execitemusic
本レーベルは、Excite Music Store及びモバイルコロムビア上で先行独占展開され、配信される楽曲は、国内で入手が困難な高いクオリティのアイスランド楽曲を幅広いジャンルで集めていきます。
レーベルリリースの第1弾は、ヨーロッパでは名高いアイスランドJAZZを展開、第2弾は、アイスランドPOPS、第3弾は、アイスランドクラブミュージックを展開していく予定です。
小倉悠加
(おぐらゆうか Yuka Ogura)
70年代半ば洋楽に目覚め、単身アメリカへ留学。大学時代から来日アーティストの通訳に従事し、レコード会社勤務を経てフリーに。以来、音楽業界で幅広く活動。カーペンターズの解説の殆どを書いているためカーペンターズ研究家と呼ばれることも。2004年自らアイスランドの音楽を扱うアリヨス・エンタテイメントを設立。ミュージック・ペンクラブ会員。
小倉悠加

カテゴリ:アイスランド音楽名盤紹介
  • 映画『惑星ソラリス』の音楽を再構築したダニエル・ビャルナソン特別インタビュー!
    [ 2012-03-05 14:33 ]
  • ヨーナス・センとメゾソプラノのビョーク・カバー。アイスランドでのビョークを知る解説に悶絶?!
    [ 2011-11-02 23:53 ]
  • ポピュラー音楽ファンも必聴! アイスランドの伝統・伝承・民族音楽、名作2枚が再リリース!
    [ 2011-08-16 21:55 ]
  • アイスランド音楽マニア向け:ヨハン・ヨハンソンとヨンシーとエミリアナも入ってる秘密のアルバム『Dip』
    [ 2011-05-18 02:06 ]
  • ビョークのコラボレーター、ヴァルゲイルのスペシャル・ミックス音源を写真展でリスニング・パーティ
    [ 2010-06-04 23:48 ]
  • 第15回アイスランド音楽賞発表、授賞式には大統領やシガーロスも
    [ 2009-02-20 20:23 ]
  • スクリーミングM特集その4:アパラットは名盤だぞぉ
    [ 2007-07-23 15:27 ]
  • スクリーミング・マスターピース特集その1:シガーロス&ステインドール
    [ 2007-06-30 02:17 ]
  • 感謝の気持ちを込めて Takk!!!
    [ 2006-12-29 04:11 ]
  • アイスランド音楽名盤:ビョークもはまったメガス
    [ 2006-07-17 18:48 ]
映画『惑星ソラリス』の音楽を再構築したダニエル・ビャルナソン特別インタビュー!
 いつもICELANDiaブログにお越しいただき有り難う御座います。
 明日からになりますが、アイスランドからの新譜をご紹介できそうです。本日入荷します!
 その前に、ベッドルーム・コミュニティ・レーベルベン・フロストとダニエル・ビャルナソンが共作した『ソラリス』が素晴らしいので、このアルバムのことをしっかりとご紹介したいとずっと思っていました。

ベン・フロスト直筆サイン入り Ben Frost & Daniel Bjarnason『 Solaris』
http://icelandia.shop-pro.jp/?pid=40297721
   これは本当に素晴らしい内容なのですが、アンビエント・ノイズと、モダン・クラシック(私の造語なのでヘンテコですね!)の融合なので、それをどう表現すればいいかと考えているうちに、制作過程がわかるインタビューが出てきたため、ここにご紹介致しますね。
 英語で読んだ時は分かりやすいと思ったのですが、日本語に置き換えたのでどうでしょうか。彼らが同じレーベル仲間であるとか、若干説明が必用だと思われることが抜けているようですが、少しでも何かの参考になればうれしいです。
***

Q&A: Ben Frost & Daníel Bjarnason(元記事)
http://alarmpress.com/41253/blog/music-news/qa-ben-frost-daniel-bjarnason/
ALARM press
http://alarmpress.com/

original article written by
  Meaghann Korbel
Japanese translation by Yuka Ogura
special thanks to
  Bedroom Community label

 この記事は英語情報サイトALARMに掲載されたもので、ICELANDiaは許可を得て翻訳・掲載しています。英語記事の著作権はALARMに、日本語訳は小倉悠加にあります。無断掲載、引用はお控え下さい。


Q&A: ベン・フロスト&ダニエル・ビャルナソン

 昨年、ポーランドのユニサウンド・フェスティバルの発起人であるマット・シュルツはレイキャヴィク在住の作曲家、ベン・フロストとダニエル・ビャルナソンに1972年のアンドレ・タルコフスキー監督映画『惑星ソラリス』の音楽の再構築をもちかけた。
 このアルバムでフロストとビャルナソンのふたりは、全く新しい旅立ちを遂げた。これまでフロストの音楽はダーク・インダストリアルからクラシカル・ミニマルまで様々なカテゴリーで語られ、ビャルナソンの作品はとてつもなく壮大ではあるが計算もされていた。そんな二人にこのコラボレーションは刺激的なものであり、彼らの指南のもと『ソラリス』はふたりの音楽性を微妙なバランスで保つことに成功した。

 このサウンドトラックは映画に即興で音楽をつけることから始まった。これらの最初の音のスケッチは、音楽ソフトの力を借りデジタルで再構築され、30人構成のオーケストラで再現することになる。オリジナルのサウンドトラックとは全く異なるとはいえ、彼らの音楽は、人間と機械とアートの実験結果のようなもであり、美しく分割され、緊張感のある、時にとりつかれたような映画の資質を見事にとらえたのである。

 この作品は既にクラクフ、ニューヨーク、アイスランド、オーストリアでシンフォニエッタ・クラコビアが演奏を披露しており、ブライアン・イーノとニック・ロバートソンによる映画を利用した素晴らしいビジュアルを伴った。
  
 そんな『ソラリス』のリリースを踏まえて私たちは、アルバムの裏にあるコンセプトやサウンドトラックの遍歴についてを、ビャルナソンと語った。

 『惑星ソラリス』のサウンドトラックをリメイクするきっかけは?オリジナルのどこかどうあなたの期待には沿わなかったのでしょう?
 
 タルコフスキー映画に新しいサウンドトラックやよりよいサウンドトラックを作ろうと思ったことはなかった。僕らの作品は映画と原作にインスパイアされたということだけだ。スタニスワフ・レムは『ソラリス』をクラクフで書いた。クラクフのアンサウンド・フェスティバルで僕らが『ソラリス』を初演したのが、原書が発表された50周年に当たり、ちょうどその記念になってよかった。

  この共作は原書のサウンドトラックになる予定だったということですか?音楽はどのような過程で現在に至ったのでしょう?

 当初はそう考えていたけれど、そのアイデアはすぐに諦めた。二人とも映画をスタート・ポイントにして、そこから進むことの方に興味があったようだ。なのでまず、映画を見ながらベンと僕とで即興セッションをやって録音した。そこで全ての音楽を作った。
 だから音楽の一瞬一瞬が、映画の何らかのシーンや状況への反応だ。でも、こういったセッションの後、映画を見ることはなかった。今、音楽を聴くと、どの音楽がどこのシーンに呼応してるのか全くわからない。ある意味、僕らはその時点で映画からは離れて、音楽的に何が手元にあるかを見るようになった。そこからはシンフォニエッタがプロセルに登場し、全てが別次元に突入した。

 『ソラリス』のレコーディング・プロセスはどのような感じで?

 『ソラリス』は2度レコーディングしたと言っていいと思う。最初は即興で音楽が書かれたグリーンハウスで行い、2回目はポーランドのアルヴェニア・スタジオだった。それまでに曲はライブ演奏されていたし、ライブ演奏と同じ心構えでレコーディングした。その後のポスト・プロダクションでいろいろなことを動かしたから、アルバムの音楽はライヴ・ヴァージョンとはかなり隔たりがある。

  映画のどのようなアイデアやコンセプトから、曲の雰囲気や色合いのインスピレーションを受けたのでしょう。そしてそれは音楽を作曲する際のプロセスに、どのように反映されたのでしょう?

