飛行機は飛んだ。飛ぶか、そりゃ。富士山方向に飛んだ。視界が良好で、しかも丹沢山脈ですでに壮観な景色を浮べていたので、升と2人で富士山チェックを楽しみにしていると、あっけなく富士山通過しちゃっていた――反対側の窓からしか見えなかったのだ。 国際線はすごい。お得。お得かどうかはわからんが(だって勿論、値段に盛り込まれているだろうから)、2時間半のフライトなのにがっつりした食事が出る。しかも既にキムチが美味い。極めつけは「チューブ」だ。機内食の中に歯磨き粉のような、昔で言うと駄菓子屋のチョコペーストのようなチューブが一つ含まれている。なんだこりゃと思うと、「KOREAN RED PEPPER PASTE」と描いてある。つまり「コチュジャン」である。醤油のように、コチュジャン。機内の韓国人は、みんな白米の上にベターッと塗って食べている。勿論やったよ。すげえ美味しい。というか、瞬時に韓国食に染まった。僕はその時、少なくともその時だけは本気でこう思った。―――「世界を分けるのは国境じゃない。国を示すのはすなわち“味噌”だ」と。