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最近の雑誌について思うこと
編集宮後です。
編集者にとって、ゴールデンウィークは楽しみというより印刷所が止まってしまうという恐怖週間でしかありません。かくいう私もGW前に駆け込みで校正を戻したばかりです。

さてさて、この時期多い話題は、雑誌のリニューアル。特に、雑誌の小型化と制作スタッフ総入れ替え的なリニューアルが最近目立つ傾向でしょうか。

雑誌の小型化は、少し前から女性誌で始まりました。A4変型という従来の女性誌のサイズだと、大きすぎてバッグに入らないということで、同じ内容を小型化したミニ版が従来サイズと同時に流通するように。「どちらか読者が好きなほうを選んで買ってね」という戦略です。

出版社側の都合でいえば、小型化することで紙代も減らせるし、同じコンテンツを流用できるし、そのまま電子書籍にも展開できていいことづくめのようですが、はたして大小2サイズを同時刊行するほど読者ニーズはあるんでしょうか。読者が小さいほうを求めるのであれば、従来のサイズを廃止して、ミニ版だけでいいのでは?と思ってしまいます。

と思っていたら、男性誌の『HUgE』が判型自体を見直してミニサイズになってました(22.6 x 17.8cm)。アートディレクションはタイクーングラフィックスが担当。HUgEなのにミニサイズていいんだろうかという疑問はさておき。

小型化といえば、最近創刊された『Mart』の別冊雑誌『Sprout』。こちらも22.6 x 17.8 cm。iPad対応なのでしょうか?A5とB5の中間だから、紙の取り都合的には微妙なんですけれど、写真もそこそこ大きく載せられるし、誌面作りをしやすいサイズなのではないかと思います。

もう一つの特徴が編集長&ADごと入れ替える雑誌リニューアル。『芸術新潮』『anan』などが入れ替わりましたね。芸新は5月号からロゴも変わりましたよ。
http://archive.today/rT7Ea

今雑誌を創刊しようとしたら、今までにないジャンルのもので、編集長が1人でつくるのが面白いんじゃないかと思います。東京23区を1区ずつ特集していく雑誌『TO mag』や新しい文藝雑誌『mille』もそうですね。どちらも書籍コードで刊行されています。

実際に書籍1冊分の予算で本当に雑誌ができたので、まったく問題ないですよ。会社で雑誌コードを持っていなくても広告を入れずに書籍コードのまま定期刊行すればいいので。
(雑誌コードとは取次に定期刊行化を認められた媒体のみにつけられるコード。定期刊行しないものは、通常、ISBNから始まる書籍コードで刊行される)

つまらない本をつくるくらいなら、センスがよくて、やる気と体力がある若者にポンとお金渡して好きにつくってもらったほうが結果的に面白くて売れるものがつくれると思うんですけどね。荒削りでもいいので、そういう雑誌をもっと見てみたいです。
by dezagen | 2014-05-03 23:57 | | Comments(0)