 全ての音楽はベンと僕で映画を見ながら、映画のテンポやペースに合わせて書いた。だから、映画が音楽にもたらしたインパクトは大きい。

  音楽的に全く異なるあなたとベンがどこに惹かれ合ってこのプロジェクトを?そういう互いのスタイルをいかに生かしていったのでしょう?

 ベンとは長年の知り合いだし、このプロジェクトの話が出た時、共作する素晴らしい機会だと二人とも感じた。僕らの音楽性は表面的には異なるけれど、僕らは互いの音楽のファンだし、共通点も多い。例えば、二人とも質感や音質にすごくこだわるし、二人とも音楽の中の理屈ではないものに牽かれる。

  ブライアン・イーノの映画を使ったビジュアルの裏にあるインスピレーションは何でしょう?彼は作曲でも何か役割があったのでしょうか?

 このプロジェクト中、よくブライアンは来てくれた。クラクフでシンフォニエッタとワークショップをやっていた時も彼の姿があったし、初演の時もだ。クラフクに来た当初はビジュアルを予定していなかったけれど、初演する会場が古い映画館で、ステージの背後に巨大な白いスクリーンがあるのを見た時、ビジュアルのないコンサートが空虚に感じた。するとブライアンがタルコフスキー映画を使ってのエレガントなビジュアルのアイデアを出してくれた。ブライアンはそんな風にして関わってくれた。作曲プロセスに実際に加わった訳ではないけれど、前にも言ったように、このプロジェクトの多くの場面を見守ってくれたし、いろいろな意味で影響を与えてくれた。
***

 いかがでしたでしょうか。少しでもご興味がわけば、ぜひ音楽をお聞きくださいね! (小倉悠加/ Yuka Ogura)





                                                寒い冬には心暖まるアイスランド音楽を!↓



こどもの音楽再生基金


  
  自然をアイスランドのデザイナー作品で↓

  
 
 

 
by icelandia | 2012-03-05 14:33 | アイスランド音楽名盤紹介 | Trackback | Comments(0)
ヨーナス・センとメゾソプラノのビョーク・カバー。アイスランドでのビョークを知る解説に悶絶?!
 アイスランドから出てくる音楽が本当に面白いなぁと思う大きな要素に、ジャンル分けがゆるいというのがあります。それがポピュラー音楽だと割合わかりやすいけど、クラシックでも起こっていることが、とても愉快!
 特にこのアルバムはビョーク・ファンは一聴の価値ありです。

『Langt fyrir utan ystu skoga』 Aggerdur Juniusdottir
http://icelandia.shop-pro.jp/?pid=36465108

 これはメゾソプラノ歌手のアウスゲルズルと、ビョークのツアーでもお馴染みのキーボード奏者ヨーナス・センによる作品で、アイスランドの音楽に多大な影響を与えた作曲家のカバー曲集。というか、前衛的な試みをしてきた作曲家3名をフィーチュア。
 その3名とは、Bjork Gudmundsdottir (平たくはビョーク)、Gunnar Reynir Sveinsson、Magnus Blondal Johanssonで、収録全17曲中の7曲がビョークの作品。
 3名ともにそれぞれ影響力が異なるけれど、やっぱり気になるのはビョークですよね。

 ビョークの作品は、ヨーナスが彼女のツアーでキーボード奏者をしている間に40曲以上をキーボードでアレンジして、そのアレンジがこのアルバムにも使用されています。
 私も武道館で『ヴォルタ』のツアーを見ましたが、確かにヨーナスのキーボードだけで歌った曲がありましたっけ。そういった演奏がこのアルバムにたっぷりと使われているので、ビョークファンは必聴でしょう。

 今、これを書きながら「All is Full of Love」を聴いていますが、とてもシンプルで、(ビョークらしからぬ?)可愛らしくロマンチックな音使いが印象的。メゾソプラノも、オペラチックを抑えたもので、ポピュラーファンにも聴きやすく、いつもとは違った角度からビョーク作品の魅力を知ることができます。

 ビョークにはいつか、ヨーナスとのアコースティック・ライブをぜひお願いしたいなぁ。このアルバムを聴くにつけ、そんな希望というか願望が刺激されます。

 さて、この先から長くなりますが・・・。

 私は日頃からアイスランドのあれこれの音楽を聴いているため、あぁ、あのメロディね、という旋律がこのアルバムでも多くあります。ただ、メロディは知っていても作曲家についてはよく知らなくて、解説を読んで「へ〜」と思ったことがいくつか。
 そんな中でこの3名の共通点が、ジャンルにとらわれず、革新的なことを試み続けた作曲家であるということ。
 クラシックの解説は長くて専門的な話が多く、正直言って退屈して読み飛ばすことも多いけれど(ごめん)、この解説はかなり端的にパキっと書いてあり、その点すごくありがたい。解説はアイスランド語と英語を併記。
 
 そんな中、ビョークの解説がアイスランドならでは!という内容で非常に面白い。面白いというか、アイスランド国外のビョークのファンは、椅子から転がり落ちるような衝撃かもしれません。
 例えば、彼女の経歴を紹介した後に出てくる文章は、「アイスランドでのビョークが知られているのは一にも二にも歌手としてであり、最も売れたアルバムは『Gling Glo』。このアルバムはジャズ・スタンダードのカバーアルバムで、ビョーク作曲の作品は一曲も収録されていません」

 どひゃぁ〜、マジですかぁ。ね、転けるよね!一番売れたのが『ホモジェニック』でも、『セルマ・ソング』でもなく、『ヴォルタ』でも『ヴェスパタイン』でもなく、『グリン・グロー』かいな?!ーー腰が抜けそうになります。はい。

 そして続く解説には、「アイスランドでビョークの曲として最もよく知られているのが、「Bella simamaer!(電話交換手ベラ!)」です」とあります。

 またまたどひゃぁ〜、マジで「ハイパーソング」じゃないのぉ?「ヨーガ」でもないのぉ?「イゾベル」でも、オリンピックに使われた「オーシャニア」でもなく、「ベレベラベラベラ♪シンママエル♪」かいな・・・

 その感覚が私にはわかんなすぎて、気が抜けてしまいました。文化差とはいえ、ビョークのファンの方、いかがでしょう?アイスランド人にしか書けない解説文!!
 
 アイスランドで感じるのは「ビョークは外人受けする商品」であること。そしてアイスランド国内の音楽評論家も「ビョークは異端。国内で本当にビョークを理解してる音楽ファンは一握り」と言い放ちます。はい、アイスランド国内でのビョークの人気というのは、国際的な人気に比例していないのが実情です。

 我々(外人)は、ビョークは最先端を試みる、真に芸術的なことをやっている一流の、本物のアーティストだと見ますが、一般のアイスランド人から見るビョークは、訳が分からないことをやる変わった人。

 もちろんこの解説ではそうは書いていませんが、そういうアイスランドの一般人のビョーク観を、この解説文がよく表しているなぁと思うのです。

 で、解説の続きは「しかしビョークは単なるシンガー以上の存在です」と ビョークを正しく評価しようと試みます。

 「一般のアイスランド人がビョークの曲を知らないのは、ほとんどの場合、それが決まったカテゴリーには属せず、音楽の世界で起こっている異なる動きの境目にあるからなのでしょう。彼女の歌の多くはエレクトロニック・サウンドと、遠い国からのアコースティック楽器を組み合わせ、一風変わった魅力を持つ音の世界で特徴付けられます。その中には実験的な曲もあり、シュトックハウセン、メシアン等の現代音楽の先駆者の影響を聴くこともあるでしょう。そのような音楽は、すぐにリスナーを虜にするというものではありません」

