お待たせしました!写真家のシバノ・ジョシアさんから、素敵な写真をたくさんいただきましたので、今日から2週間くらいの間に、2011年アイスランド・エアウエイブスのことを集中的に書きますね。
写真に関しては、写真家の Keiko Kuritaさんにも撮影していただいていますので、別口にブログ上で展示会として12月初旬にご紹介できる予定です。
アイスランド最大のポピュラー音楽祭、アイスランド・エアウエイブス、2011年は水曜日から日曜日まで正式日程でした。
今年はハルパというゴージャスな会場が加わり、2003年から見続けている私も、「どんな感じになるのだろう?」とドキドキワクワク。なにせ初日からビョークのライブがあり、いつものエアウエイブスとは勝手が違います。
事前に発表されたスケジュールを見た時から、今年のエアウエイブスは以前とは比較できないレベルになったという印象でしたが、実際にはそれ以上で、当初の「レイキャヴィクの音楽シーンの仲間内のお祭り」という感覚を保ちつつ、「国際的音楽イベント!」の顔もしっかりと出来ていて、本当に凄かった!
もちろん激しく楽しくて濃厚なことは変わらず、そこに、国際的なレベルで考えても、「凄い」という言葉が似合うフェスになりました。オフ会場などまったくなかった初期の頃から見続けてきた者としては、本当に感慨深い。
アイスランドのファンだけではなく、日本の音楽ファンのみなさん全員に、胸を張って、自信をもって、「ぜひ一度実際に体験して!」と言いたい。
今年のフェスの感じを受けて、来年2012年のフェスのツアーはみなさんとアーティストがもっと近づけるようなものにしたいと思っています。毎回そうですが、私がいることにより、普通は体験し損なうようなことを汲み取れることが多いので、来年はそれがもっと色濃く出るような工夫を考えています。
アイスランド音楽フェス、アイスランド・エアウエイブス1日目
初日からビョーク登場!
(写真はほとんどがシバノ・ジョシアさん撮影ですが、下手なのは私のスナップです。シバノさんのはクレジット入り。私のはクレジット無しの写真です)
水曜日の午前中は決まり毎として、ツアーのみなさまを会場に御案内します。そこで、いろいろな術を授けるのですが、ちょっとしたことを知っているのと知っていないのでは、大きな差が出ることがあるので、これは侮れない。
会場の特徴などもそうですが、例えばアイスランドのCDショップの対応は親切であるとはいえ、「あの時に君といっしょに来た人が戻ってきてくれたから、すごく丁寧に対応したつもりだけど、大丈夫だったかな?」と聞かれるくらいなので、一度お連れすることにより、親近感を持っていただき、互いに一層心地よい時間になるのではとも思ってます。
それから、12Tonar(有名CD店)では、私のツアー参加者にアルバムを一枚プレゼントしてもらいましたよね。ちょっとお得!
午後からはスペシャル・スタジオ・ツアーとして、シガーロスのスタジオと、ビョークのコラボレーターであるヴァルゲイルのスタジオ見学へ。これに関しては、後日別口にブログでレポートします。
今年もシガーロスのスタジオでは少し音源を聴かせてもらい、ヴァルゲイルのところではアーティストによるライブ演奏も!みなさん初日から「すごく濃厚」「こんな体験普通はできませんね!」と超コーフンの連続でしたね。
さて、私は午前・午後とお客さまの御案内で見られませんが、今年のエアウエイブスは初日の午後から始まりました。
オフ会場の数は結構多く今年は20箇所くらい。その中での目玉がこのブログに書いたKEX(ケックス)で、この日の午後にはGusGus, For a Minor Reflection, Just Another Snake Cult, Samaris, Retro Stefsonと人気者の演奏が続きます。あまりにも凄くて、このスケジュールを見た時、突っ伏しましたわぁ。メイン会場で見たいグループ揃い!!
