execitemusic
本レーベルは、Excite Music Store及びモバイルコロムビア上で先行独占展開され、配信される楽曲は、国内で入手が困難な高いクオリティのアイスランド楽曲を幅広いジャンルで集めていきます。
レーベルリリースの第1弾は、ヨーロッパでは名高いアイスランドJAZZを展開、第2弾は、アイスランドPOPS、第3弾は、アイスランドクラブミュージックを展開していく予定です。
小倉悠加
(おぐらゆうか Yuka Ogura)
70年代半ば洋楽に目覚め、単身アメリカへ留学。大学時代から来日アーティストの通訳に従事し、レコード会社勤務を経てフリーに。以来、音楽業界で幅広く活動。カーペンターズの解説の殆どを書いているためカーペンターズ研究家と呼ばれることも。2004年自らアイスランドの音楽を扱うアリヨス・エンタテイメントを設立。ミュージック・ペンクラブ会員。
小倉悠加

S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
『静寂の余韻』は心に効く音楽サプリ
心に効く音楽サプリ

 いつもICELANDiaのブログにおいでいただき、有り難う御座います。今日のお題は「心に効く音楽サプリ」としてみました。
c0003620_10356.jpg

 病気の諸症状に様々な成分の薬効くように、音楽も心のサプリになります・・・って、”当たり前じゃん”と突っ込まれそうですね。世の中にはヒーリング音楽と自ら名乗ってシリーズ化されているものもありますし、例えばモーツアルトの作品の、特定の周波数だけを強調して脳を活性化させるというものも音楽のサプリの一種でしょう。悲しい時に励ましてくれる音楽、力が有り余っている時にエネルギーを発散させてくれる激しい音楽、それがどのような音楽であれ、心に何かの効用をもたらしてくれるのですから、音楽は想像以上に人間の感情と健康に関わっているようです。

 現在の自分の心と身体の健康に、今どんな音楽が効くのか?そんなことを考えて音楽をセレクトしたことがありますか?また、実際に自分自身で音楽が本当に自分の心と身体の健康に効いているのかもしれないと感じたことはありますか?音楽はあまりにも当たり前に日常にあり、だからこそ気づきにくいものですが、音楽を耳にした時、それを聞いてどう思うのか、自分の心の声に問いかけてみると面白いかもしれません。

 時々無性に、例えばゆでタマゴが食べたくなったりしませんか?そんな時は身体にタマゴの栄養素が不足していることが多いのだそうです。また、いつも化学調味料のきいたカップスープばかりを飲んでいると、天然素材だけで作ったスープに物足りなさを感じたりしませんか?

 音楽にしても、流行っているから、人気だから、話題だから聴くのもひとつの方法ですし、話題になるからこそ聴く機会が持てるのですから、それはそれで素敵なことです。でも、音楽のマイブームというか、こういう気分の時にはこれ!という自分だけの、おまじないのような音楽を持ってみたいと思いませんか?特にストレスを解消し、ゆったりとした気分になれる音楽を。

 オスカール・グジョンソン&スクリ・スヴェリルソンのアルバム『静寂の余韻(After Silence)』は、私がこの10年間に聴いた中でも、数少ない大好きなアルバムです。ICELANDiaを設立したのも、こういった音楽をみなさんにお聴かせする機会をつくりたいと考えたことからでした。

 それでも、このアルバムは最初からひとめぼれ!という音楽ではなかったのです。初めて聴いた時、なんと地味なんだろうと、地味すぎて全曲同じに聞こえたほどでした。でも、どうしても一度聴いただけではやめられず、バックグラウンド・ミュージックというより、ホワイトノイズのような感覚で毎日流していたところ、結局はその音楽のペースにハマリ、今ではストレスを感じた時に必ず聴く音楽となりました。

 なぜこの『静寂の余韻』がマイ・ブームなのか。それは、実際にアイスランドへ何度も足を運び、あの清々しい土地の雰囲気を全身で感じた体験がよみがえるという個人的なこともありますが、音の隙間から漏れ聞こえるオスカールのサックスの息づかいや、丁寧にポロリポロリと1音ずつ音符を重ねていくスクリのギターに、人間味あふれる温かさと表情を感じるからです。音が奏でられる瞬間瞬間を、ゆっくりと追いながらじっくりメロディを楽しめる空間がそこにあります。心の奥の奥からほっとするそのひとときは、今までに聴いたどの音楽にも感じたことのない不思議な感覚で、このアルバムを聴くうちに、私は自分の呼吸がゆっくりしていくことをいつも感じます。