 なーるほど。

 「ビョークの音楽は一般のポピュラー音楽よりも複雑で、メロディ・ラインが歌を包む楽器のみで奏でられることもあります」etc というような感じで、解説が続きます。

 アイスランド人が勇んで飛びつかないのと同じ理由で、 国際的には音楽ファンがビョークに飛びついてるんですけどね。
 
 で、それはそれでいいのですが、よく考えてみるとこのアルバムも、メゾソプラノというクラシック歌唱のアルバムにしては異端。クラシックでもないし、アイスランドの伝統音楽でもないし、ポピュラーでもないし、所属場所の定まらない作品で、ジャンルなし。つまりは、メゾソプラノ歌手としては、取りあげた作曲家に負けず劣らず異端の作品なのでは。

 が、これは彼女の初めての試みではなく、以前にも『私の世界とあなたの世界/Minn heimur og þinn』http://icelandia.shop-pro.jp/?pid=438904という企画をやって、これがとても評判がよかったので、その続編でもあることでしょう。ん?この企画って・・・。

 この作品の主役であるメゾソプラノのアウスゲルズルは、ビョークが11歳の時に始めて書いたという『Kjarval』という曲にこのアルバムで詩をつけたションの奥様のはず。ちなみにKjarval(キャルヴァル)というのはアイスランドの美術の父。私も大好きな画家です。

 2008年10月の経済崩壊時に、なぜか私は奇妙なランチに呼ばれ、そこにいた人のひとりがションでした。それで彼が私に「妻が音楽家で、素晴らしい企画のアルバムがあるので紹介したい」と言っていたのが奥様の前作のアルバム。・・・というのを何だか思い出した。これがそれに関するブログ

 話が飛んで長くなりましたが、要はこのアルバム、いろいろな角度から楽しめます。解説を読まなくても、音楽だけでも充分に素敵です。それから、ビョークのファンはマジに聞いておいた方がいいですよ。ヨーナス・センのこのアレンジで、いつかビョーク姐御がこういった歌を披露するかもしれないし。(小倉悠加/ Yuka Ogura)




  ビョークのTシャツ等アイスランド土産を放出中!↓





 
 
 
by icelandia | 2011-11-02 23:53 | アイスランド音楽名盤紹介 | Trackback | Comments(0)
ポピュラー音楽ファンも必聴! アイスランドの伝統・伝承・民族音楽、名作2枚が再リリース!
 7月のアイスランドは、訪れた観光客の数が過去最高の約8万人を記録しました。火山噴火の影響もなく、観光産業が順調なようでよかった。オーロラこそ見ることができませんが、7月はアイスランド観光で最高の季節だと私も思います。

 さて、また少し新入荷した目玉のアルバムをご紹介したいと思います。今回ご紹介する2枚のアルバムは、アイスランドのベストセラーの再プレス盤になります。アイスランド音楽ファン、北欧音楽に興味のある方、世界のトラッド・伝統音楽に興味ある方は必聴のアルバムです。

 アイスランドでは英米にはない独特のテーストを放つアーティストが少なからずいて、その代表的な存在がビョークでありましょう。そしてポピュラー音楽はその時代の世相・思想や文化を映し出すと言われる通り、やはりビョークやシガーロスが、アイスランドという国の思想や文化を最も鮮明に反映するアーティストであると思います。

 アルバムのご紹介前に少しだけアイスランド音楽のお勉強を。

 アイスランドには、アイルランドのケルトほど如実で分かりやすい伝統音楽、民族音楽はなく、最も伝統的とされる芸能はリームルというもので、物語の吟唱になります。抑揚を付けて物語を語るため、音楽とは言い難い。語るだけで楽器も使わないし。
 
 アイスランド人は孤島に移植してきた民族であり、ノルウェーからアイスランドに渡る前に、アイルランドで美人を盗んだ話は有名(だからアイスランド人には美男美女が多いという説は、結構納得しちゃいます。アイスランド人は本当にきれいな人が多いし、少ない人口の割にはミス・ユニバース等を多く排出)。そのため、盗んだ美人経由で若干ケルト系の音楽も入っているであろうとも言われます。

 アイスランドの伝統音楽と言われる形式に、ふたご歌というのがあり、現在の西洋では、「ハモる」というと3音階を保って演奏(歌う)のが主流ですが、アイスランドで伝統的にはこれが5音階で、聞いてみると、不協和音のまま歌い続けるためちょっと不思議。
 それから、メロディが突然止まって終わったり、我々がよく耳にするメロディの進行の仕方をしてくれないので、聞き慣れないと結構戸惑います。逆に言えば、これを聞き慣れてしまうと、「あぁアイスランドだぁ!」という、いわばお国訛りを聞いたようなリアクションにもなります。

 伝統音楽を絶やさないようにと、譜面に書き取ってこれを残そうとした研究者が18世紀末から19世紀初頭に存在し、ここにご紹介するアルバムも、その譜面を活用。
 同様に、録音機器が出てきた時にアイスランド中を歩き、伝統吟唱のあれこれをコレクションしていき、それを編纂した音源も存在します(この話はまた後日別口に・・・というか、以前書いた覚えがあるかも)。

 今回ご紹介したいアルバムは2枚あり、どちらも非常に質の高い作品です。作品自体も素敵なのに加えて、これぞアイスランド!と思える独特のメロディやハーモニーが展開され、ポピュラー音楽を知る上でも大変に参考になります。
 もっとハードコア(?)のヤツもありますが、聴きやすさを考えると、やはりここらへんが入門編には最も適していると私は思います。
 
 アイスランド国民に愛されてきたという音楽を聴く度に思うことですが、ホント、こういうのは何枚か聴いておいて絶対に損はないと思います。

hamrahlidarkorinn 『Islensk Podlog』
http://icelandia.shop-pro.jp/?pid=34050868

 まずはアイスランドでピカ一と言われる合唱団が歌唱をした、アイスランドの伝統曲。アルバム・タイトルの英語名は「Iceland Folk Songs」これが名盤中の名盤でなくして何なのでしょう!

まず、合唱自体にとても清潔感と清涼感があり、好感が持てます。嫌味がなく、とても聞きやすい合唱で歌われる不思議な音階や旋律、ハーモニー。日本でよく耳にする西洋音楽とは一線を画す歌が少なくなく、アイスランドの国の音楽文化の一端を知るに大変適しています。
 
 私事になりますが、私がどこで聞いたのか記憶がなくても「この曲知ってる!」という曲が多く、ここに収録された作品がいかに生活の中に深く入り混んでいるかということを実感。
 例えば「Visur Vatnsenda-Rosu」はビョークが歌っていますね。民族音楽とはいえ、その他にもロック・グループが取りあげていた曲などもあり、グループのオリジナル曲だと思っていた私は、これを聞きながら、何度「え?民族音楽を取りあげてたの?!」と驚いたことでしょう。 
 
 合唱団としても優秀で、アイスランド独特の音楽性がよくわかる、一枚持っていて損は無いというか、アイスランド音楽が好きであれば、必ずお聞きいただきたい名盤です。

Bara Grimsdottir 『Funi』
http://icelandia.shop-pro.jp/?pid=34056062 

 こちらのアルバム・タイトルは英語でいうと「Fire」、日本語だと「焰(ほのお)」が妥当でしょうか(「焰」のタイトルを見るとU2を思い出す私・・・)。
 タイトルはどうであれ、このアルバムも前述と同じくアイスランドの民族音楽を扱ったもので、こちらは生粋の女性フォーク・シンガーが歌っています。バックの演奏もギター程度でシンプルなものばかり。

 このアルバムもアイスランドに伝わる音楽を集めているため、前述のアルバムとかぶる曲もありますが、演奏者が変わると雰囲気も変わり、それも興味深いところかと思います。

 シンプルな歌唱で、より民謡(フォーク)っぽいものを求められる方は、たぶんこちらの方が雰囲気的には好きなのではと思います。音楽は個人の趣味なので、どちらがいいということではなく、要は好みの問題であり、できれば両方とも聞いていただければと思います。