会場はこんな雰囲気。これはまだ適度に余裕があっていい感じの時に写した写真で、ギグ近くになると、観客でごった返して身動きできなくなることもあります。
バンドが演奏する場所は、ちょうど上記の写真を撮影した場所くらいのところから。お客さまの目線でわかるでしょうか。
そのKEXでこの日シバノさんが撮影してくれたのは、近年私がイチ押しのグループ、演奏がよりシャープに力強くなり成長を見せてくれたFor a Minor Reflectionです!(以下FaMR)
音とリズムに集中するキャルタン。彼はシガーロスのゲオルグの弟さんなのですね。
私がごひいきにしているグルッフィ君。かわい〜〜(すいません、ただのミーハーです)。息子にしたいわぁ。彼の携帯番号は3年前からキープ(笑)。
こちらはKEXを離れ、ダウンタウンにあるReykjavik BackpackersでのSpaceships are cool。
今回のツアーの特徴のひとつはホテルのロケーションで、メイン会場からは少しだけ離れていましたが、こういったオフ会場を渡り歩くのは至極便利で、ホテルの周囲2-3分で5-6軒のオフ会場がありました。Backpackersは2-3軒隣なので歩いて10秒!
こちらは12Tonarが自信を持って自社レーベルからリリースしたHamlett Hok。12Tonar 店頭ライブ準備中!
ハムレット・ホックことヘルギに関しては、これも別口にご紹介する予定ですが、サインももらってあるし、12Tonarが心意気で破格で卸してくれたので、私も破格で出します!パーカッションを中心に、アジアの国々も含めた民族楽器なども使った興味深い音楽なので、ぜひご期待ください!
再度Reykjavik Backpackersに戻りFaMRのキャルタンもお勧めのSing for me Sandra。色彩豊かな音作りで、アコースティックだとハーモニーが協調され、ライブハウスで電気楽器をフルに鳴らせば、カラフルな音作りがよく分かって楽しいグループのようです。

さて、私はスペシャル・スタジオ・ツアーに同行していた関係で、実際に参戦したのはこの辺からになります。
いつもはゆるーく始める水曜日ですが、今年は決定的に何かが違う。というのも、まずはこの写真を。
これは、この日の朝10時頃私が撮ったスナップで、何かといえばビョークの無料チケットを求める列。先頭は、気温がゼロ度にもなろうというアイスランドの真夜中3時から並んでいたそうです。
チケ配布は正午からで、朝の10時には既に配布場の周囲のブロックをぐるりと人が取り囲み、先着200名に入れたのは、だいたいこの時間までに並んだ人だったとか。
ビョークのライブは有料チケットが事前に売り出されると共に(24時間で売り切れ)、アイスランド・エアウエイブスのフェスパス保持者用に、200枚ほど無料チケットが用意されました。
私のツアーでは、チケットを希望したお客さま全員に1枚は渡るように手配しましたが、フェス中行われる2回両方というのは無理だったので、2回とも見たい人は並んでゲットしていました(すごい、おめでとうございます!)。
ビョークはピカピカのハルパでライブを行います。それも、観客席に入れるのは700名から800名弱と言われる小さな会場です。どんなライブになるんだろう・・・ドキドキ。
ちなみに私がビョークをライブで見たことがあるのは、武道館のみです。
さて、ライブ前には本当はしっかりと腹ごしらえしたかったけれど、例によって時間がなく、部屋でチーズとクラッカーをつまんで出陣。ハルパに到着すると、先日訪れた時とはうってかわって、大勢の人が集まっていました。
カフェ・エリアでは、バンド演奏などもあり、結構いい感じ。
ビョークの会場がある2階の踊り場では、こうしてツアーグッズなども販売。TシャツはICELANDia音楽ショップにも一部あります
開演が夜8時、開場6時となっていますが、どーせアイスランドのことなので、開場がそんなに早いわけがない!と思って行ってみると、読みは当たって開演一時間ちょっと前に開場になったようです。
会場には立ち見と着席の両方があり、ステージがドーンと真ん中にあって、その周囲に4面の客席があるとすれば、広い一面が着席専門。その他の3面がスタンディングです。席は早い者勝ち!
私はこの日は着席券を持っていたので、会場に入る際に、着席エリアに入れるリストバンドを巻かれました。
白いのが(一度も行けなかったけど)プレス・ラウンジのバンドで、行けばビールが無料だったとか。真ん中のが着席を示すリストバンド。金色のがアイスランド・エアウエイブスのフェスパスで、この色はプレスであることを表しています。他のお客さまは・・・何色だったっけ、赤だったかな。アーティスト関係は確か緑。
色分けの私の記憶が違っているかもしれませんが、とにかく色で分けてありました。
ビョークのライブ会場に入ってまず驚くのは、会場自体が小さくて、ステージの方が客席の面積よりも大きい?と思うほど。なるほど、これでは700人も入れば満杯だ。
着席の席など、200席ちょっとでしょうか・・・。ビョークって数万人集められるアーティスト・パワーのある人なので、これは限り無い贅沢!
