺しながら生きる、人間は悪い生物です。
b0141474_07212860.jpg
b0141474_07212292.jpg

油性ボールペン。中国はまだ替え芯文化健在。エコロジー的に正しい。だが、ホルダーの数もそれだけ揃えてどうする。
b0141474_07254309.jpg


狙ったところに書けます。というようなものでもないと思う、鉛筆って。
b0141474_07282928.jpg
b0141474_07282463.jpg


今回行った成都、つまり中国四川省は火鍋が名物。火鍋の素はほぼ脂なので、固形で売られている。
b0141474_07300826.jpg


名物なのでギネスに挑戦、的な。とはいえ、こんなでっかい鍋で食べているわけではない。この鍋サイズでは周りにいる人間を煮る地獄絵である。おお、怖。
しかも縦横無視のディスプレーにされてイワシかと思った。
b0141474_07303964.jpg

あまりの太さに箱なしのラップ類か巻いてあるゴミ袋かと思ったら麺だった。
b0141474_07313356.jpg

中国伝統切り絵をアレンジしたオシャレパッケージ。こういうのだけだったらある意味理想だと思うのだが、そうもいかない。
b0141474_07511702.jpg

ゼリーのようなお菓子のパッケージ。突然オシャレっぽいなー、と思わず買ってみようかと思ったが、上のほうの文字だけパッケージがポエム過ぎて萎える。
b0141474_07523922.jpg

しかも美味しすぎて口からヨダレが出ちゃうらしい。
b0141474_07540442.jpg

茶飲料の種類も多い。フレーバーはほぼ緑茶、ジャスミンティー、紅茶で砂糖もしくは果物フレーバー入り(無糖がほとんどない)。

農夫山泉というブランドは、テキスタイルパターンのようなイラストがパッケージ賞など取っているのだが、
http://www.nongfuspring.com/index.php/product/lists/category/133
オシャレパッケージと韓国アイドルを秤に掛けて、韓国アイドルのほうが勝ったようだ。
パッケージにアイドルの写真を載せてしまう、のはパッケージデザイナーに取ってはヘコむところだが、消費者的にはアイドルのほうが訴求力がある、というのは事実ではある。
(BIGBANGのメンバーは大麻摂取で話題になってましたが、とりあえずいいのかな)
b0141474_07321621.jpg
フレーバーの種類は少ないけれど、ボトルの形は様々ある。壺っぽいこちらも上の茶πと同じ農夫山泉ブランドの製品。
http://www.nongfuspring.com/index.php/product/lists/category/127
白いボトルは紅茶のミルクティー。黒は抹茶ミルクで「ほんのり海苔味」だそうだ。
b0141474_07402510.jpg
「茶ea」という商品名はどう読むのだ、とよーく写真を見てみたら、茶の文字の中の部位を無理矢理「T」に読ませているのだった。無理がある。どう見ても無理がある。せめて、漢字のはねをなくして欲しい。
b0141474_20460212.jpg


中国本土でのグリコの頑張りは素晴らしい。お菓子業界は、本土で元々あるブランドに加え、台湾系の旺旺、韓国のオリオンなどが入っており、なかなか激しい競合状態。日本のブランドではグリコのポッキー、プリッツ類、不二家の飴などが定着している様子。
中国グリコのポッキー全種類買ってくる予定だったが、あまりの種類の多さに諦める。
b0141474_07440343.jpg
b0141474_07440920.jpg


乾燥キノコ類。ボタニカル画風な、きれいなパッケージだなーと思いつつ、料理をするおばさんあたりが主力ターゲットだと思われる乾燥キノコ(食材)にこのオシャレさはどう訴求してるのか。
中国人の大学院生が「ギフト用かも」と言っていたが、確かに干し椎茸やキヌガサダケなど高級干しキノコ類は贈答品に使われることもあるし、干しキノコで58元(約1000円)は高い、とはいえそれはどちらかというと年配向けの贈答品。
この「老人头菌(老人頭菌)」は日本ではモミタケというそうな。中国では野生の老人头菌は漢方にも用いられるものだそう、だが…。
b0141474_07554495.jpg


タイ米。セクシーお姉さんが田んぼを耕してまーす。
b0141474_07571352.jpg

地味ながら、今回一番衝撃を受けてしまったパッケージ。猫の股の開きっぷりが大胆すぎて。
b0141474_07580600.jpg


漢字の文字の形といい、中の個包装ピーナツの絵といい、カッコ良さでは断トツ、これは買い!と思ったのだが、どう見てもマズそうで、買いたいけどマズそう、のジレンマを30分続けた後、結果買わなかったピーナツ入り牛乳味ヌガー。
b0141474_08432015.jpg

とりあえず、以上です。

by dezagen | 2017-06-21 08:02 | プロダクト・パッケージ
プライベートブランド考6 イギリスのスーパーマーケットを見て。小売店の社会的責任とは何か
ライター渡部のほうです。

GWは4泊5日でロンドン+パリへ。
ずっとスーパーマーケットでパッケージを見て来て、ここ2年ほどはロンドンとパリ、つまりはイギリスとフランスのスーパーマーケットとその商品、を中心に見るようになってきた。

