編集宮後です。
ずっと気になっていた世界最小級ブロック「ナノブロック」。
サイズはダイヤブロックの1/8の体積、
1つのポッチが4mmという驚愕のミニサイズブロックです。
(写真提供:株式会社カワダ)
玩具でありながら、シンプルで洗練されたパッケージデザインが
すばらしいな〜と以前から注目していたのですが、
その製造販売元である株式会社カワダ 販売促進課の藤木義貴さんと
開発課の高橋大佑さんにお話をうかがうことができました。
ナノブロックのロゴ、パッケージデザイン、
ブランディングは誰がどのように行っているのでしょうか?
そもそもナノブロックが発売されたのは2008年10月末。
小さいブロックができないかと20年前に
社内でつくった試作がきっかけで生まれた商品だそう。
団塊の世代が引退する頃に大人向けの玩具を発売するべく
2006年頃から開発がスタートしたそうです。
同社の定番商品であるダイヤブロックは子供向けですが、
このナノブロックは大人向けということで、
最初は団塊世代の男性が好みそうな戦艦大和と、
パーツを自由に組み合わせられる基本セットを発売することに。
その後、女性向けのシリーズを発売。
ハートと天使、バースデーケーキなどのかわいらしいモチーフ、
カラフルなパーツが瓶に入ったパッケージが女性にうけて、
好感触が得られたそう。
続けて2009年4月に動物のシリーズを発売。
動物の人気度、カラーバランスを考えて、セキセイインコなど
6種類の動物をチョイス。
雑貨店やインテリアショップでも売れることを意識して、
透明の袋状のパッケージに入れました。
キャチーな外見と700円代という買いやすい価格が受けたのか、
東急ハンズやロフトにも販路を拡大していきます。
以降、東京タワーや浅草雷門などの名所を集めた情景コレクションシリーズや、
ハローキティなどキャラクターとのコラボレーション商品など、
次々と新しい商品が登場。現在ではレギュラー商品約60種類、
コラボアイテムを含めると約130種類の商品が展開されるまでに成長しました。
発売から4年経ち、ますますアイテムが増えているナノブロックですが、
いずれの商品にも必ずロゴを入れ、
パッケージまわりのデザインも統一感を出しています。
ナノブロックらしさとしてはずせないパッケージデザイン要素をうかがったところ、
・ シンプルであること(パッケージにいろいろな情報を入れすぎない)
・ 完成写真のまわりに十分な余白をとり、もののよさを引き立てる。
・中身(ブロック)が外から見えること
を意識しているそうです。
玩具といえば、隙間がないくらい情報満載のパッケージが多いなか、
ナノブロックは驚くほどシンプルで、よけいな要素がないのです。
白地にナノブロックのロゴと完成写真というシンプルなパッケージは、
最小限の要素で必要な情報を伝える強いデザイン。
今後、どんなシリーズが出てきても、
このパターンで統一感のある強いイメージをつくることができそうです。
ナノブロックは、アメリカ、ヨーロッパ、アジアにも
輸出されているそうですが、パッケージのデザインもほとんど
変えていないそう。世界にも通用するデザインなんですね。
共通でロゴタイプは6案に絞られた中から選ばれました。
発売当初のロゴよりも現在のほうが字間が広く、
よりロゴらしく変更されています。
で、肝心の「これ、誰がデザインしたの?」。
ナノブロックのロゴデザイン、パッケージデザインは
外部の制作会社PAM(パム)が担当し、
全体のデザインディレクションとブランド管理は
社内で行っているそうです。
先日、東京スカイツリー® 足元にある商業施設「東京ソラマチ」内に
できた直営店「ナノブロックストア」の監修も社内で担当。
パッケージから空間デザインまで、
統一されたブランディングが印象的でした。
このブランドイメージがぶれずに展開されていれば、
どんなにシリーズが増えても、海外に広がっていっても、
強いブランドになることでしょう。
そんなことを考えさせられた取材でした。
ナノブロック
http://www.diablock.co.jp/nanoblock/