 サブリミナル音楽を試したことがありますか?音楽のどこか(人間の耳に聞こえない高周波でしょうか)にポジティブな言葉が吹き込まれていて、くり返し聞いているうちに、心がポジティブになっていくのだとか。ヒーリング音楽と称するものも聴いてみました。個人の趣味といえばそれまでですが、どうもそういった音楽は化学調味料的な味がぬぐいきれず、「これを聴けば心が楽になるはずだ」と自分に言い聞かせながら毎日日課にして聴いた時期もありましたが、結局は虚しいだけでした。第一、電子楽器の音はどうもトゲトゲした感じがあって、私はなじめません。ポップスやロックに使われている電子楽器音は好きなんですけどね。それから例外的に宮下フミオさんの音楽は好きでしたが。

 モーツアルトが「頭の良くなる音楽を作ろう」と思わなかったように、オスカールとスクリもヒーリング音楽を作った覚えはないことでしょう。でもこのアルバムはストレスの多い現代に、ゆっくりと呼吸をする時間を運んでくれます。追い立てるようにリズムを刻むことはなく、美しいメロディのゆらぎで全身を包んでくれます。このアルバムを聴いて、最初に私が思ったように、地味だとかツマンナイとか感じたら、もしかしたらあなたは日常の刺激の強い音楽に毒されているのかもしれません。

 人の趣味や感じ方は千差万別。巨大バジェットのハリウッド大活劇が好きだという人もいれば、性格俳優がいぶし銀の演技を光らせる映画の方が面白いという人もいるように、音楽もその時の気分で上手に”使い分け”ればいいことです。ストレスが溜まったなと思った時、何となく疲れたなと感じる時、オスカールとスクリの『静寂の余韻』を是非ご試聴ください。気持ち良い生活に、ICELANDiaの音楽を!  (小倉悠加)c0003620_22263649.jpgc0003620_13213440.gif


# by icelandia | 2005-02-22 03:07 | Jazz | Comments(1)
ICELANDia、「着うた」で活躍!
いつもこちらのブログにお寄りいただき有り難う御座います。今週はずっと更新できなくてごめんなさい。でも、ひとつニュースがあります。

ICELANDiaが 着うた に登場しました!!!


c0003620_21193250.jpg

ICELANDiaの音楽を着うたでもお楽しみください。
モバイル・コロムビア<http://m.columbia.jp>には携帯でアクセスを。

Excite Music Storeにアップされたもの全てが着うたで揃うわけではありませんが、ICELANDiaの音楽をあなたの身近なところに!!


          (小倉悠加)c0003620_22263649.jpgc0003620_13213440.gif


# by icelandia | 2005-02-17 21:26 | News | Comments(1)
ICELANDiaスキン登場!
 ICELANDiaのスキンが登場しました!豪快な大自然のスキンが3パターン。どのスキンもそれぞれに個性があり、アイスランドの誇り高い大自然をしっかりと伝えています。Exciteさん、有り難う御座居ます!
 2月の現時点ではちょっと寒い感じがしないでもありませんが、これから春、夏に向けて、荒涼とした雰囲気は見た目に涼しく、さわやかな気分を楽しんでいただけることでしょう。みなさん、ぜひお使いください!(小倉悠加)c0003620_22263649.jpgc0003620_13213440.gif
# by icelandia | 2005-02-09 03:01 | News | Comments(2)
親しみやすいメロディ満載:『鏡の中のアイスランド』
c0003620_1501557.jpg今回の『岩浪洋三、アイスランドジャズを語る』は、ヨーエル・パルソンです。
-----------
『鏡の国のアイスランド』ヨーエル・パルソン/エイソール・グンナルソン

アイスランドのジャズにはとてもデュオの演奏が多いのに気づく。それはシンプルな素材でナチュラルな演奏を好む国だからであろうか。そのため、なにか日本の民謡や童謡を聴いているような気分になり、親しみがわいてくるのである。もともと日本や東洋は昔はそれほど複雑なハーモニーが存在したり、好んだりした国ではなかったからだ。その意味ではアイスランドのジャズはなにか日本人の肌に合うところがある。とくに美しい旋律を好む点においても・・・。

このアルバムもじつはデュオであり、若手のテナー・サックス奏者ヨーエル・パルソンと中堅ピアニストエイソール・グンナルソンとの二人によって演奏されている。

テナーのヨーエルは1972年のアイスランド生まれで、9歳でクラリネットを学び、15歳で策すを吹くようになったという。そして自国で音楽教育を受けたあと、92年にアメリカのバークリー音楽に留学し、優秀な成績で94年に卒業している。アメリカで学び、プレイしただけあって、彼のサックス・プレイは技術も優秀だが、音楽的にもインターナショナルなものを持っており、プレイもレベルが高い。今人気のアメリカのテナー、エリック・アレキサンダーと比較しても遜色がない。本アルバムでは、アイスランドのスタンダードというか民族性の強いナチュラルな音楽を演奏しているが、モダン・テナーのジョン・コルトレーンあたりの進歩的なテナー・プレイヤーの演奏も十分消化した上でのプレイであり、随所でモダンなテナーのフレーズも聴かせてくれる。