 どちらもしっかりとした解説付きで、英語ヴァージョンの抄訳はショップの商品説明のところに掲載しました。また、解説のみならず、歌詞が英語に翻訳されたものもあるので、アイスランド人のメンタリティを知る、よき指針になってくれるかとも思います。
 正直なところ、アイスランドの人のジョークはかなりシニカルで(私の知り合いがたまたまそうなのでしょうか)、ブラック・ユーモアは私には分かりにくい。それはイギリスのジョークにも結構言えることで、どうも私はあまり馴染めませんが、「知る」ことと「馴染む」ことは別物なので、とりあえずは知ることができただけでも有り難いことです(アイスランド語じゃわからなすぎるので)。
***

 今年10月に最高が決定しているアイスランド・エアウエイブス&オーロラ・ツアーの説明会は8月20日(土)です。詳しくはこちらをどうぞ。(小倉悠加/ Yuka Ogura)




  アイスランドのトラッドもあります!↓









ビョークのライブ決定!エアウエイブス・ツアー!↓




 

 

 

 
by icelandia | 2011-08-16 21:55 | アイスランド音楽名盤紹介 | Trackback | Comments(0)
アイスランド音楽マニア向け:ヨハン・ヨハンソンとヨンシーとエミリアナも入ってる秘密のアルバム『Dip』
 アイスランド国立劇場ハルパのオープニング・ライブは、YouTubeにいろいろと上がっているようで、今日はそれを何本か見ました。
 たぶん、すみだトリフォニーの大ホールくらいの感じかと思いますが、とにかく見た目がゴージャス!立体ガラス(それともアクリル板?)を敷き詰めた外観はオーラヴル・エリアソンの作品。
 音響もいいということだし、早く行って見たいなぁ。今年のアイスランド・エアウエイブスのメイン会場のひとつになるそうで、出し物次第ではあるけれど、入り浸りそうな予感。

 さて、アイスランドのあれこれをお伝えしているこのブログですが、時々、音楽マニアのICELANDiaらしく、「こんなの知ってる?」という、アイスランド人しか知らないけど、意外にも国際的に有名なアーティストが関わっているアルバムや、現在のアイスランドの音楽シーンを知るのに参考になる作品をご紹介したいと思います。
 アイスランド国内のみで流通しているものばかりですが、アイスランドの音楽業界の人も、ICELANDia音楽ショップは国内の延長だと思ってくれている通り、うちのショップは例外。

アイスランド音楽の秘密『こんなアルバム知ってる?』

Dip『HI-CAMP MEETS LO-FI』
http://icelandia.shop-pro.jp/?pid=1025815
(2011年5月末日まで注文に限り、備考欄に「ブログ見た」と書くと
メール便送料無料になります)

 参加者:ヨハン・ヨハンソン(アパラット・オルガン・カルテット)/シグトリギュル・バルデュルソン(シッギ:元シュガーキューブス)/ヨンシー(Frakkur名義)/エミリアナ・トリーニ/ マッガ・スティーナ他
 
 このアルバム基本はヨハン・ヨハンソンとシッギのプロジェクトで、ポスト・クラシックではなくエレクトロニカ・ポップ寄りのヨハンのテーストに、シッギのエキゾチックなリズムが乗った、聴きどころの多いアルバムです。
 このアルバムをリリースした1999年は、シンクタンクであり音楽エクスペリメンタル集団のキッチン・モータズを開始した年でもあり、そういう雰囲気も讃え、とにかく何か実験的で面白いことがしたかったのだろうというのはよく伝わってきます。
 ヨハンとシッギはヴォーカルはやらないため、このアルバムではLhooq(ヨハンが以前やっていたポップ・バンド、ルーク)のサラ・グヅムンズドッティルに数曲ヴォーカルを任せ、その他は、エミリアナ・トリーニ(ハリ・ポッターの『二つの塔』のエンディングを歌ったことで名前が広がった人)と、マッガ・スティーナ(ビョークが作ったレーベルからの初アーティストでした)が参加。
 そして、一曲ではヨンシー(シガーロス)のヴォーカルも聞かれます。匿名でFrakkurとクレジットされているのに、アルバムのアートワークの写真には、キチンと「Jonsi」と印刷されているのは、ミスったのか?ちょっと笑います。
 また、ギターで参加しているピエトゥル・ハトグリムソンはヨハンとはLhooqの仲間であり、近年ではエミリアナ・トリーニのバックバンドでも活躍。そういえば、2009年1月のエミリアナ・トリーニ来日公演にシッギも彼女のバックで来ていましたっけ。
 聴き方によっては、例えば発展途上時代(?)のシガーロスに通じる音を感じる人もいるかもしれません。また、リズムにシュガーキューブスを思い出す人もいるかもしれません。

 アイスランドの音楽シーンは実に有機的につながっているので、こういった作品をクレジットを見ながら丁寧に聴いていくと、実にいろいろなことが分かります。
 それから、正直アイスランド国内でも覚えている人がいるかいないかのプロジェクトなので、日本人でこれを知っていると、アーティスト本人からすごく驚かれますよ!
***

 5月21日(土)はアイスランド・エアウエイブス・ツアー説明会と、なんと、初めてのICELANDiaオフ会があります。オフ会ではちょっとしたプレゼントなどもご用意しています。参加費もリーズナブルに抑えています。どなたでも参加歓迎、もちろん過去のツアー参加者もぜひ!
 説明会は若干名余裕あり。オフ会は飲食店なので余裕ありです。
 詳しくはこちらをご覧くださいね。 (小倉悠加/ Yuka Ogura)




  音楽で楽しみ、心に潤いを与えませんか?↓





2011年もアイスランド・エアウエイブス・ツアー!↓

 
 
 

 
by icelandia | 2011-05-18 02:06 | アイスランド音楽名盤紹介 | Trackback | Comments(2)
ビョークのコラボレーター、ヴァルゲイルのスペシャル・ミックス音源を写真展でリスニング・パーティ
 ハードコアなアイスランド音楽ファンには結構スゴイお知らせかと思います。

 ビョークのサウンド・クリエイターとして長年コラボしているヴァルゲイル・シグルズソンが、自ら率いるベッドルーム・コミュニティ・レーベルの音源をシバノさんの写真展用にスペシャルミックス!
 
 何を隠そうこれは小倉@ ICELANDiaが、シバノさんの写真展の音源に使えるよう、ヴァルゲイルに「ね、あなたの写真も展示されているし、キミ・レーベルもやってくれたし、スメクレイサもグレープヴァインも時間があればやるって言ってるし、IMEもやってくれたからぁ、お願い!」と口説いたのです!

 なんと堂々約2時間半ノン・ストップ!誇り高きベッドルーム・コミュニティの音源を、ウソ偽りなくヴァルゲイルのセレクション&スペシャル・ミックスでお届けします。「作業はアシスタントにやらせて、ヴァルゲイルが承認してくれればいいよ」とも言いましたが、なんのなんの、ヴァルゲイル本人が選曲からミックスまで全部やったそう(ある意味、恐れ多い)。 

 このスペシャル・ミックスは鳥肌&感涙もの!

 当然私が最初に受け取り、最初に聴いています。役トク!!