今後スーパーマーケットで売られる一般的な食品、日用品のパッケージはどうなっていくのか、を見る上では、やはりイギリスが先端を行っていると思う。フランスは、イギリスに比べれば保守的だが、突如モノプリのような大胆なプライベートブランドの展開をすることもあり、なかなか見逃せない。
(これにドイツを加えれば、もう少し多角的に見れるとは思っているが、ドイツはドイツでどの都市を見るか、難しいところではある。さておき。)

今回のロンドンでは以前にも取材をさせてもらったP&W http://www.p-and-w.com

P&Wはイギリスで最大のスーパーマーケットチェーン、テスコのプライベートブランドのアートディレクションを手がけている。
さらに、私に取って非常にラッキーな事に、日本人の森田亜紀子さんがお勤めなので、英語だけの会話でこぼしてしまう情報をフォローしてもらえる。だけではなく、日本とイギリスをどちらも知っている人と話していると、商品やデザインの話だけではなく、社会的背景など様々な事を比較しやすい。

今回も取材の後、森田さんともろもろな事を話していた中で、森田さん曰く「英国の小売店はモノを売る以上に、社会的責任を担う企業として様々な活動をしている」というところが気になった。
メーカーの社会的責任はよく聞く話だが、それに比較して小売店の社会的責任はあまり語られることが少ない。

日本の小売店のIR情報、CSR情報を見ると、皆それなりに社会貢献をしているのは分かる。地域貢献などは恐らくイギリスともそれほど変わらないのではないだろうか。とはいえ、一消費者として店舗に行った時に、それが実践されている感覚に薄い。
社会貢献という言葉も幅広いので取りようだが、私のようにプライベートブランドを見ている者の視点からすると、メーカーとは異なり消費者と直接対面する小売店ならではの商品開発力が欲しい。これはマーケティング戦略とも言えるが、各店舗を利用する消費者が必要としているモノを揃え、既存でなければ作り、棚で見やすく消費者を誘導させる事。また、パッケージの表示も(できれば統一し)分かりやすくすることで、ナショナルブランド、プライベートブランドに限らず、消費者が商品をきちんと比較できること。

消費者が欲しいものは、価格の安さだけではない。
例えばオーガニック商品。すでに20年以上も前の事になるのではないだろうか。私がイギリスに住んでいた頃、スーパーマーケットに「オーガニック」だけで1つの棚ができていた。オーガニック食品(他)は専門店や市場に行かないと手に入らない、という状況だったのが、スーパーマーケットで手軽に手に入るようになったわけだ。
これも、消費者に対する社会的貢献と言えるだろう。

イギリスで今は、オーガニックは当たり前になってきていて、むしろアレルギーや、フードマイレージを考えた商品開発だろう。
むろん、こうした特化商品も専門店に行けば買える。オンラインで注文もできる。だが、普段買い物をする店にあれば、消費者が楽であることは言うまでもない。

アレルギー対策として、現在どこのスーパーマーケットでもfreefrom(アレルギー物質がない)商品群を揃え、プライベートブランドの1つとしてシリーズ化し、専用の棚がある。

これはテスコの例。
b0141474_02425459.jpg
紫のカラーバーの着いたパッケージはテスコのオリジナル商品。
freefrom商品をまとめた棚なので、ナショナルブランドの商品も揃う。

ただ、このfreefrom商品は、まだ開発途上だと私自身は考えている。テスコのfreefromはグルテン、小麦、乳、卵を使っていない物となっている。
実際に食品アレルギー物質と指定されているものは何かと言えば、こちらは日本の例だが、消費者庁の資料によれば
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/food_index_8_161222_0001.pdf
卵、乳、小麦、落花生、えび、そ ば、かに
いくら、キウイフルーツ、くるみ、 大豆、カシューナッツ、バナナ、 やまいも、もも、りんご、さば、ご ま、さけ、いか、鶏肉、ゼラチン、 豚肉、オレンジ、牛肉、あわび、 まつたけ

イギリスの例では
https://www.food.gov.uk/science/allergy-intolerance
celerycereals that contain gluten (including wheat, rye, barley and oats)crustaceans (including prawns, crabs and lobsters)eggsfish
lupin (lupins are common garden plants, and the seeds from some varieties are sometimes used to make flour)milkmolluscs (including mussels and oysters)mustardtree nuts – such as almonds, hazelnuts, walnuts, brazil nuts, cashews, pecans, pistachios and macadamia nutspeanutssesame seedssoybeanssulphur dioxide and sulphites (preservatives that are used in some foods and drinks)

と、とんでもなく多い。
これらすべてのfreefromを作るのは難しいが、グルテン、小麦、乳、卵だけではなく、もう少し幅のある「○○フリー」商品群の開発、及び、それが分かりやすい棚、が求められる。

イギリスで食べたサンドイッチの原材料は、アレルゲンには太字が使われ、分かりやすくなっていた。
b0141474_03022116.jpg
サンドイッチなど、調理済み食品は特にプライベートブランドの力量が発揮されるところ。
イギリスもまだ足りていないと感じるが、日本はさらにここにもう少し配慮があるといいと思う。
日本はコンビニエンスストアのシステムがうまくできているので、一度導入すれば、かなり流通するのではないかと思う。