ヨーエルのテナーは実によく歌っており、表情が豊かで繊細であり、バラードの演奏におけるニュアンスに富むプレイには、とくに心を惹かれるものがある。

このアルバムの原題は『SKUGGSJA』となっているが、”鏡”の意味だそうである。そこで、原題を少し意訳してアイスランドのポピュラー音楽の歴史やアイスランドの人々の生活を反映した音楽ということで、『鏡の国のアイスランド』にしたそうだが、そうすることによって、このアルバムの演奏が想像できるようになった。

アメリカのジャズには、ジャズの素材となるさまざまなスタンダードがあるように、アイスランドにはアイスランドのスタンダードと呼ぶべきスタンダードがあるようだ。そしてどの曲もアイスランドの美しい大自然を反映しているように感じるのは、ぼくだけだろうか。

このアルバムはヨーエルの4枚目に当たるアルバムだそうだが、彼が参加したアルバムは50近くもあるといわれる。またヨーロッパ各国を広く楽旅しており、フランス、ドイツ、英国、ノルウェイ、デンマーク、スエーデン、グリーンランドなどで演奏したことがあり、アメリカは勿論カナダでの演奏経験ももっている。

本作は第4作だが、彼のデビュー盤は『Prim』で、Naxosから世界に向けて発売された。第二弾は『Klif』はギターを加えたカルテットで吹き込まれ、2001年アイスランド音楽賞で、ジャズ・アルバム賞を受賞している。第3作は2002年に『Septett』と題されて発売され、やはりジャズ・アルバム賞を受賞している。このアルバムには師匠のサックス奏者シグルズール・フロサソンも加わっていた。

昨年の彼はサックス、ベース、ドラムスというトリオでジャズ・パンク・グループGramを結成してニュー・サウンドに挑戦した。一方でメゾフォルテのヨーロッパ・ツアーにも参加している。本作『鏡の国のアイスランド』では、このメゾフォルテのピアニスト、エイソール・グンナルソンとの共演であり、息もぴったりと合っている。エイソールのピアノは大変ピアニスティックで、センスのいいリリカルなプレイをみせているのがとても印象的である。ピアニストの”ツボ”をおさえた相の手がみごとであり、ベースやドラムスがなくても、安定した、バランスのいい広がりのある音楽を生み出している。ジャズのフィーリングも豊かだが、クラシックで鍛えたたしかな腕前と格調の高さも魅力だ。
このアルバムは演奏もさることながら、演奏曲の親しみやすさと旋律の美しさに注目したい。

まず一曲目の「カントリーサイド」に驚かされる。まるで日本の歌謡曲のようでもあり、またミッシェル・グランが書いたポップスのようでもあり、メロディは憶えやすくて美しい。なんでもアイスランドの国民的歌手Elly Vilhjalmsのために書かれた曲という。

「ディマリムの歌」はソプラノ・サックスで幻想的に奏でられるが、アイスランドの有名な物語で、子供用の絵本にもなっているという。確かに愛らしい曲だ。

「泣かないで」のちょっともの悲しいメロディも日本人の感性にぴったりの曲だ。心にやさしくひびく曲でもある。テナーの合ったかなひびきに包まれると、ふしぎに心が解放される。旋律はどこか日本の民謡風だ。

「スヴェン・ギー・エングラー」も大自然と調和するサウンドで、ジョー・ザヴィヌルが作曲し、マイルス・デイビスが演奏した「イン・ア・サイレント・ウェイ」とダブって聴こえる。ザヴィヌルの曲はオーストリアの羊飼いのメロディだった。なんでも「スヴェン・ギー・エングラー」はシガーロスの新作『()』の曲だそうだが、余韻の美しい曲で、このアルバムの中でもいちばん感動を覚えた演奏だ。

「シークレット」も同様のきれいなメロディをもったバラード。Datar & Runar Gunnarssonがヒットさせた曲だそうだ。このテナー・デュオにぴったりのフォーク的な佳曲だ。

「水から贈られたバラ」はアイスランドのトラディショナルだそうだが、この国の人気者ビョークのヒットで、Hector Zazouのアルバム『Song from the Cold Sea』で歌っている。ここでヨーエルが吹いている低音楽器はバス・サックスであろうか。エイソールのリリカルなピアノの役割も大きい。