 ヴァルゲイルの音の世界、レーベルとしての理念や美学がキッチリと出ていて、本当に美しい。いえ、美しいだけではなく衝撃的。
 所属アーティストを個々に聴くより、ずっとクリアにレーベルとしての輪郭がわかります。

 ご存知の通り、このレーベルは少数鮮鋭で、ヴァルゲイルを筆頭に、ヨンシーの最新アルバムのアレンジャーとして大活躍したニコ・ミュリー、アヴァンギャルドなクラシックのダニエル・ビャルナソン、若干泥臭いカントリーと洗練を極めたサウンドが特徴のサム・アミドン、身を切り裂くようなノイズと静寂の美を芸術的に重ねるベン・フロスト
 個々のアーティストが比類なく個性的であり、それをミックスしてまとめあげると・・・、背筋ゾクゾクです。音のアート、美学ですね。本当に。

 この音源があまりにも素晴らしく、カフェで何気に流してしまうのは勿体ないということで、急遽、シバノさんの写真展の最終日(6月6日)を、なるべくゆっくりとリスニングしていただける環境にしました。

 以下、シバノさんにまとめていただいた文章をコピーしますね。

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シバノジョシア写真展-Children of Nature
"Bedroom Community Night" @akta

日付:6月6日(日)
時間:START-19:00〜CLOSE-22:00
場所:Community Center akta(新宿)
〒160-0022
東京都新宿区新宿2-15-13第二中江ビル301 地図
TEL:03-3226-8998
※予約不要、参加無料、時間内出入り自由です。
※飲食持ち込み可
 
tp://onabys.jugem.jp/?eid=253
↑イベントの詳細はこちらをご参照ください。
 
◆イベント概要
ビョーク(Björk)のサウンドエンジニア・コラボレーターとして知られる
ヴァルゲイル・シグルドソン(Valgeir Sigurðsson)。

今回の写真展のために、ヴァルゲイルが主催するレーベルBedroom Community 所属アーティストの音源を自らセレクトし、さらにノンストップMIXした音源を制作、 ご提供頂ける事となりました。

同レーベルはクラシック・エレクトロニカ等、古典からデジタルまで融合させたクオリティの高い実験的な音を作り出し、様々なジャンルのミュージシャンが活動する アイスランド内でも世界的に評価・活躍しているアーティストが複数所属。

音楽フェスAirwavesでも毎年Bedroom Community Nightは大変高い人気をほこるイベントになっております。

今回は、写真展"Children of Nature"開催中の新宿2丁目akta内で、最終日の19時から特別にヴァルゲイル提供の音源を流し、照明や雰囲気も変えて同レーベルのサテライトイベントを行います。

是非この機会にアイスランドの写真に囲まれながら濃密な音世界をお楽しみください。

***

 ヴァルゲイル一派、ベッドルーム・コミュニティも毎年参加しているアイスランド最大の音楽フェス、アイスランド・エアウエイブスを濃厚に楽しむツアーを ICELANDiaは毎年ご提案しています。
 その旅行説明会の6月分が決定しました。

アイスランド音楽フェス&オーロラ・ツアー旅行説明会
6月24日(木)19:00〜
6月26日(土)13:00〜
 *説明会は1時間半を予定していますが、つい長話になりがちで、実質2時間くらいになってしまうことも。
 *要予約。参加無料。お土産付き。予約方法はこちらのブログを参考に。
 *当日、 ICELANDia音楽ショップから若干ですが、CDをスペシャル・プライスでお分けしています。欲しいアルバムがある場合は、事前にお知らせいただければ必ず用意しておきます。

 狭いながら、とても素敵なオフィスで、とてもアットホームな感じで話をさせていただいています。5-6名が限度で、先日はオフィス満杯でした・・・。なので、早めにご予約いただいた方がいいかもしれません。(小倉悠加 / Yuka Ogura) 



アイスランドの溶岩ネックレス!プレゼントにも最適!









   シバノ・ジョシア、アイスランド写真展「春にして君を想う」






 ビョークとお揃い!サインポストが人気!!









 
by icelandia | 2010-06-04 23:48 | アイスランド音楽名盤紹介 | Trackback | Comments(0)
第15回アイスランド音楽賞発表、授賞式には大統領やシガーロスも
 なんかちょっと落ち込み気味の ICELANDiaです。アイスランドのニュースを毎日眺めても、楽しい出来事がないせいかなぁ・・・。

 そんなご時世ですが、2009年2月18日にアイスランド音楽賞の授賞式がありました。去年までは大きな会場でオーケストラまでつけてやっていたけれど、どうやら今年は予算がなかったらしく、スタジオに席を設けました、という風情。

 式典に欠かせないドラムロールはテープで流せばいいのに、わざと悲壮感を醸し出そうとしたのか、音楽は男性コーラス!自分達の不運を誇張し笑い飛ばすかのようで、アイスランド人のハードジョークをまたひとつ見せられた気がします。

 どのような授賞式なのか見たい!のであれば、今日から1ヶ月弱であればオンラインで見られるようになっているので、ぜひどうぞ。

Tónlistarverðlaunin 2009(アイスランド語)
http://dagskra.ruv.is/sjonvarpid/4461929/2009/02/18/
19:35 Beinn hlekkur á skrá Íslensku tónlistarverðlaunin 2009 BEINT
   *上記URLにアクセスしたら、19:35からの番組を選んでください。動画が来るのにちょっとばかり時間がかかるかも。ちなみに、QuicktimeMovieとして保存することもできました。
 シガーロスは2部門(ベスト・ソングライター、ベスト・ポップ/ロック・アルバム)で受賞。プレゼンターの可愛い女性は・・・文科省の大臣です。まだ30代前半の若い女性で背も高くないため、アイドルみたいにしか見えないので困る。れっきとした大臣なので、よろしく!
 プレゼンターには他にも私がいつもお世話になっているヤコビーや、今年は大統領も特別参加。私は過去4-5年間ずっとこの催しを見ていますが(当然オンライン)、後にも先にも大統領が出てきたのは今回が初めてだと思います。国民に明るい話題を、という意思表示でもあるのかもしれませんね。
 
 ビョークもWanderlustがベスト・ビデオに選ばれ受賞。でも、この部門の受賞場面はなかったなぁ・・・。

詳しい結果は後日別口お伝えする予定ですが、早く知りたい方は以下にあるのでチェックしてみてください。
Íslensku tónlistarverðlaunin (アイスランド語
http://islensktonlistarverdlaun.is/
***

 ここから脱線です。独り言。
 毎日会社等々で働いている人は本当にスゴイなぁと思うのは、気分が乗らない時あからさまにサボれないのに、それでも働いていること。
 今日、銀行へ行った際にフと、従業員はみんな好きで銀行の仕事をしているんだろうか?と思いました。うーん、それって私が数字に弱いせいで、銀行の仕事は面白くないし大変だと思っている偏見なのでしょうか。でもまぁ、給料はよさそうですよね。
 私の場合はほとんどの場合、気が向いた時だけ音楽を聴いたり、興味有ることを調べたり、ブログを書いているので楽だけど、そんなのは生産性がほとんど無いので、世の中の隅でお茶を濁しているだけです。でも、会社勤めで昼間ストレスが多かったり、気分が乗らずに働いている人が、このブログを見たり、アイスランドという未知の国の音楽を聴くことで、一瞬でもホっとしてもらえたらいいなぁとも思いました。

 本日の私、何となく怠くて頭がスッキリしないんだけど、もしかして風邪?(小倉悠加 / Yuka Ogura)



I have contributed a couple of articles about Iceland to free magazines. One is for KANAKU, a free info mag of Kansai International Airport. The other is for Tokyo International Forum, a free mag for the venue (where Sigur Ros had played). The former is about northern lights and the latter is Iceland Airwaves. Yuka

2008年アイスランド・ビジュアル・アート大賞受賞作家ジュエリー↓
  






  アイスランドの音楽がいっぱい!↓
by icelandia | 2009-02-20 20:23 | アイスランド音楽名盤紹介 | Trackback | Comments(8)
スクリーミングM特集その4:アパラットは名盤だぞぉ
 いつもICELANDiaブログにお寄りいただき有り難う御座います。
 
 

ICELANDia企画特別旅行の説明会のお知らせ◆
 このアイスランド・ツアーは音楽ファンが楽しくアイスランドの音楽フェスに参加できるよう、アイスランドの音楽をよく知るICELANDiaが企画したものです。
 
★旅行期間:2007年10月16日から22日(5泊7日) 