写真に関してはゆるゆるのアイスランドでも、ビョークは厳重に厳禁!プレスと思われるカメラマンが1名いただけで、あとは絶対にダメ!だけど、そこはアイスランドで、ライブ後はみんなパチパチ撮ってた。なので私も堂々と撮りました!ぶれててごめん 。でも、これでいかに客席とステージが近い(近すぎる!)かわかると思います。
ビョークのライブのことを話し始めるとすごく長くなるので、ごく手短に。ニュー・アルバム『Biophilia』を中心とし、そのために作ったアプリも活用してのライブで、やはり革新的でした。
声の調子はよく(一曲だけかすれたけど)、彼女の場合は歌だけではなく、ライブ全体が彼女の芸術なので、それを総合的に見ると、アーティストとしての彼女の力量というか、奥深さがすごくよく出ているステージでした。
「なんでそんなデカイもの作ってまで音をだすかね?」というブツがあれこれとあり、まぁそんなお遊びもアーティストならではという感じ。それに、サンダーボルトは確かに迫力がある。
ちょっと違うけど、でも路線としてはパット・メセニーがやっていた、オーケストリオンと通じるところがあるなぁと、私は眺めていました。
会場が小さいだけあり、観客と彼女の距離はごく短く、私はこの日、前から2列目にいたので、ビョークとは4-5メートルしか離れていなかった感じ。マイクが少し口から外れると、生の声が聞こえるようなところで、とにかくアイスランドならではの環境だなぁと改めて思いました。セキュリティなんか、ずっとステージを見ていて、首が疲れるのか、時々客席側を向いたりして、そんなところもゆったり。
個人的には以前のアルバムから「Hidden Place」を聴けたのがよかった。私、『Vespertine』が命なもので。あと、ヒット曲では「Isobel」のアレンジもよかったなぁ。
バックのコーラスの女の子の使い方もとても素敵だし、ホント、「ビョーク姐さん」って感じでした。あと、音楽には無関係とはいえ、カツラが大きくて、自分から真正面になってくれないと顔がすぐ見えなくなるので、あれは邪魔(笑)。
アンコールの「Nattura」から「Declare Independence」の盛り上がりが、我が意を得たりで、曲の意味を考えても、アイスランドを含めて現在いろいろな国が置かれている社会問題を考えても、とても示唆に富んだ作品で、それに対して声高に、「他人に振り回されるな。独立を叫ぼう。自分の旗を高く掲げよう、高く、もっと高く!」というのが、すごく胸にスカーっときて気持ち良かった。
ただ、遠慮しているのか、お客さまのノリがイマイチだったのが残念。というか、着席の方はどうも着席してないといけない雰囲気で盛り上がれなくて残念。なので、次回は立ち見券を取っておいたので、絶対に拳を振り上げてやろうと思った。
ビョークは転んでも泣いてもビョークで、国際的に超一流でやっている人はやっぱり違うなぁ。私が知るアイスランド・エアウエイブスという括りとは、異次元のライブ。
ヴォーカリストとして天才的なのに加えて、大胆かつ繊細な音作りと緻密なステージ構成。コンセプトも斬新だし、どこをどう切り取っても、世界の最先端を走れるアーティストであることを実感。あっぱれです。素晴らしかった。
ふ〜〜、っと幸せのため息をつきながら、女王様がいなくなった空のステージをグルリと見て、会場の外に出ると、やはりどうもレイキャヴィクというよりも、六本木あたりの雰囲気。エアウエイブスに来ているつもりなので、個人的には慣れない雰囲気だけど、ビョークは満足。
そして10メートルも歩くと同じハルパ内の別会場から音が漏れてくる。ビョークに心酔していたい気持ちと同時に、あれもこれも聴きたい欲があり、その会場に入ると、2009年のアイスランド・エアウエイブス・ドキュメンタリーである『Where's the Snow?』の中でも取りあげられていたOurlivesというグループでした。
こう書くと語弊を招くかもしれませんが、私は軟弱系のヴォーカルが大好きで、Ourlivesも結構その路線で好きなのですが、ビョークのようにパワフルかつ高品質のライブ直後だと・・・・。ちょうど私が好きな曲をやってくれたので、それだけ聴いて外に出ました。