小売店の社会的貢献として、地域で健康推進イベントなどを行うのもいいが、もっと店舗での努力が欲しいところだ。
P&Wの代表の1人、Adrian Whiteford(エイドリアン・ホワイトフォード)氏は、こうした食品表示に対しての危惧を、普段の会話だけでなく文章化して訴えている。その話はまた別の機会に書こうと思う。


by dezagen | 2017-05-10 03:11 | プロダクト・パッケージ
プライベートブランド考5

ライター渡部のほうです。
プライベートブランドに関する雑記。その5。
プライベートブランドだけでなくナショナルブランドも合わせ、どんな商品パッケージが安そうに見え、高そうに見えるのか、を考えてみる。

この前「プライベートブランド考4」では、
そっけないデザインが安そうに見え、複雑で凝ったデザインは高そうに見える、とも言えるが、かならずしもそうではない
と書いた。

実際そっけなく安そうに見えて本当に安いものは多い。
例えば、イギリスのチェーン店ではない西アジア系(インド/パキスタン系、と書きたいのだけれど、この国を2つ一緒にしていいのか良く分からないので、とりあえず西アジア系、としておく)スーパーマーケット(大きな個人商店、と言えばいいだろうか)で見つけた1リットルの食器用洗剤。
b0141474_18410732.jpg
ラベルのLIQUIDの下に「£1.49」とすでに印刷されている。
一般的な食器用洗剤だと1リットルサイズはなかなかないのだが、383mlで£1.00以上、が普通なので、値段が安いのはすぐ分かる。
さらに真ん中のボトル上部がひしゃげているのから分かるように、ボトルもベコベコである。
液体が毒々しい割には、ボトル素材は透明で色素も入れず、極力安く作ったボトルに見える。
全身これ「安い」の例。

次にそっけないデザインの例。モツァレラチーズ。
b0141474_19203924.jpg
表にメーカー名も何もなく「MOZZARELLA」の文字、のみ。入っているのは白いプラスチックの袋で、上下をシーリングしただけの簡単な包装。
これはフランスのスーパーマーケットで見たものなので「安そうだな」と思ったのだが、€1.50の値段は意外にもナショナルブランドの中価格帯より少し安い位だった。
このパッケージで?と思うが、むしろここまでシンプルなのは、あまり量産できないもの、例えばその地域の酪農家から直接買っている、とか、そんな理由があるのかもしれない。モツァレラチーズとしては普通に真ん中の価格なので、どういう事なのか実は分からなかった。

これで、€5.00以上だったら、希少品の高級品なのだろうな、とすぐ納得してしまうだろう。
高級食材を扱う専門店であれば、素人が作ったのかな?というパッケージ、あるいは何も書かれていない透明な袋に入っている、などはよくある。

シンプルさを高級感に繋げているプライベートブランドもある。
b0141474_19412070.jpg
イギリス、ウエイトローズのピクルス類の棚。
左側の紙ラベルが巻いてあるものはessential Waitroseという低価格帯のもの。真ん中の透明なボトルに直接文字だけが印刷されているものは中価格帯のもの。ウエイトローズの中価格帯のものすべてがそうではないが、これはパッケージデザインの要素を極力減らすことで、中身を重視させる。
ウエイトローズというスーパーマーケットは高級食品だけを扱う店というわけではないが、比較的所得の高い顧客が多いのでこうしたデザインも成り立つのだろう。


by dezagen | 2017-03-11 19:58 | プロダクト・パッケージ
プライベートブランド考4
ライター渡部のほうです。

プライベートブランドにおける「安さ」感というのはどのように演出されるのか、考えてみる。
b0141474_11524305.jpg
これは、イギリスのセインズブリーズのジャファケーキ。
日本であんまり馴染みのないお菓子だが、クッキーみたいなケーキみたいな生地にオレンジジャムが乗り、その上にチョコレートコーティングされているもの。
左がSainsbury's Basicsという一番安いライン。
現在の価格を調べてみると
Sainsbury's Jaffa Cakes, Basics 135g £0.60  (£0.44/100g)
右は中間価格帯ラインで、
Sainsbury's Jaffa Cakes x12 135g £0.75   (£0.56/100g)
(写真には映っていないが、ナショナルブランドと比較すると、McVitie's Jaffa Cakes x12 141g  £1.25 (£0.89/100g))

調べていたら、様々なジャファケーキの価格比較ページが出てきたので参考まで。2014年のもの。
http://www.thevalueclub.co.uk/2014/10/today-i-did-buy-in-of-jaffa-cakes-sold.html

Basicsと中間価格帯(プレミアムラインのJaffa Cakeはなかった)では、印刷は実際にはどちらも4色を使っていると思うが、Basicsは白地が多くジャファケーキのイラストも外観だけで「そっけない」感じ。中間価格帯のものは下地にオレンジ色を敷き、ジャファケーキは中が分かる切り口があり、写真を使っている。

b0141474_12404209.jpg
こちらはフランス、モノプリのクリームクレンザー。2016年。
左側の黄色いボトルが Monoprix P'tit Prix という低価格帯。 750 m 1,00 €
隣の緑のものが Monoprix の中価格帯 ブリーチ入り 750 m 1,13 €
真ん中の白いボトルはナショナルブランドの Cif 750 m 2,27 €、隣の緑はCif ブリーチ入り 750 m 3,00 €
と表示されている。