ビョークといえば、「少年ヴィーナス」はビョークのオリジナル。シンプルだが、魅力的なメロディだ。

「共に旅して」はコール・ポーターの「イッツ・オールライト・ウィズ・ミー」をスロー・テンポで演奏したら、こうなるといったメロディだ。

ラストのメガス作曲の「ふたつの星」にしても、どれもアイスランド的メロディというのだろうか、大自然と調和する曲ぞろいで、いずれもアイスランドの人々にとってはなじみの深い曲のようだ。ちょうど、アメリカのミュージシャンがアメリカのスタンダード・ナンバーをジャズ化するように、アイスランドのジャズメンにとっては、このアルバムの曲がスタンダード・ナンバーに当たるのであろう。聴いているうちに、どの曲もみんな好きになってしまった。c0003620_23245028.gif
-------------
  このアルバムはこちらで試聴できます。
 御購入はこちらからどうぞ。
# by icelandia | 2005-02-08 01:59 | Jazz | Comments(1)
速報!アイスランド音楽賞
2005年2月2日、アイスランド音楽賞が発表されました。
アイスランドの新聞の速報で見た情報ですが、残念ながら私はアイスランド語がわからないため、以下は「たぶん」でしかありません。特に最後の2部門は、受賞者から内容を判断したので、間違いを見つけた方はどうぞ遠慮無くご報告ください!

ポップ・アルバム賞
 ムギソン『Mugimama, Is This Monkeymusic?』
ロック・アルバム賞
 ヒャルマール 『Hljodlega af stad』 
ポップ・アーティスト賞
 ブッビ・モルテンズ『Tviburinn』 
男性ヴォーカリスト賞
 ポール・ロシンクランツ
女性ヴォーカリスト賞
 ラグンヘイズール・グロンダル
パフォーマー賞
 カラシ 
シングル賞 
 カラシ『Stun Gun』
 
新人賞
 ヒャルマール 
 
 ロック・アルバム賞を受賞したヒャルマールは、ICELANDiaが既に契約済みで、春頃Excite Music Storeに登場します。また、ICELANDiaアーティストでは、ヨーエル・パルソン/エイソール・グンナルソンの『鏡の国のアイスランド』がジャズ部門の最優秀アルバム賞(だと思う)にノミネート。惜しくも受賞は逃しましたが、同部門で受賞したのはこれからICELANDiaにはアルバム『Havana』で登場するトーマス・エイナルソンのファンク系のプロジェクトでした。また、ヨーエル・パルソン/エイソール・グンナルソン、ギター・イスランシオのビヨルン・ソロドセンは、ジャズ部門での最優秀パフォーマーとしてノミネートされました。
 その他の部門(っぽい)ところでは、映画『氷の国のノイ』のサウンドトラックが、楽曲賞(かなぁ?)ではスローブローが受賞しています。
 ビデオ賞というのがある(っぽい)のですが、ビョークを差し置いてなぜか80年代の女性バンドが受賞(?)。ビョークの名前はいろいろな部門で見られますが、ノミネートのみに終わっています。ビョークが受賞するとあまりにも当たり前になってしまうせいでしょうか。
 実は、まだまだ部門がありますが、アーティスト名も知らないし部門名も理解できないので、たぶんクラシック等かと思われます(あー苦し。汗)。
 さて、今年のグラミー賞はどうなるのでしょうか?(小倉悠加)c0003620_22263649.jpgc0003620_13213440.gif
# by icelandia | 2005-02-03 22:12 | News | Comments(0)
アイスランドのスタン・ゲッツ
今回のブログは、私が大好きなオスカールについてを元スウィング・ジャーナル誌編集長であり、ジャズ評論家として活躍なさっている岩浪洋三氏に語っていただきます。
-----------------

c0003620_10356.jpg
「静寂の余韻(アフター・サイレンス)/オスカール・グジョンソン&スクリ・スヴェリルソン」を聴く

テナー・サックスとベース、またはギターというユニークなデュオだが、 『静寂の余韻(アフター・サイレンス)』といったタイトルが示すように、広大で静寂な大地にこだまする美しいサウンドといった印象を受ける。さわやかで、素朴な旋律と温かで豊かなひびきに満ちており、フォーク・ジャズと呼んでもいい。心をなごませてくれるジャズだ。全13曲はいずれもオスカールとスクリによって書かれたオリジナルであり、「ふたりの間で/Okkar a mili」だけが2人の共作になっている。同じ旋律やリズムがくり返し演奏される曲もあり、このアルバムはミニマル・ジャズと呼ばれたりもしているが、ミニマル・ミュージックのように単調ではない。もともとこれらの音楽は家族や友人たちのために書かれたものであり、心にやさしくひびくフレンドリーな音楽になっている。