★説明会日時: 1回目 7月26日(木) 18時30分〜20時00分
        2回目 8月25日(土) 16時30分〜18時00分
       場所 アイスランド大使館(JR品川駅より徒歩15分)
        *説明会参加無料

★説明会お申込み方法
1.E-メールでの予約:下記アドレスに件名「アイスランド説明会予約」として、お名前・電話番号(携帯電話可)・参加希望日を書いてお送りください。
 メールアドレス: tour@free-bird.co.jp

2.お電話での予約:03-5228-3565 にお電話いただき、アイスランド説明会の予約をされたい旨、電話に出た担当者にお伝えください。

ツアー詳細 http://www.tour.free-bird.co.jp/campaign/Iceland/
 
 ++++++++++
 
 何回か映画『スクリーミング・マスターピース』(略してSM!)のサウンドトラック収録曲解説を抜かしたので、今回はサントラに戻ります。
 
 それから以前、新生ムーム待望の『Go Go Smear The Poison Ivy』特典付で予約開始!ということでムームのことを書いた後(こちらのブログ)、先日の『氷国』でのバーゲンで気づいたのですが、映画の公式サイトhttp://www.screamingmasterpiece.jp/の最初に出てくるPVはムームの『Green Grass Of Tunnel』で、これをアイスランド語で歌ったヴァージョン(もちろん本家本元のムームが歌ってます)が、フリドリクソン監督映画作品『Falkar』のサントラにも挿入されていました。その他、ヒルマル・オゥルン・ヒルマルソンやバングギャングも。2枚だけ入手できていたものなので、『スクリーミング〜』のサントラと併せてお聞きいただくといいかと思います。こちらにあります。
 
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 ★★『スクリーミング・マスターピース』サウンドトラック特別解説#4★★
 
5.「Romantica」アパラット オルガン カルテット 
 
 アパラット大好き!と単純に喜ぶ私。
 アパラット・オルガン・カルテットとは、機械仕掛けのオルガン四重奏集団です。実際には生ドラムスが1名入り5名のグループ。
 オルガン奏者1名が2台のキーボードを操るので、キーボードは壮大にも8台!それも最新機材ではなく、レイキャヴィーク市清掃局の協力を得て、ゴミ!のキーボードを整備し、調整し、それで使っている。そういう点では環境にやさしいリサイクル楽器集団。

 それでもゴミはゴミで、全部の音が出るとは限らず、実際に出ない音もあり、どうしても音が外れるキーボードがあったりしますが、それは「この楽器の個性」と解釈し、音が1-2音でないからといって使用しないということはありません。エライ!
 どこか暖かみや愛嬌のある音色は、そんなところから来ているのですね。
 
 よくこのグループのリーダーがヨハン・ヨハンソンであると思われているようですが、彼ら自身に言わせれば特にリーダーは存在せず、ごく平等にやっています。
 
 機械仕掛けなので、プレイヤーは人間ではありません(という前提)。なので演奏中に笑ったりはせず(現時点ではロボットには表情が無いですから)黙々、淡々と演奏を続けます。この「ロマンチカ」と「ステレオ・ロックンロール」がシングル化され、後者には、これまたヘンテコな踊りというかフリがついていました。
 
 このグループ、全員がバラバラの職業を持っているため、なかなか集まって作曲することができず、また、そういった職業を維持するに当たり、まとまったツアーにも出ることができません。なので、アルバムを制作するといっても、とにかく延々として進まず、ニュー・アルバムの話は数年前からありますが、一体本当にいつ出てくるやら・・・・。
 
 この曲が収録されたファースト・アルバムに感銘を受けた、日本でも知られる大物の音楽プロデューサーが(近年日本で大ブレイクしているQのつくグループをプロデュースしていました)、実は数年前彼らにあるオファーをしていました。数ヶ月かけてこのファーストを彼の元で録音し直さないか、と。
 しかし、アパラットはあくまでもサイド・プロジェクトで、家族を支える仕事についているメンバーも少なからずいるため、数ヶ月イギリスに渡って再録音するためには仕事を辞めなくてはならず、そうかといってその間の保証も、その後の生活の保障もないため、その話は・・・断念。
 
 ポテンシャルの高いグループであることは間違いがなく、それにしてもこのデビュー・アルバム一枚で5年も6年もひっぱって、それでいて徐々に売れてきているというのはスゴイ!
 
 このアルバムはヨハン・ヨハンソンのロック・ルーツが顕著に現れ、曲によっては典型的なメタル!いやぁ、これが実に楽しく面白い。それは2006年12月に東京でも彼らのライブを見ることができたので、体験した方もいらっしゃることでしょう。その様子はこちら。
 アイスランドでは高い人気を誇るグループなので、現地で彼らのライブを見るともっともっと大々的なモッシュ状態で盛り上がります。そんな体験をしたければ、ぜひ10月にIceland Airwavesへ行ってくださいね(まだアパラットが出場するかは分かりませんが・・・)。
 
 「ロマンティカ」を聴いて、なかなか面白い!と感じたら、ぜひアルバムを通してお聞きください。">こちらにあります。楽しい発見がたくさん詰まっている名盤です。(小倉悠加)
 
↓サウンドトラック『スクリーミング・マスターピース』 特典残り少!!
 
by icelandia | 2007-07-23 15:27 | アイスランド音楽名盤紹介 | Trackback | Comments(1)
スクリーミング・マスターピース特集その1:シガーロス&ステインドール
 さーて、これから少しの間、アイスランド音楽ドキュメンタリー映画『スクリーミング・マスターピース』の日本公開(7月7日〜:渋谷シネクイント)に伴い、映画やサウンドトラック、その周辺のことなどをブログに書いていく予定です。
 とはいえ、いつもICELANDiaのブログをお読みのみなさまはご存知かと思いますが、それでも勝手気ままに脱線したり、途中で挫折(?)したりするので、どこまで続くかな??
 
 映画『スクリーミング・マスターピース』については、2005年8月に既に書いていますし(この記事です。)、ものすごく素敵な公式サイトが出来ているので、そちらでたっぷりとお楽しみください。

■映画『スクリーミング・マスターピース』公式サイト(日本語)
  http://www.screamingmasterpiece.jp/
  
         ++++++++++++++

    映画『スクリーミング・マスターピース』サウンドトラック
      7月4日ボーナス・ディスク付日本版リリース!

        ICELANDiaショップで予約受付中。
     送料無料&ちょっと得した感じがしそうな特典あり!

        ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 
      http://icelandia.shop-pro.jp/?pid=4170714
   

    
 それではサウンドトラックの話に移りましょう。このアルバムはアイスランド音楽入門として、とてもバランスが取れています。ボーナストラックがBad Taste(=悪趣味)レーベルの曲だけなので、そこだけは偏っていますが、全般的にはアイスランドの伝統的な楽曲あり、メタルあり、ビョークからシガーロス、ムームまで入っているので、音楽的なジャンルも、有名無名という点でも幅広くカバーされているので、バランス感覚は素晴らしいし、アイスランドの音楽シーンというのは、英米ほど巨大ではないため実態に沿っています。
 
 日本でのサントラ発売に伴い、ICELANDiaの音楽ショップでは、サウンドトラック収録アーティスト全ての(廃盤は除く)個別アルバムをご用意しました。日本ではICELANDiaだけの扱いのアルバムも多いので、ぜひご注目ください。
 
■ショップ特別企画:スクリーミング・マスターピース特集
  http://icelandia.shop-pro.jp/?mode=cate&cbid=210865&csid=0
  
         ++++++++++++++
 
 ★★『スクリーミング・マスターピース』サウンドトラック特別解説#1★★
 
1.「A ferd til Breidafjardar」 by Steindor Andersen & Sigur Ros
 そのサントラにまず登場するのがアイスランドの伝統的な歌唱であるリームル。歌唱というより、ストーリーテリング(語り部)に近く、主に14世紀頃から口頭で語り継がれてきたアイスランドの英雄や戦闘の様子などを描写するものです。
 