モノプリの低価格帯はすべて、ベージュの地色にオレンジの手書き風文字+イラスト、で統一され、いかにも印刷費もコストも削減しました、という感じがする。中価格帯は文字を特徴的に使い、強い印象があるが、低価格帯のものと同じボトルを使い、特別容器を使わずにコストを削減していることが分かる。
一方、ナショナルブランドのcifはオリジナルの容器(どこから見ても左右非対称な、作りにくそうなボトル)を使い、ラベルもグラデーションを多用したイラストだ。

スーパーマーケットという場では、そっけないデザインが安そうに見え、複雑で凝ったデザインは高そうに見える、とも言えるが、かならずしもそうではない、というのを次のブログで書こうと思う。

前のブログで取りあげたテスコの紅茶も、このセインズブリーズ、モノプリも、価格帯が違うラインで、同じ会社とは思えないほど異なるデザインを起用している。それぞれの対象が異なるためである。仮に同じ消費者であっても、その時の金銭感覚や、自分用なのかお客様向けなのか、などで異なるだろうが。

実際に商品を買う時は、パッケージデザインと価格だけで選ぶのではなく、中の品質、使い心地、食品ならその味、など様々な要因から結果が導き出されるのだが、パッケージと価格のバリエーションは、スーパーマーケットという場の中にある商品のヒエラルキーを作っている。このヒエラルキーの幅は、選択の幅であり、同じ店の中であっても消費者個人個人が「私は今、これを選ぶ=この位置にいる」という選択がより多くなるようにできている。
ラインによりデザインが異なるのは、「これを選ぶ。あれではない」という選んだ物と選ばなかった物との差異をはっきりとさせる役割がある。



by dezagen | 2017-03-11 18:20 | プロダクト・パッケージ
プライベートブランド考3
ライター 渡部のほうです。

プライベートブランドを考える雑記。その3。
まずそもそも、の話が抜けていたような気がするので、私がよく見ていて、かつ、プライベートブランド文化が非常に発展している、イギリスとフランスのスーパーマーケットでプライベートブランドはどのように売られているのか、どのように安さを演出しているのか、どのように価格帯の違いを見せているのか、を改めて見てみたい。

ちょっと前にも取りあげたけれど、イギリステスコの紅茶コーナー。ティーバッグ。
b0141474_04045366.jpg
b0141474_04050013.jpg
こんな風にナショナルブランドとプライベートブランドが混在した形で売られている。
プライベートブランドがどれか、というのは分かりにくいかもしれないので、拡大すると
b0141474_04124517.jpg
一番スタンダードなライン。
Tesco 80 Teabags 250G £1.00(£0.40/100g) 80袋入りの他、袋数のバリエーションあり。

一般的なナショナルブランドと比較するとすれば、
例えば Pg Tips 80 Cups Loose Tea 250G £1.99(£0.80/100g) と比較すると約半額くらいの値段になっている。
b0141474_04124100.jpg
一番安いライン。
Tesco Everyday Value Teabags 40S 100G £0.25 (£0.25/100g)
こちらは40袋のみ。
b0141474_04080090.jpg
プレミアムライン。黒くてほとんど見えないけど。
サイズと茶葉の種類がいくつかあるが、比較目安として80袋入りのものは
Tesco Finest Fair Trade Tea Bags 80S 250G £2.69(£1.08/100g)
ナショナルブランドと比較すると
例えば Twinings 1706 Tea Bags 80S 250G £4.99 (£2.00/100g) の、やはり半額くらい。


先に「プライベートブランドがどれか、というのは分かりにくいかもしれない」と書いたのは、日本のプライベートブランドはかなり画一的で、概ねナショナルブランドに比べて白地の多い簡素なデザインなので、非常に見分けやすい。
一方、イギリステスコの場合(テスコに限らず、他のイギリスのスーパーマーケット、他のヨーロッパ諸国でも言えることだが)
ナショナルブランドもプライベートブランドもそれぞれ個性あるデザインになっているので、簡素=安そう=プライベートブランド、と単純には判断できない。「テスコ」というブランド感があるようにも見える。ただし価格を見るとかなり違うことが分かる。


by dezagen | 2017-03-11 05:32 | プロダクト・パッケージ
プライベートブランド考2
ライター渡部のほうです。

プライベートブランドのパッケージについての雑記、その2。
パッケージというよりは、プライベートブランドの利点、可能性について。

今、ヨーロッパ(私の知っている限りの話なので、イギリス、ドイツ、スイス、オランダ、北欧諸国など主にヨーロッパの北西側)のスーパーマーケットのPBで目立ってきているのが「フリーフロム free from (ラクトースフリーやグルテンフリーなど、アレルギー物質や、食餌制限のための要素を除いたもの)」や、カロリー、塩分を控えめにしたり、全粒粉で作られたりなど健康に配慮した食品のシリーズ。

スウェーデン COOP Änglamark (基本的にオーガニック食品のシリーズだが、グルテンフリーなどの食品も揃える)https://www.coop.se/Butiker-varor--erbjudanden/Vara-varor--varumarken1/Anglamark/