昨年12月に弟と一緒に来日したオスカール・グジョンソンはストレート型の珍しいテナー・サックスを吹くが、音色は暖かく、表現の豊かなフレーズを奏でるが、実際にライブを聴き、多彩な表現にすっかり魅せられた。日本では尺八とも共演したが、彼は尺八の影響も受けており、時に尺八のように息が漏れるような効果をもたらすマウスピースも使っており、大変個性的でユニークなテナー奏者といえる。ちょっとクールで北欧的な音色をもっていながら、いつもハート・ウォーミングなひびきに裏打ちされているので、心をなごませてくれる。彼の演奏は静寂を尊ぶ日本人の感性にはぴったりくるものがあり、お寺の本堂や石庭などで演奏すれば、一層引き立つように思えるし、どこか武満徹の音楽に通ずるものさえ感じさせる。
じっさい彼は初ソロ・アルバム『FAR』をスナイフェル氷河のふもとにある教会で録音している。

なお、2002年発表したこのアルバム 『静寂の余韻(アフター・サイレンス)』はヨーロッパで高い評価を受け、この年アイスランド音楽賞のジャズ2部門で受賞している。また2003年には弟のジャズ・ぐたりスト、オマール・グジョンソンの初ソロ・アルバム『ヴァルマランド』をプロデュースしているが、日本でみせた弟との共演は息が合っていて、とても楽しい演奏だった。またオスカールはニューヨークのジャズ・プレイヤー、ジム・ブラックがひきいるAlasNoAxisでクリス・スピードの代わりを務めたこともあり、その名声は世界的になりつつあるがそれにふさわしい実力の持主だと思う。
ぼくは時に彼のプレイをアイスランドのスタン・ゲッツと呼びたくなったりっすることがある。いまこれだけ深く、多彩なひびきとサウンドを持つ奏者は世界にも稀だと思う。一度聴くと忘れられなくなる魅力的なプレイだ。

ベースのスクリ・スヴェリルソンはアコースティック・ベースとエレクトリック・ベースの名手であり、ときにギターも弾くし、作曲も得意にしている。1990年にボストンのバークリー音楽院を卒業しており、アラン・ホールズワース、デレク・ベイリー、アート・リンゼイらと共演して、世界的にその名を知られているが、ベースをソロ楽器として縦横に使いこなしており、時にソロ楽器として、時にリズム楽器としての役割を果たしており、このアルバムではオスカールのテナーと堂々と渡り合ってプレイしている。メロディックなプレイとリズミックなプレイの使い分けが見事であり、表現の幅の広さに感心させられる。彼はローリー・アンダーソンや日本の坂本龍一や渡辺香津美とも仕事をしたこともあり、オーソドックスなジャズから新しい音楽まで何でもこなす多彩さがこのアルバムにもよく出ている。ベースのクリスまたオスカール同様に、ここではフォーク・ミュージック的な素朴で親しみやすい旋律をかなででおり心にしみわたる。

また、二人がここで奏でる音楽は深くアイスランドの民謡にも根ざしているように思える。オスカールは来日公演ではアイスランドの国歌までジャズ化してみせたが、アイスランドの音楽家たちは自国愛に満ちているように感じられる。

このアルバムは聴くほどに味わいを増す。どの曲も美しいが、とくに「断絶/Hofnun」はサイモンとガーファンクルの「スカボローフェア」に通じる旋律を感じさせる。  c0003620_23245028.gif
-------------
  このアルバムはこちらで試聴できます。
# by icelandia | 2005-02-01 01:05 | Jazz | Comments(5)
オーロラの見える首都、レイキャヴィク
レイキャヴィクの街中にかかる見事なオーロラ
 
c0003620_25814.jpg


 先ほど、テレビを見ていて気になったことがあります。オーロラを取り上げる際、テレビはストーリー性を持たせてドラマチックに仕立てるため、すごーーーい努力をしないとオーロラを見ることができないような印象でした。でも、それは違います!
 
 オーロラは街中から見ることができます!!
 