 通常はバックの伴奏はありませんが、ここではシガーロスがバックを務めています。歌唱はリームルの継承者として現在最も活躍するステインドール・アンデルセン。ステインドールはシガーロスの全米ツアーのサポートをした時もありましたし、ヨンシーがステインドールからリームルを学んだことは、ファンの間では知られているかと思います。
 
 現在シガーロスが拠点としているアラフォスのスタジオが出来て間もなくの2001年、シガーロスとステインドールは6曲入りEPを制作し、その中の一曲がこの曲で、EPでは「hugann seida svalli fra」とタイトルされていました。アイスランド語なのでタイトルがどう違うのか、私はさっぱりわかりません。どなたか教えていただけるとうれしいです。
 
 シガーロスとステインドールがアラフォスのスタジオで演奏している動画は、シガーロスのサイトにあります。興味ある方はこちらでご覧ください。
 
 それで、ステインドールはソロ・アルバムも出しています。タイトルはずばり、『Rimur』。アイスランド人の作るメロディの基盤となっているのがこのリームルではないかと思うようなメロディ多く、決して派手なアルバムではありませんが、ビョークにしてもシガーロスにしても、あのユニークさがどこから来るのか?と探求心を出した時、必ずどこかでリームルにぶちあたることでしょう。
 
 あまり書くと映画のネタバレのようになるので控えますが、とにかく、アイスランド音楽ファンであれば、ぜひこの一枚は持っていてほしいし、これを聴かずしてアイスランドの音楽は語れない、絶対的に外せないアルバムです。
  
 『Rimur』by Steindor Andersen
  http://icelandia.shop-pro.jp/?pid=1084611 
 
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 シガーロスについては、今更説明は無用ですね。これまた以前に書いたブログですが、一時期ファンの間で評判になったので、ふたつほどご紹介しておきます。
 
 ▲シガーロス誕生日潜入記
 http://icelandia1.exblog.jp/2567794
  レイキャヴィークで催された(ビョークも来た)シガーロス結成10周年記念パーティに、たまたま私が居合わせた時のレポートです。激しく長文。
  
 ▲氷国歴史的名盤:小倉悠加のシガーロス論
 http://icelandia1.exblog.jp/4058543 
  アイスランドの音楽評論家/アーティスト、ドクトル・グンニ(Dr.Gunni)が行ったアイスランドが選ぶアイスランド音楽の名盤の第一位に、シガーロスが選ばれました。その時に書いた、いわばアイスランド音楽オタクから見たシガーロス。
  
 シガーロスのメンバーは現地のアマチュア・バンドをプロデュースしたり、無名ミュージシャンに手を貸したりということを、よくやっています。6月は「シガーロス/アミーナ」特集にしたので、現時点であればショップで一覧しやすくなっていますが、7月に入るとスクリーミングの特集とばらけていきます。それでも、6月のこの特集は少しの間このまま残しますので、シガーロスをもっと深く知りたいファンは、ぜひご覧ください。
  
 ■シガーロス/アミーナ特集
 http://icelandia.shop-pro.jp/?mode=cate&cbid=198782&csid=0
  
 現在ICELANDiaのショップでは、シガーロスのとても貴重なアイテムをいくつか扱っています。
 
 スペシャル・ツアー・ブック『In a Frozen Sea: A Year with Sigur Ros』
 http://icelandia.shop-pro.jp/?pid=4030087
 これはアイスランド国内でのTakk...ツアーを追った32ページの特別ツアー・ブック。30x30センチのLPサイズで、見応え充分。もちろんオフィシャルなアイテムです。
 
 12インチ7枚組Sigur Ros『In A Frozen Sea』 
 http://icelandia.shop-pro.jp/?pid=4029957
 これは本当によく作られている。12インチ盤はTakk...ツアーで撮影されたスペシャル・スリーヴに収納され、ハードカバーかゴージャスな写真のアルバムかといった雰囲気で本のようになっています。LPがページのようにスリーブに挟まれているんですね(って、変な説明かしら)。ページの真ん中がくり抜かれ、レコードのレーベル部分と一体になって一枚の写真になっているという凝りよう。
 言うまでもなく限定品。
 
 2006年アイスランド・ツアー絵はがき(絵:ヨンシー)
 http://icelandia.shop-pro.jp/?pid=3383847
 シガーロスが2006年アイスランド・ツアーで訪れた地を、ヨンシーが絵にしたものです。ライブの日付が裏に入っています。絵はがき7枚組。
 
 映画『フレンムル/Hlemmur』サウンドトラックCD
 http://icelandia.shop-pro.jp/?pid=3357854
 一時期シガーロスがライヴ会場のみで販売していた幻のアルバムです。いつまで入手できるかすごく不明。とりあえずは在庫あります。
 
 
 アート本『Riceboy Sleeps』Jonsi & Alex
 http://icelandia.shop-pro.jp/?pid=2788473
 現時点ではアイスランド国内のみで流通。千部限定でナンバリングがしてあります。間もなくナンバリングのないインターナショナル・ヴァージョンが発売され、少しはお安くなるようです。
 
 それから、捜している人が多いアルバム『Recycle Bin/ Von Birgidi』も、ほとんど常時扱っています。
 http://icelandia.shop-pro.jp/?pid=638397
 
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 今回はやたらICELANDiaショップにおいてあるアイテムのご紹介が多くなりましたが、ステインドールはこういった機会でもない限り、その重要性をプッシュできないので、多くの音楽ファンに注目していただければうれしいです。(小倉悠加)




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by icelandia | 2007-06-30 02:17 | アイスランド音楽名盤紹介 | Trackback | Comments(0)
感謝の気持ちを込めて Takk!!!
 みなさんへTakk!   どうぞよき新年をお迎えください!!

 もう年末になってしまいました。な〜んと時間の経過が早いこと!たぶん、これが今年最後のブログになります。なので、みなさんにたくさんの感謝の気持ちをこめてーー。
 
 この秋、早稲田大学エクステンション・センターで受けた「アイスランド総合講座」終了式の話を書いた際、少しだけ最後に触れていたことがありました。アイスランドの音楽ファンはきっとお気づきになったことでしょう。それはシガーロスのアルバム『Takk...』です。
 
 終了式の際にこのアルバムを持っていって、駐日アイスランド大使に一言書いていただきました。それが右下の画像です。『Takk...』のアルバムには、意外な使い道があります。これに気づいたのはスペシャル・パッケージ版を見た時で、すぐにピン!ときました。
 
 『Takk...』は通常のアルバムも特別版も見た目は変わりませんが、中を開くと違いは如実で、特別版には20ページ近いデザインページがついています。もちろん見るだけでも素敵ですが、これをスクラップ・ブック的に使ったら素敵ではないか、と。
 
 アイスランド語の「takk」は英語では「thank」の、感謝するという意味なので、私はこのアルバムを「有り難うノート」として使っています。イベント時にみなさんにお会いすした時、”来ていただいて有り難う御座います”という気持ちをお渡しすると同時に、そこに何か一言を書いていただこうと。
 
 たくさんページがあるので、スクラップ・ブックとして写真を貼り付けたり、イラストを描いたり、そういう使い方も大いにアリ。何かの記念として自分で持っていてもいいし、素敵な思い出ブックを作り、お友達にプレゼントしても喜ばれることでしょう。手をつけず、きれいな状態で持っているよりも、そうやって思い出作りの一環として使うのが本筋ではないかと私は感じています。
 
 ということで今年の締めくくりは、こうしていつもICELANDiaのブログをお読みいただき、アイスランドに興味を持ってくださる方への感謝の気持ちを込めて、特別仕様の名盤『Takk...』をスペシャルな価格でご提供させていただきますね。
 
 それから、『Takk...』ではありませんが、12月中に入荷予定だったアルバムが入荷せず、ご迷惑をおかけしているお客さまがたくさんいらっしゃいます。この場を借りてごめんなさい。通常は4-5日営業日で届く航空便が、なんと3週間かかって届いてきました。が、それは半分で、まだあと半分が未着です(涙)。ご注文いただいた商品をキチンとお届けして今年を締めくくりたかったのですが、こればかりは仕方ないのでご容赦ください。辛抱強くお待ちいただき、有り難う御座います。
 
 ということで、アイスランドで12月にリリースされたアルバムが何タイトルか入荷しています。年末年始は私もお休みをいただくため、詳しい解説を書くのが少し後になってしまいますが、ICELANDiaショップには、現在200種類以上のアルバムがあり、まだまだ増えていきます!この秋に入荷したものは随分とたくさん試聴をつけているので、ぜひ一度じっくりとご覧ください。1月の2日か3日には、福袋をアップする予定なので、お見逃し無く!!
 