米国でもほぼ同様と言えるが、米国の場合、Whole Foods MarketやTrader Joe'sなど、健康配慮型の商品に特化したチェーン店の増加が目立つ。
こうした食品群は日本にもあるが、調味料から単品の食品、スナック、調理済み食品、総菜などに至って全てをカバーしているブランドはほとんどないだろう。
それぞれの分野専門のナショナルブランドではなく、総合的にブランドカテゴリーを作れるプライベートブランドだからこそ出来ることだと思う。

こうした健康に配慮したブランドシリーズの展開として考えられるのは、フィットネス機器、アプリとの連携だ。
日本と欧米ではかなり事情が異なるので、まずは欧米の事情から。
Apple Watch Nike+、fitbitや、Jawbone、withingsなどのアクティビティトラッカー、フィットネストラッカー類は歩数や運動量、睡眠時間や心拍数を計測、製品によっては体重計とも連動し、これらの数値をスマートフォンやPCのアプリで記録していき、健康管理に役立てるというもの。世界的には米国が断トツに売れているが、全世界的に普及が進んでいる。

アクティビティトラッカーアプリの多くは、食事管理のページもあるのだが、これがなかなか難しいところだ。
食品パッケージに書かれている栄養成分表を毎回丹念に手入力しているのも面倒だし、自炊している場合は素材とその計量、調理法による結果の違い、実際に食べた量まではなかなか計算できるものではない。
対応策としてfitbitやJawboneのアプリ、単体ではMyFitnessPalアプリなどが食品のバーコードを読み込む機能を持っている。英ガーディアンの記事によれば、MyFitnessPalのスキャンできる食品アイテム数は2016年1月時点で5万アイテムあるという。
プライベートブランドのパッケージの話に戻すと、フリーフロムや健康配慮食品のシリーズ群が作れている状況なので、これらの食品群とアクティビティトラッカーのアプリが連動しやすい下地が出来ている。
バーコードで読み取れるならば、ナショナルブランドでもプライベートブランドでも違いはないわけだが、消費者の目線で見ると、統一されたブランドがあることで、1)店舗で商品群を見つけやすい、2)パッケージに統一性があるのでスキャンする時にバーコードがどこにあるか分かりやすい、という利点がある。
プライベートブランドを持つスーパーマーケットやその親会社、機器類とアプリのメーカーとスポーツ施設や医療機関が連携すれば、さらに健康管理は充実するだろう。

と、プライベートブランドを活用した健康管理は可能性がまだまだあるのだが、これを日本にそのまま導入するのは無理がある。

・プライベートブランドの普及率が異なる。ヨーロッパと言っても国によって差があるが、売買高でトップのスイス53%に始まってスペイン、オランダ、ドイツ、ベルギー、オーストリアは40%超え、フランス、ポーランド、フィンランドは33%超え、イタリアは20%となっている(Private Label Manufacturers Association (PLMA)調べ 2015年発表のもの)。日本のデータが見つけられないが、5%程度と書かれている資料はあり(出典元不明)現状のスーパーマーケットや個人商店などを見る限り、これくらいのシェアでも不思議ではない。

・プライベートブランドへの意識が低い。普及率が低いのに合わせ、まだプライベートブランドの幅が狭く、価格の安さを売りにしているものが非常に多い。健康配慮型の食品群シリーズを作れる状況がまだない。(ひょっとしたら、将来的にも作れないのかもしれないが)

・食品の買い方が異なる。ヨーロッパ北西部の国々では、スーパーマーケットチェーンの種類も数も、日本に比べると極めて少ない。いつも行くスーパーマーケットがほぼ決まっていて、かつ、買い物頻度は少なく、1度にまとめ買いをする傾向がある。日本は複数のスーパーマーケット/コンビニエンスストアを使う消費者が多く、まとめ買いもするが日々、その都度必要なもの欲しいものを買い、鮮度を重視する傾向がある。

他にも様々理由はあるが、プライベートブランドの利点を活かす状況ができていない、というのは事実。
とはいえ、利点がある分野だけに、今後発展する可能性は高い。
恐らく、ヨーロッパやアメリカとは少し違った形で独自発展するものと思われる。
さて、どのように発展していくのだろうか。


by dezagen | 2017-03-08 23:50 | プロダクト・パッケージ
プライベートブランド考
ライター渡部のほうです。

このブログでは何度か触れていることだが、パッケージデザインの中でも海外、主にヨーロッパのプライベートブランド(英語ではprivate labels、と言われることが多いが、ここれはプライベートブランド、もしくはPBとする)のパッケージや、その在り方は私の課題の1つだ。
これまで十数年スーパーマーケットの商品を見てきて、そろそろ自分の考えをまとめたいところなのだが、様々な要素と国毎の違いもあるので、少しずつ、思いついたままに、考えなければいけないことを書いていこうと思う。

海外の、と書いたのは、日本でのプライベートブランドはヨーロッパのスーパーマーケット(この場合は、GMS = General Marchandise Store/総合スーパーの代表的な用語として、スーパーマーケットを使う)のそれとは異なり、あまり高い評価を受けていないためか、パッケージにもあまり発展が見られないためである。