 少なくともアイスランドに関しては、日本で言えば渋谷や銀座のような場所からオーロラは見ることができます。私自身、ハッキリと街中から見たことがあります。確かに街中だと人工の光があって見えにくいのかもしれませんが、それでも私は街中の友人の家のバルコニーから、オーロラを眺めたことがあります。友達と家の中で飲んでは、時々思い出してバルコニーに出て、神秘的な緑の光のカーテンがしゅるしゅると踊るのを何時間か楽しんだことがあります。
 
 超ゴージャスなオーロラが見たい場合は、確かに郊外まで出た方が視界も広く、街中の光もないのでベストですが、レイキャヴィク市内から10分も車を走らせればかなり開けた場所に出ることができるので、何もない荒れ地の屋外で無理にキャンプする必要は全くありません。
 
 確かにオーロラがよく見えると言われるアラスカやカナダ、それから他の北欧諸国でも、かなり郊外まで出て零下何十度という寒さに耐えないとオーロラは見られないと聞きますが、アイスランドのオーロラ事情は別です。
 
 街中からでもかなり頻繁にオーロラが見えるため、世界中どこでもオーロラは出現するものだと当然のように思っている人もいるようです。
 「で、東京はどういうオーロラが出るの?」
 私が外ばかり眺めながら数人の友人と飲んでいた時、ある人からそんな質問を受けました。まったく人をバカにした質問をするものだと思い、
 「東京は汚染物質が多いせいか、虹色のカラフルなオーロラよ」と返したところ、いつ頃そのオーロラが見られるのか、何時頃出てくるのかとしつこく尋ねてきました。
 「いい加減にしてよ!」と怒りはじめると、その会話を聞いていた別の友人が「オイオイ、東京じゃオーロラは見られないんだよ」と割って入ると、私に質問をしてきた相手は「え?マジ?オーロラが見えない場所があるの?!」と真顔です。
 そう、その人はオーロラは世界中の国々で見られるものと思っていたそうです。東京ではオーロラを見ることはできないというのは、私の常識であって、彼の常識は自分が住む街では頻繁にオーロラが見えるのです。だから東京という街ではどのようなオーロラが見えるのだろう?と、純粋な疑問を日本から来た私にぶつけただけのことでした。私の方がよっぽど人が悪い応対をしてしまい、バツの悪い思いをしましたっけ。
 
 アイスランドではオーロラはレイキャヴィクの街中でも見ることが可能です。ましてや少し郊外に出ればもっと見やすくなりますから、温泉プールにつかりながらでも、飛行機の中から見ることもあります。「神秘」や「奇跡」という修飾語で彩られることの多いオーロラなので、街中から手軽に見えてはありがたみが半減するのかもしれませんが、北極圏まで行かなければいけないことや、気象条件もあるので、旅行者にとってはやはり一期一会なのかもしれません。

 そしてそんなオーロラを盛り上げてくれるのは、もちろんアイスランドの音楽。マイブームでもあるオスカール・グジョンソンの音楽はアイスランドの風景にぴったりとマッチします。オスカールの音楽の話は次回にしますが、まずはどうぞこちらで聞いてくださいね!(小倉悠加)
c0003620_22263649.jpgc0003620_13213440.gif
 
# by icelandia | 2005-01-30 02:10 | アイスランドってどんな国? | Comments(2)
ビョークに次ぐアイスランドの歌姫、クリスチャーナ
 アイスランド・ジャズ界の華、女性ヴォーカルの最高峰がクリスチャーナです。本名クリスチャーナ・ステファンスドッティル。ここでのっけから脱線しますが、アイスランドでの命名の仕方を少し。ビョークとして知られている世界のスーパースターであるアイスランド出身のビョークの本名は、ビョーク・グズムンヅドッティル。アイスランドでは父親の名前がラストネームに入り、ビョークはグズムンヅ氏の娘(英語で言えばdaughterに当たるドッティル)ということが名前を見ただけで分かります。もしもグズムンヅ氏に息子が生まれれば、ラストネームはグズムンヅソンで、父親の名前の後に英語で言えばsonに当たるソンが付け加えられます。ビョークのような大スターになることを願い、クリスチャーナはファーストネームのみのアーティスト名としました。どうぞよろしく。
 それから、ちなみにビョークはビョルクと発音した方がアイスランド国内ではすぐに分かって貰えます。
 
 さて、クリスチャーナはExcite Music Storeでご試聴いただけましたか?アイスランドの澄んだ空気を思わせる透明感あふれる歌声と、まろやかで暖かみのある雰囲気のある歌手で、2002年の正式レコード・デビュー以来、アイスランド・ジャズ界ナンバーワンの女性ヴォーカリストとして君臨しています。幼い頃から歌うことが大好きだったクリスチャーナは、小学生から音楽を学び始め、音楽学校に進んでクラシック歌唱をみっちりと学び卒業しました。その後、アムステルダムの大学で本格的にジャズを学び、特にヴォーカルにおけるジャズ・ハーモニーを専攻しました。
 
