BKライブの夜の部には「夜の部の世界観」をあらかじめ知る事が出来る小冊子がついています。
一応、3月までやるステージは、狼男とヴァンパイアの話。
その設定や時代背景を先に知っておいてもらえるとうれしいなぁと。
ヴィクトリアン好きとかには突っ込みどころが大きいですが
19世紀好きーーには、楽しいキーワードをちりばめてあります。
この小冊子の設定に基づいて、BKの夜のライブは行います。
セットリストは同じですが、演出やセリフのニュアンスなど
皆の想像の翼で登場人物の一人になったように楽しんでほしい。
BKの夜の部ライブに来る皆様は、BKの夜の眷属(BKチルドレンオブナイト)の一員という設定です。
夜会に参加する魔女、闇の色々な生き物が人間に姿を変えて、BとKと共に人間観察をしたり、3次元ではないものを感じとるのが、夜の部のツボです。
昼夜の通し券を購入すると、+大人向け、学生向けのこの設定の携帯小説と待ち受け画像がついてきます。
大人向けはけっこう腐向けぎりぎりですが、NLも推奨しているので、どちらの心で見ていただいても構いません。
前回の小冊子のお試し抜粋はここ→
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1816867024&owner_id=20525155
★今回の小説お試し抜粋★
「BK-Gothic Romance 吸血鬼&狼男編」
バレンタインデーの夜
文責 BABI
※登場人物を演じる「B」と「K」としていますが、
特定しません。仮名称です。御自由に想定して下さい。
【1】
謝肉祭を数週間後に控えた、ある年の二月十四日。
「K」は「B」に呼びだされ、フランスのパリ郊外にある「B」の屋敷へ向かった。
「B」の…正しくは「B」の養父である伯父の居城も領地も、もっと南に下った田舎にあったが、有産階級の彼はパリやリヨン、マルセイユなどの近郊にいくつか屋敷を持っていた。
一方、「K」は普段ロンドンの離れで暮らしている。地続きではないイギリスとフランスを行き来することは、十九世紀の交通事情ではそれなりの時間を要した。だが、それはあくまで人間社会の不都合であり、「B」と「K」の交流に大きな差し支えとはならなかった。
なぜなら、二人は由緒正しき魔族の末裔だからである。
彼らは闇から闇へ疾走、あるいは飛翔する能力や、道具を持っていた。
凍てつく吹雪の夜半、「K」は御者もいない黒馬六頭立ての漆黒の馬車から、「B」の屋敷の前に降り立った。
「K」は、馴染みの老執事やメイドに迎え入れられた。
深くお辞儀をしている年配の灰色の毛並みの執事に、薄く雪をかぶった外套を押しつけながら
「わざわざ俺を呼び出しながら、あいつは迎えにも出て来ないようだな」
と、軽く呆れた。
吹き抜けの高い天井、大理石の床の広いロビーに「B」の使用人たちがずらりと並んで、低頭している。もはや「K」の前では狼の姿を隠さない執事以外、黒と茶を基調とする揃いの服にきちんと身を包んでいた。無表情ながら彼らの礼儀は行き届いている。しかも皆、美男美女で豊かな美しい褐色の髪を持ち、やや面差しも似通っていた。切れ長の瞳のその鋭い輝きを見れば、人の姿をした彼らもまた夜の一族、すなわちルー・ガルーの眷族であることは一目瞭然であった。
中略
【3】
「……『B』、貴様は普段、何の慈悲の心も持たずに人間をなぶり殺すくせに……。お前が残虐なんて言うと面白いな」
「K」が皮相に笑えば、「B」が口をへの字に曲げる。
「俺の行動は、俺の内なる狼の血の生理的なものだ。食事をするライオンが獲物の内蔵を生きたまま食らうのを残酷な行為と思わないのと同じだ。だが、人間は同族をいかに苦しめて殺すかを考えた拷問具なんかも平気で作り出す。俺たち魔族の前では被害者ぶるが、食料としてではなく、ただの遊びの狩猟でも獣を殺すだろ」
「ふん、まったくだ。その上汚らわしくも、老いも若きも好色ときている」
「K」が大きく頷くと、今度は「B」が驚いたように目を丸くして噴き出した。
「おい、『K』、そいつは少し違うぜ。お前のその容姿で、色に惑わない者がいるものか。そうでなきゃ、御婦人方の首筋には近づけないだろ、ハハハ!」
「茶化すな」
「K」は、苛立ちのままにぎりりと乱杭歯で歯ぎしりをした。
己の容貌容姿が、他人にどのように映っているか。
過小評価はしていないが、過大評価は尚更していなかった。ヴァンパイア一族は皆美しい。自分だけがとりわけ抜きんでているわけでもない。
「B」はいつでも恥かしげもなく大っぴらに褒めるが、それはただ彼が漆黒の髪を好んでいるからにすぎないと思われた。金髪で軽いくせ毛の「B」は魔族にしては甘さがあるが、かえってそこが人間の女性に人気があるのも知っていた。
人間社会に溶け込んで暮している自分たちは、上流階級のパーティーにはしばしば顔を出していたが、「B」の人気が自分に劣るとは思われなかった。
2/12ライブ夜の部参加者用小冊子に続く