日本でプライベートブランドの評価が低いことに関しては、別の機会に書こうと思う。
今回は、まず簡単にプライベートブランドのある利点について。

・ヨーロッパのプライベートブランドは細分化されているので一慨には言えないが、概ね同質のナショナルブランドよりも安い。
・ブランド毎にデザインを変えているため、価格帯やそのブランドの特徴が分かりやすい。
・ブランドの細分化は、価格帯(低価格帯、中価格帯、高価格帯)だけでなく、オーガニック、ベジタリアン、フリーフロムなど、消費者のライフスタイルや食餌制限に合わせ、分かりやすくなっている。
など。

また、例えばこれはイギリスのwaitroseのチーズコーナー(2013年5月撮影)。
b0141474_17262731.jpg
今は少し違うデザインになっているが、waitroseのPBではチーズの数字の表示が非常に目立つ。
これは熟成度を表す。
「3」であればマイルド、「6」はかなり熟成の進んだチーズ、という差が分かる。
「マイルドなチェダーが欲しい」とか、「今日はすごく醗酵の進んだ強いブルーチーズが欲しいけど、見た目からはどれくらいの強さか分からない」という時にはこの数字が役に立つ。

ナショナルブランドの「このブランドのこのチーズが好きだ」という場合は関係ない話だが、ナショナルブランドの場合、それぞれのパッケージデザインであるため、どの程度の成熟度なのかはパッケージのどこかに書かれた熟成度を探す。
熟成度が書いてないこともあるし、必ずしも他のメーカーと同じ表現だとは限らない。

数多くの商品がある中で、プライベートブランドは消費者が商品を決めやすいパッケージを採用している。


by dezagen | 2017-03-07 17:44 | プロダクト・パッケージ
オフィスファニチャーブランド「i+」
編集宮後です。
オフィスファニチャーの分野で新しい価値を提供してきた企業イトーキと、ヨーロッパの優れたオフィスファニチャーを日本に紹介してきたインターオフィスが共同で設立したブランド「i+」(アイプラス)。建築家でインターオフィス取締役社長の寺田尚樹さんがプロデュースとデザインを担当し、R&Dは両社で協働しているプロジェクトです。先日行われた2017年の製品発表では、テキスタイルデザイナーの安東陽子さんと照明デザイナーの岡安泉さんが加わり、より広がりのあるラインナップがそろいました。

i+の製品が初めてお披露目されたのは2016年。第一弾として、ホワイトボード、テレフォンスタンド、コートスタンドの3製品が発表されました。従来にはなかったスタイリッシュなオフィスファニチャーとして注目され、GOOD DESIGN AWARDのBEST100を受賞するなど、高い評価を得ている製品です。

それに加えて、今回発表されたのが以下の4製品。パーティション、テーブル、ミーティングテーブル、タスクライトです。

b0141474_1925118.jpg

b0141474_1925828.jpg

b0141474_193452.jpg


b0141474_1671281.jpg

パーティション(写真上)で使われている繊維素材は、安東さんが担当。靴下のように継ぎ目のない筒状に編まれており、パイプの上からすっぽりと被されています。継ぎ目なく編めるニット工場を探すところから始めたそうで、向こう側が見えそうで見えないちょうどいい透け具合が絶妙です。

b0141474_1673539.jpg

b0141474_1674013.jpg

テーブル、ミーティングテーブルは、天板が白(メラミン化粧板)、黒(アクリル化粧板)、オリーブ(リノリウム)の3色。ミーティングテーブルは長さ1800、2400、3200mmの3種類。最長の3200mmのテーブルはかなり長いのですが、真ん中で補強することなく、直径25.4mmの脚だけで支えているというから驚きです。天板の中央には、USBや電源を挿せるタップがついていて、自由に取り外しができるそう。

b0141474_1674936.jpg

タスクライトは岡安さんとの協働。インターオフィスで扱っている家具USM Hallerのパイプの直径と同じ19.1mmのスチールパイプを使用。この細さの中に電源を収めるのに苦労されたそうです。

今回の4製品が加わり、合計7製品になったことで、オフィスらしいしつらえができるようになったそう。昨年の発表では空間に置いた写真がなかったのですが、今回の発表では上のような写真(以前、このブログでも紹介した小石川のハーフハーフで撮影されたそう)が紹介されており、より具体的な使用イメージがわくように工夫されていました。

従来のホワイトボードは事務的なものが主流で、選べるデザインが限られていました。それならば、自分たちで使いたいと思えるホワイトボードをデザインしよう、とこの企画がスタートしたそうです。そうは言っても「言うは易く、行うは難し」。オリジナル家具をゼロから作る場合、初期投資もかなりかかるはず。最初のプレゼンテーション、関係部署との調整、予算とスケジュールの管理、製造時の試行錯誤など、製品ができるまでに様々なストーリーがあったかと推測されます。細い脚でテーブルを支えていたり、細い支柱の中に電気が配線させていたり、すごい技術が使われているのですが、パッと見ではそんな苦労を感じさせず、純粋に「オフィスに置きたい」と思える製品になっているところがさすがです。