 今回ご紹介しているアルバム『クリスチャーナ』は彼女のデビュー作であり、彼女の魅力をたっぷりと伝えています。恵まれた声質に加えて、ヴォーカルの安定感もテクニックも申し分なく、アップテンポの「ザッツ・オール」から始まり、スキャットが堪能できる「バイ・バイ・ブラックバード」、抑え気味の歌唱が光る「ビウィッチト」など全11曲、余すところなく楽しんでいただけることでしょう。彼女はその後、同じくアイスランド出身の女流ピアニスト、スンナ・グンロイグスと組んでアルバムを発表し。『美しき世界/スンナ・グンロイグス&クリスチャーナ』は現在アリヨス・エンタテイメントのサイトで限定盤としてお取り扱いしています。今年の夏には、ポップ・ロックの定番曲をレコーディングすると共に、クリスチャーナは愛知万博での来日が期待され、ビョークに次ぐアイスランドからのフレッシュな女性ヴォーカルとして大いに話題を呼ぶことでしょう。まずは一曲目のザッツ・オールからぜひご試聴ください。(小倉悠加)c0003620_22263649.jpgc0003620_13213440.gif
# by icelandia | 2005-01-25 13:06 | Jazz | Comments(0)
2005年1月アイスランド Jazz
このコーナーでは毎月アーティストが出そろったところで、まとめて試聴/ダウンロードサイトをご紹介します。
c0003620_291269.jpg


2004年12月 Jazz
 ギター・イスランシオ
   『スカンジナビア・ソングス/ Scandinavian Songs』

  アイスランドや北欧のトラッドを現代によみがえる演奏するギター・トリオ。

2005年1月 Jazz
 ヨーエル・パルソン&エイソール・グンナルソン
   『鏡の国のアイスランド/ Skuggsja』

  若手サックス奏者とピアニストによるアイスランドのスタンダード・ソング集。
  
 クリスチャーナ『クリスチャーナ/ Kristjana』 
  アイスランドが誇るジャズの歌姫のデビュー作。ジャズ・スタンダード満載。
  
 オスカール・グジョンソン&スクリ・スヴェリルソン
   『静寂の余韻/ eftir pogn』
  
   尺八に影響を受けたサックス奏者とベースが織りなすフォーク・ジャズの傑作。

(小倉悠加)

c0003620_22263649.jpgc0003620_13213440.gif
# by icelandia | 2005-01-20 02:10 | Jazz | Comments(0)
アイスランド音楽通を気取るなら『鏡の国のアイスランド』
 アイスランドにはいわゆる民族音楽は存在しないに等しのですが、どの国にもスタンダードと呼ばれる曲があり、アイスランドでもくり返し耳にする曲があります。
 アイスランドのスタンダード曲が聴けるアルバムで日本でも輸入盤で入手しやすいところでは、ビョークがジャズを歌った『Gling-Glo』が筆頭にあげられますが、それ以上にアイスランドのスタンダード曲が詰まっているのがこの『鏡の国のアイスランド』です。アイスランド音楽通を気取りたければ、そしてアイスランド音楽に親しみたいのであれば、『鏡の国〜』は必須アイテムです!
 
 アルバム・タイトルですが『Skuggsja』のままではカタカナにしたとこころで意味不明なので、邦題を付けざるを得ません。「Skuggsja=鏡」ということを知った時、アイスランドのポピュラー音楽の歴史を映し出す鏡であり、アイスランドの人々の生活を映し出してきた鏡としての音楽という意味で、『鏡の国のアイスランド』と名付けました(アリスのパクリではありますが)。

--------------
『鏡の国のアイスランド』
 ヨーエル・パルソン/エイソール・グンナルソン

 『Skuggsja』Joel Palsson/Eypor Gunnarsson
 
1. Sveitin milli sanda カントリーサイド
  アイスランドの国民的歌手女性Elly Vilhjalmsのために書き下ろされた曲で、オリジナルのタイトルは「Aria for Elly」でした。まるで日本のムード歌謡のようなメロディで、少しびっくり。日本人とアイスランド人の気質がいかに似ているかが伺われます。

2. Songurinn um Dimmalimm ディマリムの歌
  アイスランドの有名な物語で、子供用の絵本になっているようです。

3. Haettu ad grata hringana 泣かないで
  アイスランド人特有のジョークでしょうか。元々は芝居の一節だったそうですが、内容は、足の指が無くなって悲しんでいる女性のところにヒーラーがやってきて、すべての指を切り落としてしまいました。英語に訳すと「No More Crying, Lady」なのだそうです。