 今年一年有り難う御座いました。ぜひ楽しく幸せな新年をお迎えくださいね!!(小倉悠加)




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by icelandia | 2006-12-29 04:11 | アイスランド音楽名盤紹介 | Trackback | Comments(2)
アイスランド音楽名盤:ビョークもはまったメガス
 今回は硬派というか音楽マニアック話です。どうも音楽をイメージ先行で扱えないため、売り方が下手だと言われるけど、音楽がいかにファッショナブルであるとか癒されるとか(結果的にそうであることは構いませんが)、そういう聴き方が苦手なもので・・・。
 アイスランドの歴史的名盤20枚の第三位に、Megas & Spilverk Thjodanna のs『A Bleikum Nattkjolum』が入っている。首位がシガー・ロス、二位がビョーク。本来は二位のビョークの話が先かもしなけれど、ビョーク前にメガスのことを取りあげます。
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 アイスランドの外に出てしまうと全く知られていないアイスランドの二大名アーティストが今日のお題であるメガスとブッビ・モルテンズだ。別の表現をすれば、ビョークやシガーロスを知らないアイスランド人がいても特別に珍しくもないけれど、アイスランド人でメガスやブッビを知らない人に会ったら、私はたまげる。
 彼らはそれだけ大きな功績があり、社会的に衝撃を与えた文字通り偉大なアーティストなのだ。ではなぜ彼らが国外で知られることがないのかといえば、それはとても単純なことで、海外に出て活動しないのと、アイスランド語以外では決して歌おうとしないからだ。
 
 メガスがいかに偉大かということは、アイスランド語が理解できないと真には理解できないらしい。なにせ、ノーベル文学賞を受賞したアイスランド人作家ラクスネスの次に、文学的に素晴らしいと絶賛されるほどだし、その内容もまた非常に過激であるとか。
 メガスの信望者は数多くその代表がビョークでもある。ビョークがいかにメガスに心酔していたかといえば、彼女はメガスのバックボーカリストだった。シュガー・キューブスで大活躍し始めた後も、とにかくメガスの仕事だけは極力続けた。それも妹のインガと共に。バック・ヴォーカルを務めるビョークが入っているMegasのアルバムは3枚存在する。それからあくまでも噂ではあるけれど、ロック歌手のご多分に漏れずドラッグとアルコールで廃人のようになってしまったメガスに、アパートを買い与えたのが彼女であったとか・・・。
 また、ブッビ・モルテンズもメガスを師匠と慕い、歌詞を書くとメガスに見て貰い、彼の意見を求めるという。私はメガスにサインを貰ったことがあり、アイスランド語を理解する友人に見せたところ、私の名前のユーカに、飛ぶという単語のフルーガという言葉をかけ、非常に巧みな言葉遊びでサインをしてくれたという。
 
 ここでいきなりボブ・ディランの話をしなければならない。私は特にディラン・ファンというのではないけれど、ディランがいかに偉大なアーティストであるかを嗅ぎ取ったのは、確か高校生の頃だった。私はメインストリームのアメリカン・ポップスが大好きで、カーペンターズの解説を全部書いていることでもお分かりの通り、正直なところポップス一辺倒だった。西海岸系はマニアックに追っていたけれど、それもメインストリーム・ポップの延長上のお勉強にすぎなかった。
 ディランは60年代に一世を風靡したアーティストであり、私がポップスを聴き始めた頃のディランは小休止状態だったと言ってもいい。でも、彼の初来日が決定した。あれは78年頃だったろうか。カレン・カーペンターの歌声が命だった私に、ディランのだみ声は「どこが音楽?」という印象ではあったけれど、そのだみ声の中に異様なほどの迫力と威力を感じたことも確かだった。手放しで好きな系統の音楽ではなかったものの、向学心が出て、武道館で彼を見ることにした。そこで予習として、当時話題になっていたアルバムを何枚か聴いた。確か『欲望』と『Hard Rain』だったかと思う。あのダミ声に慣れる必用はあったし、カーペンターズのように口当たりがいいものとは全く異質でも、その中に詰まっていた感情は、言葉の理解力に欠けていたとはいえ、当時の私の胸を打った。
 商業的な成功を見据えて工業製品のように作り出された音楽というのは、その場ではよくても、結局はどことなく虚しく感じるようになる。お手軽なハンバーガー屋のように、急場しのぎにはなるけれど、本当の満足感が得られない。
 表現は旨くないが、ディランには母親がにぎってくれた塩ニギリのような、充実感があった。
 
 メガスを最初に聴いた時、「アイスランドのディランだ!」と思った。こういう感想がアーティスト本人にとって良いか悪いかは別として、実際、歌い方や節回しがディランっぽい。本人は真似たつもりはないらしいが、言葉の力に頼ると、万国共通あのような歌い方になるのかもしれない。
 言語が理解できず本当に残念だが、以来私はメガス・ファンだ。音楽的にディランほど冒険をすることはないが、メガスの声が持つ魅力はディランと比べられて当然と思われるところがある。これはもう、実際に聴いてもらうしかないのだが。
 
  1977年に発表されたこのアルバムは、メガスとフォーク・ロック・グループのスピルヴェルク・ヒョウダナのコラボで、アルバムのタイトルは『ピンクのガウンを着て』というものであるという。ギターを中心としたアコースティックな響きのサウンドの中に、メガス特有の節回しに彩られたヴォーカルが光る。現在のメガスのシンギング・スタイルが固まる前のものであり、ある種のさわやかさが漂うヴォーカルで、その響きだけを聴くのも私は好きだ。
 
 60年代後半から70年代にかけて、アメリカの西や東のシンガーソングライター系を丹念に聴いていた音楽ファンであれば、特にこのアルバムでのメガスはたちまち気に入ることだろう(=私自身がそのひとり)。特に歴史的名盤の第三位に選ばれたこのアルバムは、全般的に軽いアコースティックで口当たりも良く、時々音楽的に面白いヒネリがあって聴き応えがあり、「名盤」と太鼓判を押されるだけの内容の濃さと普遍性がある。
 現在、CDで復刻された盤には、アウトテイクスが10曲も入ったお得なアルバムで、アイスランド人でもなければメガスのアルバムを20枚も集める必用はないけれど、このアルバムはぜひ逃してほしくない。復刻アルバムは現在入手可能。いくら名盤とはいえ、ずっとこれが入手できるとは限らないので(アイスランド国内諸事情により)、ピン!ときた人は、早めに入手することをお勧めします。
 
  このアルバムが発売当時から世界に出ていたなら、復刻が続く70年代のAOR系名盤と同等かそれ以上の扱いを受けるべき作品であり、アイスランドという小さな国の中だけにその評判がとどまっていたことが残念だ。アイスランドが誇るべきにして誇るアーティストの名盤中の名盤で、こういった名作が少しでも日本の耳の肥えた音楽ファンに届いてくれることを心から願ってやまない。  (小倉悠加)




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by icelandia | 2006-07-17 18:48 | アイスランド音楽名盤紹介 | Trackback(1) | Comments(0)
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