GOOD DEDIGN MARUNOUCHIでの発表会は終了しましたが、こちらの公式サイトで製品の詳細を見ることができます。サイトから製品の購入も可能。
http://www.iplus-furniture.jp

カタログ撮影の様子を記録したメイキングムービーはこちら。i+のロゴおよびカタログなどのグラフィックデザインは粟辻デザインが担当。ブランド立ち上げから統一されたイメージでディレクションされています。
http://www.iplus-furniture.jp/news/2017/02/iplus-furniture-making-movie.html
by dezagen | 2017-02-09 19:28 | プロダクト・パッケージ | Comments(0)
アメリカのwell beingについて
ライター渡部のほうです。

1月初旬、ダッシュ(9日〜13日)でアメリカのオースティンとカリフォルニアのバークリーに行って来た。
オースティンでWhole Foods Market http://www.wholefoodsmarket.com の本社所在地に隣接する本店(?)を
バークリーでTrader Joe's http://www.traderjoes.com とUrban Ore http://urbanore.com を見る、のが目的。

スーパーマーケットチェーンのWhole Foods Marketは「EAT REAL FOOD」がキャッチフレーズ、Trader Joe'sは「普通の値段で“価値”ある商品を売る」がモットー、と、それぞれ「ちゃんとした商品」を売ることを目的としている。
健康を意識し、フェアトレードなど公正な取を重視し、地消地産など無駄のない流通を心がけ、と言った、ざっくり言うとwell being=身体、精神、社会的にも健康、健全な状態、が主軸になった商品を売っている2社、である。
(ちなみにTrader Joe'sの本社はカリフォルニアのモンロヴィアにあるが、今回はバークリーの一般的な店舗のほうを見て来た)

私が多く見ているプライベートブランド商品は、ヨーロッパ、特にイギリスとフランスのものを見ているのだが、最近急激に増えているシリーズが「free from」、つまり、シュガーフリー、グルテンフリー、脂肪分ゼロ、ナッツなどのアレルギー物質なし、など「○○抜き」で、より健康に気を使った商品群だ。
ただ、どこのブランドも「これだとfree fromだよね」という共通項が見つけづらく、まだ模索中な印象。
ならば健康商品先進国のアメリカの、これまたその業界をリードする2店ではどうだ、と、見に行った次第、なのだが、実はアメリカでも「free from」たるデザインの傾向、というのは見えてこなかった、のが結果ではある。

こちらはWhole Foods MarketのPBの一例。ヘアケア商品。写真では分かりにくいが上のほうでは黒丸に「Whole Foods Market」の白抜き文字。下は緑オレンジ紅青を上に乗せた黒い四角の中に「365 everyday value」の白抜き文字。
b0141474_04540607.jpg
デリカテッセンのカップ。食材のイラストとWhole Foods Marketのロゴ。
b0141474_05084787.jpg

Whole Foods Marketは個々のメーカーを大事にしているためなのか、PBはあまり多くはない。
そもそもそれ自体が小さめのデパートくらいの大きさで、その中に食品やデリカテッセン、イートインコーナーだけではなく、ヨガグッズやオーガニックコットンの衣料など幅広い商品群が揃う。それがオーガニックなのか、フェアトレードなのか、シュガーフリーやグルテンフリーなのか、などの商品情報は、それぞれの棚のサイン、もしくは店内の手書きのポップで見分ける。あとはパッケージの細かいところを見ていくしかないのだが、アメリカはパッケージの表示規制が厳しく、原材料などは老眼には辛いものがある。

一方のTrader Joe'sは、半分以上がPBで占められている。楽しさを前面に出したパッケージ(及び店内インテリア)で、イラストや手書きロゴが目立つ。とはいえ、こちらもシュガーフリーやグルテンフリーなどの表示はそんなに目立って表示されているわけではなかった。

PBが強いと言われるアメリカ。他のスーパーマーケットチェーンでは、お手頃価格になってますよ、という意味でのPB商品はすごく分かりやすく統一化されているのだが、もう少し踏みこんだ差別化はあまりパッケージに反映されていない、というのが実情だ。

今回、バークリーで行ったUrban Oreはスーパーマーケットではなく、中古建材屋である。
いやすごかった。
中は本当に倉庫。ゴミか家具か小物かさっぱり分からない状況。
b0141474_05422163.jpg
b0141474_05422191.jpg

b0141474_05422080.jpg


外にはトイレから、バスタブから、窓枠から
b0141474_05422002.jpg
ドアだけでも1000枚は軽く超えてる
b0141474_05422068.jpg

バークリーの街自体、リサイクルやエコロジー意識が高く、中心街には衣料や小物の中古屋(チャリティーショップ)、ちょっと離れたところ(とはいえ、車で10分くらい)にはこうした倉庫レベルの中古建材や中古機器屋が揃う。
こうした中古のものを見る時は、どの店でどんなものに出くわすか分からないものだ。とにかく自分の見る目だけが頼り。