4. Svefn-g-englar スヴェン・ギー・エングラー
  シガーロスの最新作『()』からの作品。ヨーエルのこのヴァージョンを聴いた時、不覚にも涙してしまいました。シガーロスの東京公演を体験した方であれば、その気持ちもわかっていただけるかと・・・。情報というよりも個人的な感想ですが。

5. Leyndarmai  シークレット
  Datar & Runar Gunnarssonがヒットさせた曲で、70年代に欧米でアレンジャーとして広く活躍したソルリル・バルジュールソンの作品。

6. Visur Vatnsenda-Rosu 涙色のローズの詩
  ビョーク・ファンはご存じかもしれませんが、この曲はビョークがHector Zazouのアルバム『Songs from the Cold Seas』で歌っていましたね。1月19日現在アマゾンで1,311円で販売されていますので、ビョークのヴォーカル・ヴァージョンが聴きたい方はぜひどうぞ。他の曲もお勧めですし、参加アーティストもかなり豪華です。『ホモジェニック』のライブCDにも収録されていましたが、インストゥルメンタルです。アイスランドのトラッドです。

7. Venus as a Boy  少年ヴィーナス
  こちらはビョークのオリジナル。説明無用でしょう。愛くるしいビョークが卵焼きを作るビデオが印象的でした。ビデオはビョークの公式サイトで見ることができます。

8. Samferda  共に旅して
  60-70年代にはグループの一員として活躍し、後に作曲家として様々なアーティストに曲を提供してきたマグヌス・エイリクソンの作品。

9. Stal og hnifur 鋼鉄とナイフ
  この曲とは限りませんが、アイスランドのラジオでかなり頻繁に耳にする声が、この作者のブッビ・モルテンズです。漁師が趣味でギターを弾きながら歌っていたのが評判になり、歌手に転向。70-80年代はパンクに明け暮れ、アメリカでいえば強引かも知れませんがスプリングスティーンのような存在でした。現在でも毎年一枚はアルバムを出し続け、アイスランドで最も尊敬されるロック・アーティストとして君臨しています。ティーンエイジャーのビョークが出ていることで話題になる映画『Rokk i Reykjavik』にもフィーチュアされていました。

10. Pu og eg あなたと私
  グンナル・ソルザルソン作。グンナルは現在ギター・イスランシオのメンバーとして活躍しています。彼のバイオはギター・イスランシオの項目でお読みください。この曲は彼がアイスランドのビートルズと呼ばれたヒルヨマールというグループのメンバーだった頃に書いた、代表的ヒット曲のひとつです。

11. Spiladosarlagid スピラドス
  オルゴールというタイトルのこの曲は、90年に解散するまでアイスランドで大活躍をしたグループ、Todmobileの曲で、近年アイスランド交響楽団が彼らの音楽を取り上げ、再び脚光を浴びる存在になっています。

12. Tvaer stjornur ふたつの星
  メガスの作品。私は勝手にメガスのことをアイスランドのボブ・ディランと呼んでいますが、その曲を聴けば(メガスのオリジナルですよ)なぜそのような感想に至るのかを理解していただけると思います。彼はアイスランドが生んだ最大かつ最高のロック詩人で、ノーベル文学賞を受賞したアイスランドの文人ラクスネスに次いでの大文豪だと言う人さえいます。上記のブッビにしても、作詞はメガスを師と仰いでいます。そしてメガスの最大のファンとえばビョーク。彼女がシュガーキューブスでヒットを出した後も数年間は、出来る限り時間を作ってメガスのバックコーラスをしていました。

--------------
 このアルバムにはアイスランド人が心から愛する名曲の数々がつづられています。実際、アイスランドのカフェで耳にした曲もありますし、ビョークやシガーロスなど、日本でもお馴染みのアーティストの曲も入っています。その中で最初に聴いた時に一番感激したのは(たぶん個人的な思い出や思い入れもあり)スヴェン・ギー・エングラーでした。どうぞこちらでご試聴ください!(小倉悠加)
c0003620_22263649.jpgc0003620_13213440.gif
# by icelandia | 2005-01-19 01:06 | Jazz | Comments(2)
ブログトップ | ログイン
外部リンク
ICELANDiaからのお知らせ
アイスランドのあれこれをお伝えするICELANDiaTVをYoutubeで公開中!
最新の記事
以前の記事
記事ランキング
検索
カテゴリ
タグ
最新のコメント
> MURATAさん ..
by ICELANDia at 08:04
明日8/10から12まで..
by MURATA at 13:27
当ブログを見つけていただ..
by ICELANDia at 19:24
ブログジャンル







Copyright © 1997-2008 Excite Japan Co., Ltd. All Rights Reserved.
免責事項 - ヘルプ - エキサイトをスタートページに | BB.excite | Woman.excite | エキサイト ホーム