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ブルガリア 旧共産党の廃墟
ライター渡部のほうです。

ブルガリア3日目。遠出をして、ソフィアから200キロほど離れた、ちょうどブルガリアの真ん中くらいにある「Бузлуджа Buzludzha(カタカナで無理矢理書くとブズルジャだが、実際の発音が全然違うので、アルファベットで。以下固有名詞も同)」という場所へ。

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資料がブルガリア語で、詳細はやや不明なところがあるので概要になるが、以下のようなものらしい。
設計はGeorgi Stoilov。1974年に建設着工し、1981年に完成した建築物で、1989年までブルガリア共産党の集会に使われていた場所。
直径42メートルのUFOのような建物と塔から成り、550 平方メートルと言われる巨大なモザイク装飾はVelichko Minekov, Valentin Starchev, Vladislav Paskalev, Kantcho Kanev, Stoiu Todorov, Dimitar Boykov, Mihail Benchev, Ioan Leviev, Hristo Stefanov, Dimitar Kirov, Ivan Stoilovら、ブルガリアを代表する(とはいえ、私は1人も知らない)アーティスト約60名の手からなるものだという。
と、非常にお金も年月も手間も技術も掛けた建物なのだが、1989年の旧政権崩壊以降全く手つかずで放置されている廃墟だ。

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この2年ほどウェブ上で話題になっていた場所だったので、ちょっと行ってみようかな、という軽い気持ちで行ったのだが、遠い!1441メートルの山頂!しかも、閉鎖されている建物の、少し高いところにあるガラス窓を割った人1人がやっと入れる穴から入る、という、ひどくハードコアな場所であった。
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中に入ると見えてくるのは、大集会場。
私以外に10人ほど、主に20代くらいと思われる人が来ていた。
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周囲をぐるりと囲むモザイク画の中心はマルクス、エンゲルス、レーニン(さすがにこの人達はカタカナで書けるなあ)。レーニンの顔ははぎ取られたらしい。
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反対側は、ブルガリア共産党の政治家、トドル・ジフコフ、ディミタル・ブラゴエフ、 ゲオルギ・ディミトロフだったそうだがすっかりはぎ取られている。
部分的残っているモザイクを見るとかなり美しいものであったことがうかがえる。
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天井。屋根板がどんどん剥がれ、落ちている。
建物の中、回廊のモザイクも素晴らしい。だが、こちらも崩壊中。
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剥がれた建材、コンクリート、金属、ガラスの破片が散乱している中、コンクリートの間から草が生えてきている。
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階段の下には赤いフェルトのような布地が貼られていた様子。足下を見ると、粉状になった布の残骸が落ちている。
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大集会場の下の階。
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もはや、何に使われていたのか分からない部屋の痕跡。
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外壁には恐らくスローガンのようなもの。
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最後に正面。
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ヨーロッパの旧共産圏はまだあまり来たことがないけれど、どんなものでも政治や時間によって、受け取られ方が全く変わるということを思い知らされる。
神格化されたものはキッチュに、世界のどこにでもあるブランドは新たなステータスと変わる。

建築物としてユニーク、秀逸なものでも、生き残るのは難しい。
高い高い山の上の天辺に、権威を示すために作ったものも、手つかずになればあっという間に自然に浸食されてしまう。たまにこういう劇的な変化の名残、常識の覆りを見たくなる。
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それにしても、車を運転していたのは私ではないとはいえ、いやはや疲れた。
by dezagen | 2014-08-25 13:21 | インテリア