中古品/リサイクルと健康食品を一緒にするのは強引だが、well beingに全部含んだとして、ひょっとするとアメリカのwell beingというのは、個人が自分で決めるものであって、チェーン店のパッケージから指示されるものではない、という前提があるのかもしれない。
例えばfree from商品のパッケージであっても、消費者1人1人がパッケージを良く見るだけでなく、店員や口コミや、あるいは実体験がベースになって、やっと選ぶもの、ということになるのではないだろうか。商品を選ぶ際にパッケージ情報に頼ることの多い者としてはかなり難関になってしまうのだが。







by dezagen | 2017-01-18 06:03 | プロダクト・パッケージ
イギリスのスーパーマーケット、waitroseのデザイン
ライター渡部のほうです。

お正月気分ももう終わり。
新年が始まってしまった。

というのに、まだ昨年末に書こうと思っていたネタが1つ残っていた。
イギリスのスーパーマーケット、wairose(ウエイトローズ)で見たプライベートブランドの話。

イギリスに行くと、プライベートブランドが大きく展開されていて、この分野のデザインは今後日本でももっと大きく取りあげられる必要があると感じる。
その模範的な例として、waitroseは秀逸。

waitroseは他のスーパーマーケット同様、ベーシック、ミドル、プレミアムのラインに+その時々の季節ものや、企画ものなどが加わる。
ベーシックなessential waitroseはロゴと手書きの風合いの強いイラスト。
b0141474_02580552.jpg

食品の種類が違うので比べにくいけど、ミドルラインの「waitrose(そのまんまだな)」シリーズは文字のみ。極力透明パッケージを使っているのも特徴的。中身が重要ということか。
b0141474_02330147.jpg

去年の4月から導入された新しいプレミアムライン、waitrose 1。
b0141474_02330617.jpg
「1」の文字を横にずっと引き延ばしていくような色帯を使って商品名の下地にし、上に細い線画のイラストを入れている。
これがあまりプレミアムに見えない、という評価も。
実際、イラストと内容のイメージが違っているようなところもあり、むしろ写真の右側に写っているビスケットを真ん中においた写真の部分のほうが堂々としていて、それらしい。

商品の品質も、デザインも評価の高いwaitroseだが、これはちょっとどうなんだろ。
これは私の推測だけれども、プレミアムラインを購入する層が30代〜40代くらいで、オーセンティックなものより、新しさを好むところから新機軸に挑戦したのだろうか。

昨年のクリスマスシリーズはイラストを大きく使ったもの。
b0141474_02332768.jpg
b0141474_02332349.jpg

企画のシリーズの1つ、シェフのHeston Blumenthalと共同開発したシリーズの1つ。中国茶のラプサンスーチョン(正山小種)フレーバーのスモークサーモン。
中国伝統衣装を着た鮭(笑)!
b0141474_02331104.jpg
同じくプレミアムラインでも、waitrose1はこんな感じ。なぜ鳩なのかよく分からないけど…。
b0141474_02331438.jpg
キッチン小物なども独自のラインを出している。ベージュ、白のナチュラルカラーとアクセントカラーに水色を起用。
b0141474_02331929.jpg
waitroseのブランドカラーは緑/黄緑なのだけれど、キッチン雑貨のアクセントカラーには若干強すぎる。企業性をゴリ押ししてないところもいい。

なんでプライベートブランド(英語ではprivate labelsということが多いけど)が今後日本で重要性を増していくか、に戻ると、
(という話はこのブログでかなり何度も書いているけど)
1)世界的に小売店(スーパーマーケット)のプライベートブランドのシェアが増えているのだが、日本はまだ遅れていること。
2)プライベートブランドのブランディングは、これまでの食品や雑貨のパッケージの作り方とは異なるため、十分にリサーチ、作り込む必要があること。

プライベートブランドに対して、メーカーから出ているものをナショナルブランドと呼ぶが、
ナショナルブランドは、例えばお菓子であれば「お菓子らしさ」、スパイスならば「スパイスらしさ」、飲み物であれば「飲み物らしさ」のシズル(写真に限らず)が求められていた。
だが、プライベートブランドの場合、1ライン作る場合、例えばwaitrose1が出た時は500アイテムから始め、800アイテムに広げる予定、と非常にアイテム数が多い。また、その中には乾物も生鮮品も飲み物も様々な種類のものが含まれる。

・幅広く展開できるパッケージのベースを作る必要があり
・かつ、ブランド感もきちんと伝え
・ブランドの中でも、上中下レベル、アレルギー物質や糖質フリーなど健康を意識したものなど、識別できる必要があり
・さらにさらに、ナショナルブランドとの違いを伝え、家で商品をストックした時に、競合(他の小売店チェーン)との違いも出せること。

この条件を見ていると、航空会社のブランディングを思い出す。
小さいものでは名刺、封筒などのステーショナリー、機内で使う紙コップから、機内インテリア、空港インテリア、大きなものでは機体まで、とものすごい幅広さ。小規模な航空会社でも何千アイテム、大手では何万アイテムというものに応用できるブランディングが必要。
また、エコノミー、ビジネス、ファースト、とクラス分けもある。

日本のプライベートブランドは、無印良品のデザインの影響力が強い。
無印良品のデザインは素晴らしい。
でもそれだけでは、どこもかしこも同じに見える。
どこで、どう個性を出し、消費者にアピールをするのか?
日本の小売店チェーンは用意が出来ているのだろうか?




by dezagen | 2017-01-06 03:23 | プロダクト・パッケージ