外に出るとビョーク関係者がいて、早速「どうだった?」と心配顔で尋ねられました。アイスランドでは最もビョークから信頼されているという人物で、どうもいつも「心配」なのね。親心みたいなもんかな。
どうやら、アルバムのレビューにしても、絶賛とそうじゃないのがあって、心配している風情。そりゃそうでしょう。あれだけ革新的なことをやれば、分かんない、好かないっていうメディアがいても不思議じゃない。単なるポップ・ソングじゃないから、すぐに飛びつけるような親和性には若干欠けるし、ある程度の「慣れ」も必用。彼女の「美学」に共鳴できるかできないかは、音楽の趣味もあるし、ね。
でも、彼女はやっぱり最先端で、他のポップ・アーティストを牽引していく存在だし、このアルバムは、私は大傑作だと思っているのです。たぶん『Homogenic』以来じゃないかな、と。個人的には『Vespertine』が好きだけど。音としては『Biophilia』が好き。内容はやっぱり『Vespertine』!
うわ、結局かなり書いてしまった(笑)。いえ、もっと長く語ることもできます。延々と(笑)
踊り場の12Tonarの出店は大盛況で、日本人のお客さまも大勢いらしたので手伝ってあげたかったけれど、次にSoleyが迫っているので、店の様子を気にしつつ、下の階に降りました。
1階に降りるとグルーっと人が通路沿いに並んでいました。で、私もこの会場に慣れてないもんだから、どこが入り口で、どうつながってるんだかわかんなくて・・・。列には並ばず、まずはトイレへ(笑)。
そして入ったのが、Soleyの会場。ここは劇場形式になっていて、会場には椅子が備えつけられています。椅子なんて普通じゃんと思うかも知れませんが、アイスランド・エアウエイブスの会場で、全部イスがついているのはハルパだけで、以前はゼロだったのです!!
Soleyの会場は満杯。私はプレスパスを持っていたので、辛うじてギリギリ入れてもらえて、それ以降の人は入場を断られていたようでした。
Soleyはふわふわゆるゆる系で好きだわぁ。ビョークのあの濃厚で緻密な緊張感とはまったく異質の美学を持ったアーティストなので、ソーレイはビョーク後に正解でした。
Soleyはドラムスと自分のキーボードだけというシンプルな構成で、時にはキーボードと、その場で自分の声のサンプリングを重ねていく手法も。とても心地よく、心暖まるゆるやかな流れで、ふわっとした気持ちにさせてくれます。
ただ、この会場で演奏した全てのアーティストから私は異口同音に聞いた言葉でしたが、ソーレイも例に漏れず「この会場、静かすぎて慣れない」と。確かに・・・なんだか会場が素敵すぎて、あまりにも慣れなくて、アーティストも観客も借りてきた猫のようになりがちだったかも。互いに初体験ですからね。これも「慣れ」かと。
私も、現場にいた時は、どうも慣れないなぁ・・・って違和感でしたが、落ち着いて考えてみると、ハルパは使い方であり、演奏者も観客も慣れてくればそれなりに呼吸も雰囲気も出て来るという、そんな基本的なところに尽きるのではと思います。
箱に入れる中身としては、結構いろいろと持っているので心配することもないだろう、と。それに、このゴージャスな会場を、ダウンタウンの薄汚れた(でもそれが素敵な)ライブハウスと同じにする必用もないし。
ふわふわで可愛らしいソーレイの歌をいい気持ちで聞かせてもらい、それで私のエアウエイブスの初日は終わりにすることにしました。時間は夜の11時過ぎ。シンデレラタイムなので、ちょうどです。
夕食を食べ損なっているので、この後スーパーに寄り、ホットドックにさえありつけなかった時のことを考えて、ホテルの部屋で食べられそうなものを買って帰りました。
で、この日の話はこれで終わりではなく、番外編がありますので、それは次回に。(小倉悠加/ Yuka Ogura)
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