嫌いなモノじゃダメなの?
自分を軸にして書きはじめよう。そのためには、自分の好きなモノから書いてみよう。
という流れで進んでいます。
「嫌いなモノじゃダメなの?」
という質問をもらった。
嫌いなモノのことを、あれこれ、ついつい考えちゃうタイプなので、嫌いなモノを書くんじゃダメなの?
うーん。どうなんだろう。
もちろんブログで、そういったことを書いている人もいる。
嫌いなモノや、気に入らない意見に対して、あれこれ書くといったタイプのものだ。
そういった毒舌で人気になっているところもある。
だけど、やはりぼくは、嫌いなモノじゃなくて、好きなものからはじめることをオススメする。
山岡さんはウインドウズが嫌いなの?
『美味しんぼ59巻』に「マルチメディアと食文化」というエピソードがある。
『究極のメニュー』のサイトを作れという大原社主の命令が出る。月賦でマッキントッシュを買った山岡さんは担当者のところに行く。
そこにはウインドウズマシンが!
担当者藤村さんのイヤミに対して、ついこんなことを言ってしまう。
「『ウインドウズ95』なんて大騒ぎしたけど、5年まえのマッキントッシュにも追いついていないよ! おまけに、ほら、その画面のダサくてみっともないこと、まともな美的感覚があったら使えたもんじゃない!」
山岡さん、えらそーです。攻撃的です。
担当の藤村さんも、カッとして言い返します。
「だが、今やウインドウズは圧倒的な多数派だ。マッキントッシュは少数派じゃないか!」
山岡さん、再反論。
「だからさ、マッキントッシュという優れたシステムがあることを知らないばかりに大勢の人間がコンピュータでくろうしているのが二十世紀の悲劇のひとつなんだけど、藤村さんもその一人ってことさ」
二十世紀の悲劇!
おおげさで、感情的になってきました。
藤村さん、とうとう「バカヤローーッ!」。
山岡、止まりません。
「そんなもの使う奴はマゾヒストだね、だからあれはMS-DOSじゃなくて、SM-DOSってんだ!」
当然、
「おまえたちには協力しない! 出て行けー!」
と言われ、最初の目的である『究極のメニュー』のページ作りは失敗に終わります。
もちろん漫画は、この後、美味しいモノを一緒に食べて、蘊蓄が語られて、仲直り。
しかも、実は藤村さんもマックユーザーで、ウインドウズ機は前の担当者が置いていったものだった、というオチまでつきます。
最初から、マックが好きなんだって語っていたら、こんな喧嘩をせずにすんでましたね(でも、それでは漫画にならないのか)。
このように、「嫌い」のパワーで何かを言うと喧嘩になりやすい。
また嫌いなモノについて批判する場合、おうおうにして人はえらそうになってしまう。視野狭窄に陥りやすい。
何かを下に見ているように読めてしまう。それを回避しながら冷静に書くのは、とても技術が必要です。だから、はじめは避けたほうがいい。
自分がえらいんだと勘違いして、キーキーと批難を繰り返すような文章を書いている人は、ネット上に多くいます。でも、かっこ悪いよね。
嫌いなモノについて書いた場合、気分を害した人から反論される場合もあるでしょう。好きだ、嫌いだという点で議論になると、感情に流されて、喧嘩のようなやりとりになる可能性もある。そのときに、嫌いな理由を考えたり、述べたりすると、つかれる。ダークな気分に支配される。
もちろん「好き」のパワーで何かを書いているときも人は視野狭窄に陥りやすい。でも、「嫌い」って言うときほど、喧嘩になったり、嫌な思いをする可能性は低いし、それを回避する書き方はそんなに難しくない。
また、喧嘩にならなかったとしても。
ブログには、
取り上げたことに関する情報が集まってくる性質がある。
嫌いなモノを取り上げて、同じモノを同じように嫌いな人が、それを補強する情報や、そうそうというコメントを寄せてくれるかもしれない。
あなたは、嫌いなモノを集めたいのだろうか?
どうせなら、好きなモノについて書いて、好きなモノについての情報を集めたほうが、楽しいと思う。
最初のうちは、嫌いなことよりも、好きなことを探して書くことをオススメです。
お題4
さて、お題です。
■ウインドウズユーザーの人へ
美味しんぼの山岡士郎さんのような人に、ウインドウズマシンの良さを伝えるために、ウインドウズの良いところ、もしくはウインドウズで動くおすすめソフトを紹介してください。
■マックユーザーの人へ
美味しんぼの山岡士郎さんのような人が読んでいることを意識して、マックのよさを語ってください。
■それ以外の人へ
美味しんぼの山岡士郎さんに自分のマシンの良さをオススメしてください。
例によって、正解とか優劣を決定するわけじゃないので、設定や制約は自分で決めること。
よろしく。
ご回答2
ゴーストが あらわれた!
ああああが みがまえるより はやく
ゴーストは おそいかかってきた
コマンド?
ゴーストの こうげき!
ああああは 3ポイントの
ダメージを うけた!
ああああの こうげき!
かいしんの いちげき!!
ゴーストに 9ポイントの
ダメージを あたえた!
ゴーストを たおした!
けいけんち 3ポイントかくとく
4ゴールドを てにいれた!
ああああは レベルが あがった!
という「ドラゴンクエスト」(1986年)の戦闘シーン・メッセージを、自分が体験したことだと考えて、書き直してみよう。
といったお題でした。
以下、ぼくが書いてみた回答。また例によって、課題を出したあとすぐに書いてみたもの。
突然、ゴーストが出てきたと思って、おどろいて、ひっくり転けて。ダメージ大きかったけど、反撃のつもりで立ち上がりながら「飛び出してくんなよな!」って言ったら。飛び出してきたのは、実は綺麗なおねえさんで。
「だいじょうぶですか」
とか言われちゃったんで。
「もぉ、びっくりしましたよー」とか口調がちょっと変わったりして。
立ち上がるときに、ちょっとヨロってしたら(わざとじゃないけど、会心の一撃だった!)、支えてくれて。なんだかんだで、そのまま呑みに行って。「いい、いい」って言うのに、おごってもらいました。ちょっと大人になった夜。
うーん。やはり、ゴーストと対決したことがないから、自分が体験したことだって書くのは難しい。
ゴーストじゃなかったってことにして、ありそうな出来事に変換するぐらいしか、しっくりする書き方は見つけられなかった。
ストレートに自分体験で果敢に挑戦してくれたのは、
日々のアレコレ さん、
Seasons of Loveさん。
イチニクス遊覧日記さんは、ストレートなものと、ヒネった回答と。
*君のいない地平線* さんもストレートだけど、本当にゴーストだったのかな?って感じをだしてリアリティが出てる。
日々観望さん、
山月記 〜滴了庵日録〜さん、自分を軸にってお題を超えて、ほとんど短編小説、力作。
23mmはてな日記 さんは、ストレートチャレンジの後で、「RPGと私」って、改めて自分を主語にして、このことについて書いている。お題を超越してるけど、このテキストが、まんまんなかの自分を軸にした文章だと思う。
Welcome To Madchesterさんは、ドラゴンクエストテキストを挿入しながら、それをプレイしている自分を描写。そ、そうか。その手があったか。アイデアの勝利です。
なかなかの難問だったと思いますが、いろんなアイデア投入してチャレンジしてくれて嬉しいです。では。